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夢の介音楽夜話

音楽、アート、グリーン、クラフトなどなど徒然なるままに

ティキ・カーヴィング

2015年06月11日 | クラフト


木工は楽しい。
思い描いた形のものが出来上がっていく、仕上げのサンドペーパーをかけて、塗装して、と。

考えたものを実現してゆくプロセスが楽しいという点では、木工に限らず絵画にしても音楽にしても建築やソフトウェアの構築まで共通していることか。
もっともこれが職業となると苦労が伴ったり、芸術であれば苦悩を伴うのだろうが。

子供の頃郷里のデパートにやってきたアイヌの木彫りの実演を興味深く眺めた。
民族衣装を纏った色の白い毛深いアイヌの方が黙々と木彫りを続ける、
設計図やお手本を見ないで仕上がってゆく工程は見ていて飽きない。

郷里は徳川家康がいたせいかものづくりが盛んだったように思う。
家具や竹製品、近年の楽器、オートバイなどの産業が盛んだったのはそういう土壌があったからだと思う。

「TIKI」はハワイの神像、ユニークな顔、おどけた表情と神の権威を兼ね備えている。

ハワイの土産物店で売られているのは観光客向けの普及品だが、ホテルのロビーなどで実演しているネイティブの作品は素晴らしい。

この世界も「師」がいて、「弟子」がいるのだろう。

ポリネシア人の誰もが木彫を手がけるわけでもなく、個から個へ伝統が引き継がれていくことにミステリアスなものを感じる。

仏像作りに名を残した人がいたように南海の楽園にも名工が存在するのは、神の導きがあるのかもしれない。




Tiki 'mania' Carving HD

"Tikipole" by RIOTURBAN Carving

Swedish Fire Torch

How To Make A Tiki Statue

大人の工作

2015年04月27日 | クラフト


「Made in Japan」の行方を追うTV番組は興味深い。
遠く欧州の職人たちが日本の職人たちが作った工具を愛用し感謝の言葉を述べる。

日々の製造工程に追われる職人たちが海外のエンドユーザーから生の声を聞くことは先ずないだろう。
モニター画面に映し出された職人の声を聞く職人たちの顔は感動に今にも涙があふれんばかりだ。

少年向けの雑誌の付録から始まる工作キットやパーツは男の子の夢を育んだ。
いやモノを作る伝統は日本古来からあったが、先の大戦後の貧しい環境は大人へも子供へもモノ造りへとさらに駆り立てた。

太陽光を当てて印画紙に形状を映す「日光写真」など、他愛もない子供騙しのような少年雑誌の付録を楽しんだものだ。


2003年から発売されている「大人の科学マガジン」という学研の企画はユニークだ。
まともに勉強したり準備すれば結構な費用や努力を要するであろう「大人向け科学キット」がブックに収められている。
しかも数千円と手ごろな価格でおじさまたちのやり残した夢の世界が買えるのだ。

そして発想が面白い。
エジソンが考えた当時の発明を紙コップなど日常品を利用して再現しようとしたりする。

音楽関係で検索すると

「テルミン」ロシアの物理学者テルミンが1919年発明したあの怪しい楽器だ。
オリジナルは相当高価なモノらしく、過去何回かレプリカが店頭に出回ったものの普及していない。

「円筒レコード式エジソン蓄音機」
レコーディングできるという感動が味わえるのだろう。

「シンセサイザークロニクル」
オリジナル設計のアナログ・シンセサイザーがキットになっているらしい。

「歌うキーボード ポケット・ミク」
YAMAHAの開発した人造合成声の発音キットらしい。

「手回し鳥オルガン」
紙製のロールペーパーにパンチされたカードによってオルガンが奏でられる。
このオルゴール版はつい最近まで市販されていた。
パンチは任意で行われることからオリジナル曲も演奏可能だ。


こうした少年の心をくすぐる商品は案外売り切れてしまう。
出版界が新作を求めては採算性とのジレンマに陥っているのなら温故知新ともいうべき商法に五分の利がある。

少なくともおじさんたちはいつの時代にも目を輝かせてはこうした商品開発を追いかけるものだ。





ミニエレキPV 大人の科学マガジンVol.26

大人の科学マガジンのミニエレキを作ってみる―

エレクトリック・スチールドラム 大人の科学マガジン/お手本演奏05「Cジャム・ブルース」

イプ

2015年03月18日 | クラフト


ひょうたんの栽培は楽しい。
花こそ白い花で、同じくつる性の「へちま」の鮮やかな黄色に劣るものの、実の形のユニークさでは負けない。

乾燥させると思いの外硬質な殻になるので、古来から容器に使われたことは想像できよう。
この空洞を利用して楽器に使われるケースも多い。

アフリカの楽器もインドのシタールも共鳴部分に使われている。
ハワイでは「Ipu」と言われる打楽器に加工される。

大きいひょうたん2個を連結して「Ka'eke'eke (Grand Ipu)」という面白い形の打楽器にもなる。
底部を床に当てては片手で側胴を叩いてリズムを作り出す。

「Chant 」と言われる祝詞に似た詠唱をこのひょうたんでリズムを刻みながら行う。
「Malae」という祭壇で行われる儀式はまさに神に捧げるという厳粛さを感じさせる。

つる性植物の栽培で、留意すべきは成長期の親づるの摘芯だ。
親づる、子づる、孫づるへと広がる成長を横に促して実をつけさせるためには本葉何枚かで親づるの先をカットする。
勿体無いような気がして躊躇するこの作業を怠ると、いつまでも実がつかないままになりかねない。

中身を空洞にする加工方法には二通りあって、水に浸けて腐らせる方法と、自然乾燥。

水に浸けて腐らせる方法がスピーディで綺麗に出来上がるが、一般家庭ではお勧めできない。
腐った異臭が近所迷惑でうっかり素手で触ろうものならしばらく動物園の動物になったような気にさせられるからだ。

自然乾燥は雨に当てないようにしてひたすら乾燥を待つだけでよい。
表面にカビが発生して独特な文様をつけるが、これがまた良いという見方もある。

ハワイでは自然乾燥したものの上部をカットして中身をかき出し、海に持って行って海水で洗うようだ。
海水の塩分の殺菌作用で脱臭、防虫などの効果があるそうな。

ハワイの巨大なひょうたんを栽培しようと試みたことがあったが発芽しなかった。
地球温暖化と言われるが、日本の気候ではトロピカル植物栽培にはまだまだ温暖化が足りない。

古来からひょうたんは水を汲んだり酒を入れたりしたようだが、液体は入れないほうがいい。
飾りか、マスコットくらいが似合う。

うまく栽培すると棚からぶら下がり風に揺れるひょうたんを楽しむことができる。
やや上級者向けになるが、鉢植えでも栽培可能だと思う。

沖縄ではへちまの幼果を食するようだが、ひょうたんも漬物が販売されている。

さて今年は久しぶりにひょうたん栽培に挑戦しようかしら。





Ipu Farm


A Little About Ipu, Hawaiian Gourds


Gourd Garden Tour II - June 18, 2010


The Lost Art of Ipu Pawehe: Tattooed Gourds of Hawaii