ジュニアカート選手権2018 FP-Jr 西地域第2戦 予選
5月20日の全日本カート選手権、ジュニアカート選手権第2戦の動画が、ようやく公開されました。
まずは、結果を見て見ましょう。
僕が応援している中村海斗くん。ゼッケン44番
決勝順位は9位フィニッシュ。
う~ん、残念。
とおもいつつ、このレース結果をじっくり観察しました。
ちょっと待ってくださいよ。
レース当日のプログラムは、タイムトライアルから始まります。
そこで、中村海斗くん、0,33.260-
なんと2位のタイムを叩き出しています。
予選ヒート最前列をゲット!
僕は当初、決勝ヒートの動画を見ていました。
しかし、カートレースファンにとって、今回注目すべきは、予選ヒートでしょう。
まずは、予選ヒートでのローリングスタート。
一度、スタートのやり直しがありました。
全日本のジュニア選手権という大舞台。
ここで、若いジュニアドライバーたちはどんな心境だったか?
そしてコントロールタワーから日章旗が振られてレーススタート。
海斗くん、ここでは冷静にスタートを決め、まずは3位をキープ。
とっ、その直後、1台がスピン!!隊列が乱れます。
海斗くんは、ジュニアの先輩たちから、2コーナーのインを刺され、徐々に順位を下げていきます。
そして運命の12週目。
海斗くん、彼には珍しく、果敢に4コーナーのインに飛び込んでいきました。結果は予選8位でフィニッシュ。
予選ヒートの最終ラップ、凄まじいトップ同士のバトル。これぞモータースポーツのフェアなバトルです。
第三者の立場からみて、この予選ヒートは、本当にすごいレースでした。
バトル中のバトルが見られました。
各ドライバーのファイティング・スピリットが表に出たレースです。
***
昨年から僕は中村海斗くんご一家に何度も取材させていただきました。
海斗くんの性格も徐々にわかってきました。
彼はとってもおっとりした性格。
けっして、闘志とか、情熱を表に出すタイプではないんですね。
彼の練習走行やSLレースを、僕は神戸スポーツサーキットで何回も見ています。
「なんて、スムースな走りなんだろう」
「なんて、スマートな走りなんだろう」
ライバルたちの後ろにつけていても、コーナーを立ち上がると、
『あれっ、いつのまに?』
という感じで海斗くんが前にいるのです。もう、そのまま逃げ切り、どんどん差をつけてチェッカー!
そういう無理、無駄なバトルをしない『スマートでスムース』な走りが海斗くんの真骨頂なのです。
しかし、今回の予選ヒート。
僕は海斗くんの成長を感じました。
全日本の強豪たちがひしめく「ジュニア選手権」
そのなかで、もう、お行儀のいいレースをしていては年上のライバルたちに勝てない、と感じたのではないか?
これはあくまで僕の勝手な推測です。
その思いが、めずらしく「ファイトむき出し」で4コーナーへの突っ込み。『トライ』につながったのでしょう。
その海斗くんの背中に僕は拍手を送りたくなりました。
なお、カデットクラスからジュニアに上がると、フロントフェアリングの取り付け方が、もう大人たちと同じになります。
このフェアリングが、なかなかの曲者です。
前の車にぶつかったりすると、沈み込む仕組みになっています。
レース終了後の車検で、フロントフェアリングが正しい位置にない場合、
オフィシャルから
『どっかにぶつかりましたね』という裁定が下ります。
その場合、走行時間に10秒加算されてしまいます。
1位でチェッカーを受けても油断はできないのですよ。
全日本選手権というのは、若い優秀なドライバーを育成する場であると思います。上のクラスにステップアップするほど、どんどんシビアな戦いになっていきます。
バトルをしている相手に接触せず、ライバルの車を抜いてゆく、という極めて高度なテクニックを要求されるのです。
ここで、参加選手の決勝ベストラップを確認してみてください。
驚くべきは、1位の佐藤凌音くんから、9位の中村海斗くんまで0,33.1-という”おんなじ”タイムであること。
なんと、コンマ1秒の中に9人がひしめいているということです。
ぶつからないで、どうやって抜けっていうんですか?!
12歳から15歳未満のまだ子供達が、こんなハイレベルな走りをしていることに改めて驚かされます。
***
レースは残酷です。
レースは結果が全てです。
でも、今58歳のオジさんがいえること。
人生は勝つことだけじゃない。
むしろ、負けや失敗を体験することで、次のステップへの、たくさんの収穫が得られるのです。
若い少年少女たちが、たくさんの失敗をして、たくさんのことを学べる場所。
それがモータースポーツの良さなんだ、と僕は思います。
***写真及び本文の著作権は天見谷行人に帰属します ©️Yukito amamiya 2018
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5月20日の全日本カート選手権、ジュニアカート選手権第2戦の動画が、ようやく公開されました。
まずは、結果を見て見ましょう。
僕が応援している中村海斗くん。ゼッケン44番
決勝順位は9位フィニッシュ。
う~ん、残念。
とおもいつつ、このレース結果をじっくり観察しました。
ちょっと待ってくださいよ。
レース当日のプログラムは、タイムトライアルから始まります。
そこで、中村海斗くん、0,33.260-
なんと2位のタイムを叩き出しています。
予選ヒート最前列をゲット!
僕は当初、決勝ヒートの動画を見ていました。
しかし、カートレースファンにとって、今回注目すべきは、予選ヒートでしょう。
まずは、予選ヒートでのローリングスタート。
一度、スタートのやり直しがありました。
全日本のジュニア選手権という大舞台。
ここで、若いジュニアドライバーたちはどんな心境だったか?
そしてコントロールタワーから日章旗が振られてレーススタート。
海斗くん、ここでは冷静にスタートを決め、まずは3位をキープ。
とっ、その直後、1台がスピン!!隊列が乱れます。
海斗くんは、ジュニアの先輩たちから、2コーナーのインを刺され、徐々に順位を下げていきます。
そして運命の12週目。
海斗くん、彼には珍しく、果敢に4コーナーのインに飛び込んでいきました。結果は予選8位でフィニッシュ。
予選ヒートの最終ラップ、凄まじいトップ同士のバトル。これぞモータースポーツのフェアなバトルです。
第三者の立場からみて、この予選ヒートは、本当にすごいレースでした。
バトル中のバトルが見られました。
各ドライバーのファイティング・スピリットが表に出たレースです。
***
昨年から僕は中村海斗くんご一家に何度も取材させていただきました。
海斗くんの性格も徐々にわかってきました。
彼はとってもおっとりした性格。
けっして、闘志とか、情熱を表に出すタイプではないんですね。
彼の練習走行やSLレースを、僕は神戸スポーツサーキットで何回も見ています。
「なんて、スムースな走りなんだろう」
「なんて、スマートな走りなんだろう」
ライバルたちの後ろにつけていても、コーナーを立ち上がると、
『あれっ、いつのまに?』
という感じで海斗くんが前にいるのです。もう、そのまま逃げ切り、どんどん差をつけてチェッカー!
そういう無理、無駄なバトルをしない『スマートでスムース』な走りが海斗くんの真骨頂なのです。
しかし、今回の予選ヒート。
僕は海斗くんの成長を感じました。
全日本の強豪たちがひしめく「ジュニア選手権」
そのなかで、もう、お行儀のいいレースをしていては年上のライバルたちに勝てない、と感じたのではないか?
これはあくまで僕の勝手な推測です。
その思いが、めずらしく「ファイトむき出し」で4コーナーへの突っ込み。『トライ』につながったのでしょう。
その海斗くんの背中に僕は拍手を送りたくなりました。
なお、カデットクラスからジュニアに上がると、フロントフェアリングの取り付け方が、もう大人たちと同じになります。
このフェアリングが、なかなかの曲者です。
前の車にぶつかったりすると、沈み込む仕組みになっています。
レース終了後の車検で、フロントフェアリングが正しい位置にない場合、
オフィシャルから
『どっかにぶつかりましたね』という裁定が下ります。
その場合、走行時間に10秒加算されてしまいます。
1位でチェッカーを受けても油断はできないのですよ。
全日本選手権というのは、若い優秀なドライバーを育成する場であると思います。上のクラスにステップアップするほど、どんどんシビアな戦いになっていきます。
バトルをしている相手に接触せず、ライバルの車を抜いてゆく、という極めて高度なテクニックを要求されるのです。
ここで、参加選手の決勝ベストラップを確認してみてください。
驚くべきは、1位の佐藤凌音くんから、9位の中村海斗くんまで0,33.1-という”おんなじ”タイムであること。
なんと、コンマ1秒の中に9人がひしめいているということです。
ぶつからないで、どうやって抜けっていうんですか?!
12歳から15歳未満のまだ子供達が、こんなハイレベルな走りをしていることに改めて驚かされます。
***
レースは残酷です。
レースは結果が全てです。
でも、今58歳のオジさんがいえること。
人生は勝つことだけじゃない。
むしろ、負けや失敗を体験することで、次のステップへの、たくさんの収穫が得られるのです。
若い少年少女たちが、たくさんの失敗をして、たくさんのことを学べる場所。
それがモータースポーツの良さなんだ、と僕は思います。
***写真及び本文の著作権は天見谷行人に帰属します ©️Yukito amamiya 2018
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