57歳から始めるレンタルカートの世界

唄う物書きアマミヤユキト57歳で人生初のレンタルカートデビュー。

『前の見えないF1から、AIまで』を語ってみました

2020年06月27日 | フォーミュラーカー
自動車のレースというのは、いまだに多くの偏見があります。
つまり、車に人間が乗っているだけだ、という意見。
もちろん、ボクは、そうではないと思います。
例えば……
『道具を使う』スポーツは数多くありますね。
野球、サッカー、バスケットボール、テニス、卓球などなど。
これと同じように、
自動車レースというのは、
『自動車という道具を、”人間が操る”スポーツ』
だからこそ、自動車レースは
『モータースポーツ』なのです。

その道具を操るプレイヤーは『生身の人間』です。

150km/hを超える豪速球を投げて打つ野球選手たち。
時速200Km/hを超えるサービスエースを打ち返すテニスプレイヤー。
そして時速300km/hを超える自動車を操る、レーシングドライバーたち。

彼らは野球ロボットや、サッカーマシン、ではなく、
もちろんF1パイロットもロボットではないのです。
彼らは練習に練習を重ねたからこそ、一般人には異次元と思える世界で戦えるのです。
そして、彼らは血の通った人間です。

さて、現代のF1のシートポジションを見て、ボクは思うのです。

『ここには”生身の人間”への配慮があるのだろうか?』

理論上は、空気抵抗が減り、ダウンフォースが増え、マシンの性能は向上しています。

そのマシンの中へ、部品のように押し込まれて、果たしてドライバーたちのモチベーションはどうなのだろうか?
実際、今のF1を見て、
『あれはドライバーではない、単なるオペレーターだ』
と酷評している記事がありました。
ボクもある程度同感です。

オペレーターは、流れ作業の中で、決められたタイミングで、決められた操作をこなします。
失礼な言い方かもしれませんが、
『ロボットで代用できる』のです。
***
誰もが感じているように、
もうじき、『ロボットが主役』の時代がきます。
その時F1や、モータースポーツは、どうなっているのか?
AIを搭載したロボットたちが、レーシングカーを乗りこなし、観客たちは、その『AIの優劣』だけに一喜一憂するのではないか?
***
『将棋』の世界で、これが現実となりました。
プロの棋士と、AIの将棋ソフトが戦った結果、AI将棋ソフトが圧勝。


対戦したプロの棋士たちからは
『もはや、人間では勝負にならない』
『将棋の世界での”神の領域”に近づいている』
と絶句。まさに衝撃と戦慄。

プロ棋士という存在自体が、根底からひっくり返ります。
もはや人間の棋士は要らないのでしょうか?
AI将棋は悪魔のソフトウェアなのか!
****
さて、車の世界でも将棋と似たようなことが進行中です。
自動運転は既に実用化の段階ですね。
いち早く、NISSANのスカイラインでは、高速道路での自動運転が体験できます。
竹岡 圭の今日もクルマと・・・日産スカイライン【NISSAN SKYLINE】


また、サーキットという、決められたコースを走るのならば、既に無人運転が可能なのです。
アウディ RS 7 自動運転コンセプト、無人でレーストラックを走行

[NEWS] "ヒルクライム"に挑戦した無人自動運転レースカー 史上初の完走


これからの時代の人と車の関係、これは、AIと人間がどう付き合っていくのか?
という問いかけでもあります。
もはや、避けて通れない問題なのです。
***
実際、将棋の世界では、AIと人間の『対決の時代』は既に終わりました。
プロ棋士たちは、すすんで、AI将棋の助けを借りているのです。
今までとは全く次元の違うような将棋の指し方を、『AIと協働して』生み出しています。

これと同じように、近い将来、AIと車を操る人間は、協働するだろう、とボクは思うのです。
人工知能・AIを『良きパートナー』として、スポーツに迎え入れる。
そういう時代に入ってきているように思います。


例えば、病気や障害で、寝たきりの人が、自分のアバターを作って、
バーチャルなカーレースに参加。

これなら、健常者とも対等にモータースポーツ. を楽しめます。
あるいは、ネットでつなげた遠隔ロボットでレンタルカート を楽しむ、なんてこともあり得ます。


どんなふうに使いこなしてゆくか、それこそ無限の可能性があるように思います。

『そりゃ~、あんまり、理想すぎるよ!』
と思われるかもしれませんね。
でも、ボクが子供の頃、1970年台はじめ。
コンピューターなんて、理想どころか、
それこそ『SF』『マンガの世界』『夢のまた夢』でした。

ところが、たった30年間で、SFの世界は、現実になりました。
今や、小学生でさえ、スマホを使いこなしています。
インターネットは、つながって当たり前。
スマホ画面をポチッとすれば、ネットで当たり前のように、お買い物ができます。

21世期の子供たちは、生まれた時からネットがある、
当たり前のようにあるのです。
子供たちにとって、『ネット環境』は既に水や空気と同じなのでしょう。

水や空気のように、AIと付き合って行けたらいいな、と思います。
僕らは普段、意識して呼吸してるわけじゃありません。
同じように、無意識に息遣いするように
AIと”呼吸を合わせて”日々の暮らしを送ること。
それはすごく素敵なことじゃないかな? と思うのです。

(***長々とお付き合いありがとうございました!! このテーマ、ひとまず終了します。)


***本文の著作権は天見谷行人に帰属します ©️Yukito amamiya 2020
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F1は前が見えないことについて その2

2020年06月21日 | フォーミュラーカー
F1 1987 Mexico | Satoru Nakajima Onboard Lap


F1の視界の悪さ、についての続きです。
上の動画は、1987年のF1メキシコグランプリでの中嶋悟さんのオンボードカメラ映像です。
カメラ位置はヘルメットの目線の高さです。
どうでしょう?
素晴らしく視界がいいですね。
ドライバーにとっては、めちゃくちゃ運転しやすい!
これならやる気も出ますよね。
それと対照的なのが、現在のF1のシートポジション。


写真はF1ワールドチャンピオンのルイス・ハミルトン氏
今現在、F1ドライバーは、このドライビングポジションで運転しています。
シートから見える風景はこんな感じ。

REAL RACING3
というスマホゲームでのシート目線。マシンはF1マシン、TORO ROSSO STR14、ドライバーはボクです。ほんまに路面がわからんのですよ。)


何故、こんな奇妙なポジションにたどり着いたのか? もちろん訳があります。
『F1』は、何もかもが、極限の世界です。
最も速くサーキットを走るために、たどり着いたのが、このドライバーポジションなのです。
この姿勢をうんだ、ご先祖様が、『ティレル019』というマシン。
1990年シーズンにデビューしました。

ドライバーは、ジャン・アレジと、日本人初のF1ドライバー、我らが 中嶋悟さんでした。
このマシンから、現代21世紀のF1につながる、『ハイノーズ』のシャシーが導入されました。
なぜこんな形にしたのか?
その利点は……

①ノーズ部分から、たくさんの空気をボディ下へ流すため。
②それによりボディ下の空気の流れが速まる。
③結果としてマシンを下向きに抑える『ダウンフォース』が増える。
④ダウンフォースが増えれば、マシンはコーナーを速く走れる。

ダウンフォースを増やす簡単な方法は、ウィングの角度を立てれば良いのです。
しかし、それでは、空気抵抗が増えて、マシンの直線スピードは遅くなります。
このハイノーズという手法は、空気抵抗を極力抑えて、ダウンフォースを増やせる、画期的な方法だったのです。
(その手法をいち早く取り入れたのが、ティレルという、プライベートチームであり、世界で初めてドライブしたのが、ジャン・アレジ氏中嶋悟氏であったということ、さらには、当時ティレルのチーフエンジニアが

『ティレル019は”サトル”が作ったマシンと言っていいね』

と絶賛していたことについて深い感動を覚えます)

ティレル019を見れば分かるのですが、この時のドライビングポジションは、上体が立ったかたちで、前方視界は、かなりいいことがわかります。
しかし、F1の設計者たちは、このハイノーズの利点を活かしたまま、さらに空気抵抗を減らそうと目論んだのです。
そして、ドライバーの視界をギリギリ確保しながら、極限まで寝かせたドライビングポジションが生まれました。
それが21世紀のF1の『スタンダード』となっているのです。
***
しかし、F1の歴史は、つねに制約と進化の歴史でもあります。
エンジニアたちが心血を注いで作ったハイノーズのF1。
それがFIA規則により、2022年から廃止される、というのです。
(さらに続く予定😁😂です。)


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F1は前が見えないことについて

2020年06月18日 | フォーミュラーカー

何を今さら、とおっしゃる、コアなF1ファンもいらっしゃるでしょうが。
F1は、はっきり言って前がほとんど見えません。
でも世界トップクラスのF1ドライバーたちは、難なく乗りこなしています。
結論から言えば、
『習うより慣れろ!』なのでしょうね。
でも、
『それを言っちゃぁ、おしめぇよぉ~』っていうわけで……。
ボクがちょっと心配しているのは、
カートを学ぶ子供たちにとっては、
『フォーミュラーカー』、『F1』っていうのは、まさに夢と憧れの対象です。
全日本カート選手権で戦う青少年たちにとっては、それこそ、具体的な目標でもあるのです。

憧れていたフォーミュラーカーの現実に、子供達が直面した時、ガックリ来ないだろうか?

『前も、ろくに見えない車に、乗りたいと思えるか?』

ということです。
これは、モータースポーツをこんな風に仕向けてきた、
僕ら、『大人たちの宿題』でもある、と思うのです。

そもそも、なんで、F1に代表されるフォーミュラーカーが、こうなってしまったのか?
それをちょっと語ってみましょう。

***

①ドライバー目線を体験しよう。

まずは、フォーミュラーカーの運転席からは、どのような景色が見えているのか?
今は実にいいドライビングシュミレーターがあります。
最もお手軽なのは、スマホのゲーム『REAL RACING 3』でしょう。
たかがゲームと思う方も多いでしょうが、その名の通り、
『めちゃくちゃリアル』です。
このアプリで、F1のシートからの風景が体験できます。
ボクのヘボな運転でご体験くださいませ。
シルバーストーンドライバー目線

みなさん、どこをどう走ればいいか? わかりましたか?
ブレーキングのポイント、コーナーの入り口など、ボクはほぼ
『こんなんと、ちゃうやろか?!』っていう、実にアバウトな感覚で走ってます。😁
サーキットはイギリスの『シルバーストーン』
マシンは2019年シーズンのTORO ROSSO (トロロッソ)STR14です。
(ゲーム内通貨を、せこ~く貯金してゲットしました。コスト0円のF1マシンです。😎😎😁)
画面で分かる通り、
運転席の狭さはもちろんなんですが、
何より、目の前に支柱があり、その上に傘を反対に刺したような影が見えますね。

これが頭部を保護する『HALO』ハロ、ヘイロー、と呼ばれる装備です。
さらには、F1では、足を肩まで上げるような、

『とんでもない、ドライビングポジション』
で運転しているのですよ!!

(次回に続く)
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