57歳から始めるレンタルカートの世界

唄う物書きアマミヤユキト57歳で人生初のレンタルカートデビュー。

パワーウェイトレシオという『ものさし』

2020年05月29日 | もっと知りたい『クルマ』
今日は、車の性能を示す、とっても簡単な物差しについて語ってみましょう。
それが『パワーウェイトレシオ』
という物差しです。
これは車体重量をエンジン出力で割った数字です。
つまり、1馬力あたり、何キログラムを背負って走っているのか?
ということなんですね。
数字が『小さくなるほど、運動性能がいい!』ということです。
特に『加速性能』を表わす数値と言われています。

おそらく地上を走る車の極限をいくのが、ご存知、F1レーシングカーです。

その車重は746kg。
そしてエンジン(パワーユニット)出力は瞬間最大1.000-馬力😵❗️と言われています。
746÷1.000=0.746-

なんと、F1のパワーウェイトレシオは、『1』を切っていて、間違いなく『0.8』以下なのです。
車の持つ運動性能の極限と言えます。


***
以下余談です。
ここでエンジン出力について。
F1のエンジンは、1.6リッター V6ターボ+電気エネルギーを使うハイブリッドシステム。

1.6Lのエンジンで1.000馬力を出す、と単純に考えると、
1.000.÷ 1.6=625  リッターあたり625馬力を出す、怪物エンジンであることがわかります。
 では、サイズをぎゅっと絞って軽自動車の排気量、660ccで、おんなじ性能のエンジンを、もし作ったとすると……。
625馬力✖️排気量0.66リッターは? 
なんと、理屈上は『412.5馬力』‼️
極端で、乱暴なことを言えば……。
ホンダの軽自動車 『N-BOX』に、412.5馬力のエンジンを積んだのが『F1カー』なのです。


えっつ、嘘でしょ?!という世界ですね。😁
余談終了。
***

さて、パワーウェイトレシオについて、両極端な一例をあげましょう。

HONDA 四代目、アクティ・トラック 
重量820kg/出力 45ps= パワウェイトレシオは『18,20kg/ps』
NISSAN GT-R R35
重量1760kg/出力570ps= パワウェイトレシオは『 3,08kg/ps』


市販車としてGT-Rの性能は圧倒的と言えます。
さて、ここでカートの世界をパワーウェイトレシオで見てみます。
***
全日本カート選手権
⭐️FS-125部門(15歳以上、高校生や一般人が参加します)


(写真は兵庫県出身 清水英志郎選手の2018年マシン。彼は今、フォーミュラーカーにステップアップしていますよ。すごいですね。)
エンジンはIAME PALLILA X30 (イタリア製、水冷2サイクル単気筒エンジン)

出力 約 30馬力
最低重量 155kg(ドライバー含む)

全日本FS-125部門では、
パワーウェイトレシオは155kg÷30ps= 『3,83kg/ps』
***
みなさま、お分かり?
全日本カートなどの競技会では、『クルマの重さ』とは、ヘルメットやレーシングスーツを着込んだ、ドライバーを含めた重さで測っているのです。これはカートに乗る青少年たちが、レースごとに体が成長する、体重が増えることを考慮しているのです。
体重が軽すぎる場合は、シートの裏側に『鉛のウェイト』を積んで、調整します。



それにしてもパワーウェイトレシオだけを見ても、カートのFS-125クラスというのは、NISSAN GT-Rといい勝負ということになります。もっと言えば、車体重量だけですと、おおよそ85kgなのです。
なので……。
85kg÷30ps=『2.83kg/ps』

これって、GT-Rを超えてるじゃん‼️😵

というより、『限りなくF1に近い乗り物』と言えるのです。


(写真は全日本FS-125チャンピオン 野村勇斗選手ですよ)
そんなスーパーカーを、高校生たち、ティーンエイジャーが乗りこなし、極限ギリギリで競い合っている、ということです。
こういうことを理解した上で、今一度、カートのレースをご覧になると、より一層面白くなると思いますよ。

***本文の著作権は天見谷行人に帰属します ©️Yukito amamiya 2020
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神戸の山歩き、鉄拐山頂上より

2020年05月24日 | 神戸の山歩き
2020:5:23鉄拐山頂上より

昨日は、トレーニングも兼ねて山歩きしました。
(登山というたいそうなものではありません。)
兵庫県神戸市須磨区に須磨浦公園があります。
ここから、スタートして鉄拐山(てっかいさん)まで登りました。
海があって、山にも登れる。
壮大な景色が楽しめる人気スポットです。
特に、県外の方達には、絶大な人気があります。


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プロテクター&ネックガードを購入しました。

2020年05月19日 | 安全対策
さて今回は、カートでサーキットを走る時、身に着けるプロテクターについてです。

(お腹引っ込めたんですけどね……、😂😁)
カートで走行中は、コーナリングで強烈な、遠心力、『横G』が発生します。
競技用のレーシングカートの場合、F1とほぼ同じ、『4G』がかかると言われています。
体重の4倍ですね。
ちなみに、乗用車の急ブレーキが、およそ『0.8G』だそうです。
ボクが今乗っている、レンタルカートの場合は、どうでしょう。

参考までに、『KA様』の神戸スポーツサーキット、レンタルカート動画をお借りしました。
ストレートエンドで、最高速は68~69km/h ぐらいは出ているようです。
(乗っているのは中学生。すごい!! うまい!! 速い!!)
中学生神戸スポーツサーキットN35



画面下の中ほどにGセンサーの数値が見えますね。レンタルカート とは言え、最大値で『1.4G』ぐらいかかっているようです。
体重の1,4倍ですよ!
その時、自分の脇腹が硬いシートに押し付けられ、(バケットシートには乗用車のようなクッションはありません。カチンカチンです)肋骨を痛めてしまうことがあるのです。
それを防護してくれるのが『リブ・プロテクター』です。

ぼくがレンタルカートで走る時、いつも身につけているリブ・プロテクターは、
イタリアの
freem社製です。
イタリアはモータースポーツ、レースの本場。
カートレースに出場している選手たちが多く愛用しています。

外側は、強靭なカーボン素材。内側は、衝撃を吸収するウレタン素材。
二重構造になっています。
内側には、スポーツ走行中の汗を、発散させやすくする溝が、一体成形されています。

背骨を守るリアのパッド。ベルト部分は、マジックテープが多用されていて、いろんな体型の人にもフィットできるように工夫されています。


3年前にレンタルカートに乗り始めた当初。
若いカート選手たちが『ヨロイのような』プロテクターを身につけているのを見て、

「ぼくみたいな”遅いヤツ”に、あそこまでの装備は必要ないだろう」

と思っていたのです。
ところが……。

神戸スポーツサーキットを、1分03秒ぐらいでラップ出来るようになっていた頃のこと。
10周ほど連続走行して、
『ああ~、疲れた』
とピットイン。カートを止めて、シートから立ち上がった瞬間。

『ギクッ』
と左の脇腹に痛みが走りました。

『……😵これはあかんでぇ~。』

『まじでヤバいぞ……😅😰』

行きつけの病院へ直行。整形外科でレントゲン写真も撮りました。
顔なじみの担当ドクターは

「骨には異常ないですね。湿布薬出しておきましょう」とのこと。
ほっと、ひと安心しましたが、続けて、

「しばらくカートは乗っちゃだめですよ!」

なんと、ドクターストップ!😂😭

痛みが収まるまで、練習は中断。

この先、カートの練習を続けていけるのか?
ちょっと不安が残りました。

『たかがレンタルカートなんかで……』とみなさん思うでしょうが、

『されどレンタルカート』です。

ラップタイムが上がるにつれ、コーナーでの遠心力、『横G』は、

『ハンパないって!!』
というぐらい、体への負担となっていたのです。

『どっかに安くて、いいプロテクター、落ちてないかなぁ~?』
とあちこち、ウロウロ探して回りました。
(あのう~、よゐこの皆さん、こんな大人には、絶対なっちゃダメですよ!)

そんな時ぼくの目に止まったのは……。

なんと釣具店。

その店先に吊り下げられていた、

『小型船舶用ライフジャケット』


僕は目が点になりました。

『これだ!!』
と速攻で購入。
確か、¥4,800-ぐらいだったと思います。
見た目はまあ、アレなんですが……😁😁😁
ちゃんと脇の下にも、厚めのウレタンが入っていて肋骨を守ってくれます。
それに、ジャケットなので、背中、胸、お腹までガードしてくれる、優れものでした。
なんと言っても、この機能性で、この安さは魅力的。

2019年の3月、神戸スポーツサーキットで、『1分の壁』を突破し、

『人生初の59秒台』
に到達した時、
身に付けていたのが、この小型船舶用ライフジャケットだったのです。
さて、
2019年の7月、ぼくは、ようやく『リブプロテクター』と『ネックガード』を購入。


なぜ、ここまで購入を渋ったのかというと、
やっぱりその『お値段』です。
freemのリブプロテクターは購入時、¥30,000-以上していたと思います。
(今ネットで検索したら、税込みで ¥28,006-でした。)
同時に購入したネックガードは¥16,000-程度。

(これも競技会で使えるエクスジェル製品です。公式サイトはこちら


一気に5万円程度の出費は
『財布に厳しいぃぃ~!!😂』

それだけのお金があれば、神戸スポーツサーキットで、10回はスポーツ走行できちゃいます。
う~ん、どうしようか?
ここで、ぼくは改めて自分に問い直しました。

「ぼくがサーキットで走るのは、なぜなんだろう」

それは、やはり自己ベストの更新であり、自分への挑戦。
それが、面白くって、たまらないから!!
もう還暦迎えた、おっちゃんが、無我夢中になって、サーキットを走る。
その楽しさは、サーキットを走った人でないと分かりません。
さらに、この年齢になっても、

『練習すれば、技量はあがる!!』

という素晴らしい発見があります。

日々の生活の中で、気力が続かず、ついつい、自分に言い訳することがあります。

『もう、自分はトシだから……』

でもレンタルカートに乗る時、ボクはなぜか、子供のように、ワクワクします。
気力がみなぎります。

『だって、楽しいんだもん!』

楽しいからこそ、練習が続けられる。
もう少しだけ、努力してみよう、と思わせてくれる。
60歳になった自分にも、まだまだ、可能性はあるんじゃないか?
『自分は捨てたもんじゃない』
『自分を肯定していいのだ!』
と思わせてくるのです。

さらには、
努力の成果が、1/1000秒単位の精度、数字で客観的に評価される、
ということも強烈な魅力です。
サーキットで横Gに耐え、歯を食いしばりながら走って出したタイム。
それはもう、第三者が口を挟む余地がありません。
そこにタイムという数字が、プリントアウトされて、証明されているのですから。

だからモータースポーツは楽しい!!

そして、楽しい、カート走行をこれからも続けたい。
自分自身への挑戦を続けていたい。
ならば、
『安全に走り続けられること』
が絶対に必要です。

こうして、悶々と悩んだ挙句、ぼくは体を守るプロテクター購入を決断しました。
大の大人が、数万円のことで……、と思われるでしょうが。
お金がないからこそ、余分にたくさんのことを考えて、そして
『工夫』します。
それに、なけなしの貯金を叩いて買った『道具』は、
当然のことながら

愛着を持って『大切に使います』

特に、これからカートを始めようとする子供たちには、『モノを大事にする』という、
これもいい『学び』になるでしょうね。
ぼくのようなビンボー人でも、レンタルカートならば、
モータースポーツの入門として、安価なコストで、十分楽しめます。
これからも、それを証明していきたいですね。

***写真、本文の著作権は天見谷行人に帰属します ©️Yukito amamiya 2020
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還暦記念でレンタルカート59秒、神戸スポーツサーキット

2020年05月15日 | オンボード映像
還暦レンタルカート59秒、神戸スポーツサーキット HD 720p

お恥ずかしながら、
ボク、
還暦になってしまいました。
わぁ〜い。🤗
今年の4月で、めでたく 60歳。
マジか? 
いいのかねぇ〜、こんな鼻タレ坊主のまんまで。
ちょうど、レンタルカートで60秒を切ったのが、動画で撮れましたので、アップさせていただきます。
いい記念になりそうです。😄😄

コロナウィルスで何かと息が詰まりそうな世の中ですが、皆さんも、どうか、お元気で!!✌️✌️

***
動画はiPhone5sをヘルメットのアゴ部分に、食器洗いスポンジをクッションにして、結束バンドでくくり付けて撮影しました。(撮影コストは200円ぽっきり)
iMovieで手ぶれ補正をかけたので、周りに黒い枠が見えております。ご了承くださいませ。

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想い出のクルマ、HONDA 『ラファーガ』

2020年05月12日 | 思い出のクルマ
さて、今となっては、傑作車とさえ言える『NISSAN プリメーラ』初代を乗りつつも、どうしても『HONDA』への憧れは続いていました。
そんなぼくがようやく手に入れたホンダ車が 『ラファーガ』
という4ドアセダンでした。


聴きなれない名前でしょ?
そんな車あったの?! と言われそうですが……。
なんと、2リッター直列5気筒SOHC 20バルブ PGM-FI エンジンを縦置き。
(出力は160Ps。最大トルク19,0Kg .m)


FFミッドシップレイアウトの4ドア・スポーツセダン!!

という大そうな謳い文句で登場したクルマでした。
足回りは、前後とも、ダブルウィッシュボーンサスペンション。
サスペンション構造はF1と一緒なのです。
そして四輪ディクスブレーキが標準装備。
当時、ようやく装備され始めたABS、およびエアバッグもオプションで選べました。
このクルマの魅力については「名車文化研究所」というサイトが好意的な記事で紹介してくれています。
***
エンジンはSOHCなのですが、4気筒エンジンより『一発多い』5気筒エンジン。
その吹け上がりは、圧倒的でした。
信号が青になり、アクセルを底までベタ踏みすると、

『カァァァ~ン』

という乾いたエンジン音。
これぞ、まさにぼくが憧れた、あの

『ホンダサウンド』

そのものでした。
エンジン回転のレッドゾーンは7,200回転以上
タコメーターは、8,000回転まで刻まれていました。

いやぁ~、このエンジンは回る!
喉から手がでるほど欲しかった『HONDAエンジン』を手に入れたぞぉぉ~!
という喜びでいっぱいでした。
(エンジン吹け上がりの動画がありました。今となっては貴重ですね)

***

確か1994年の秋頃だったと思います。
すでにプリメーラを3年ほど乗り続け、
『ボチボチ、次の車が欲しいなぁ~』
などと考えていた頃。ホンダのディーラーから新車発売のハガキが届きました。
そこに載っていたのが、ホンダベルノ店で発売される『ラファーガ』というクルマ。
(ホンダクリオ店では、アスコットという名前でした。)
興味本位で、顔馴染みになっていたホンダベルノ店へ出かけました。

会社の同僚Y君が『プレリュード新型』を買ったのが、このベルノ店でした。
定期点検の時など、ぼくも一緒に遊びに行って、よく無料でコーヒーなど、ご馳走になっていました。
(このお店のスタッフとは、とても仲良くなり、後に、なんとNSXの試乗車に乗せてくれたこともあります。)
さて、店に展示してあった、ラファーガのシートに座ってみました。

『えっつ!! これ、本当にホンダ車なの?!』


ぼくは腰痛持ちです。
そのぼくが全く違和感なく、リラックスできる、素晴らしいシートでした。
Y君のプレリュードの助手席で、腰が痛くて悶絶していたのが嘘のようです。
***
ぼくがまず気に入ったのは、ラファーガのシートであり、そのインテリアでした。
何より
『小物入れがちゃんとある!!』
(今では当たり前でしょうが、当時のHONDA車にとっては珍しかったのです。)
インパネの中央、エアコン吹き出し口の上部には、大きな扉のついた収納スペース。
これはのちに、高速道で領収書をもらう時、パッとしまえる、実に便利なポケットでした。

また、右下には、コインなどが取り出しやすい開閉式のポケットもついていました。
確か、ドリンクホルダーも装備していたと思います。
ドアの内張にはビロードのようなファブリック。

(ドアノブの横は、高音用スピーカーです)
なんとも優しい、さわり心地です。アクセントの2本のステッチ。
仕立ての良さを感じさせる演出。
今までのホンダ車には感じられない、使い勝手の良さと上質なインテリア空間でした。
***
室内空間の『演出』ということでは、やはり
トヨタや日産の車はすごいなぁ~と思います。
トヨタのクラウンに、一度でも乗った方ならわかるでしょう。
高級ホテルのラウンジが、そのまま移動空間になっている、
隅々まで行き届いた、心地よさと『おもてなし。』高級感の演出。
まさに、円熟した大人の室内空間。
あの、やんちゃなホンダが、そんな大人の雰囲気づくりに”無謀にも”挑戦し始めたのが、1990年代でありました。
***
ラファーガの泣き所は、実はその謳い文句とは全く逆の
『非スポーツ性』
でした。
いわゆる
『直線番長』的なのです。
エンジンは大変立派な出来で、素晴らしい吹け上がりと加速が味わえます。
ところが、
「ほんまに、これがミッドシップかいなぁ~?」
と疑わざるを得ないハンドリング。
せっかくのダブルウィッシュボーンサスペンションを生かし切れていない。
そのセッティング、味付けがまずいのです。
高級感を出そうとして、乗り心地優先にした結果
はっきりいってサスが『ふにゃふにゃ』なのです。
そのためブレーキを踏むと5気筒エンジンを縦置きした、重いエンジンルームは、
前につんのめるような感じで、『ノーズダイブ』を起こすのです。
この足回りのセッティングはスポーツセダンとしては致命的でして、
ワインディングでは『全く楽しくない』クルマに仕上がってしまいました。

まして、ぼくはこの前に『欧州車を超えた!』とまで言われた、ポテンシャルの持ち主である、
『プリメーラ』というコーナリングマシーンに乗っていたのですから、その差は歴然でした。
***
では、なぜ、試乗もしながら『ラファーガ』という高い買い物をしたのか?
それは、何より

『HONDAエンジン』の魅力、魔力であり、
また、

『豪華装備を満喫したい!!』

ということでした。
実は最初買った『プリメーラ』は、マイナーチェンジ直前のモデルで、いわば、在庫一掃セールス中でした。
アクセサリーや、オプションは一切なし、という条件で、新車ながら格安で購入できたのでした。

オプション一切なしのプリメーラは、気軽に街中をスイスイ走る、カジュアルなクルマでした。
例えるならば、トッピングなしの『かけうどん』みたいなクルマなのです。
(実もフタもない、何ちゅう、たとえや!!)
基本性能だけを楽しむ、(走りは1級品ですが)そんなクルマでした。

そこで、次回新車を買うのなら
オプション満載の車がいい!!
そして
『スーツが似合う車がいい!!』
とぼくは思ってしまったのです。
ちょっと気取って、背伸びして、おしゃれを楽しむ。そんな雰囲気の車が理想でした。
そこに現れたのが、ホンダがちょっと背伸びして作った車
『ラファーガ』でした。
HONDA TVCM 1993 RAFAGA


このクルマの購入にあたり、ぼくがチョイスしたオプションは

①アンチロックブレーキシステム(ABS)
②フォグランプ
③アルミホイール
④リアスポイラー


⑤本革巻きステアリング
⑥6連装CDプレイヤー
⑦リアワイパー
⑧クルーズコントロール(これはオプションだったか、標準だったか、記憶が曖昧です)
そしてトドメの一発!!
『天井スライドガラスサンルーフ』(メーカーオプションでした。今思えば、持ち慣れないお金を持った、小市民そのものですね)

(天井には、ガラスサンルーフの室内カバーが見えますね。)
***
さらに、車体色は「メタリック・ダークブルー」
この色は、ディーラーの店長自ら、
「これ、めっちゃ、かっこよく見えるよ!!」
と超オススメの色でした。


ラファーガは、室内空間を稼ぐために車高が異様に高いのです。
そのため明るいシルバー系の色では、随分間延びして見えるのが難点でした。
ところがダークな車体色であれば、白っぽい膨張色の反対、『収縮色』なので、車のシルエットが引き締まるのです。

(これは皆さん、是非覚えておいた方がいいですよ。車体色を選ぶときは、『膨張効果』に注意です。小さな色サンプルでは暗く見えても、車全体にその色が塗られると、2割増しぐらい明るく見えるのです)

***
まあ、色々と、不満はあったものの、ぼくはその後、10年ほど、このラファーガを乗り続けることになりました。
特に、つけてよかったなぁ~、というのはやはり
『スライドガラスサンルーフ』でしょうか。
この天井は3つのモードが選べます。

①サンルーフの内扉を閉めた状態。
②内扉を開けて、ガラスルーフだけの状態。
③完全オープン(ガラスルーフは天井内に収納されます)
ぼくは特に、ガラスルーフの状態にしてドライブを楽しむのが好きでした。
天井を開けないので音も煩くないし、ガラスルーフは、スモークなので、太陽も眩しくありませんでした。

座り心地のいいシートと、ビロード生地に包まれた、ちょっとおしゃれな室内空間。
高速道に乗って、クルーズコントロールをスイッチON。
アクセルから足を離しても、もう大丈夫。車は一定速度でゆるやかなコーナーをトレースしてゆきます。
6連装CDチェンジャーで、ドリカムを聴きながらのドライブ。
ちょっと見上げれば、ガラスルーフから差し込む柔らかな光、そして緑の木々。

何より、レギュラーガソリン仕様で高速道をリッター10kmで走ってくれる、お財布にも優しいクルマ。

『これ以上の贅沢なんて、もういいよなぁ~』

クルマという道具との付き合い方。
贅沢を手に入れた後、人は何を目指すのか?

『足るを知る』ということ。

ふと、そんなことをぼくは考え始めていました。

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