57歳から始めるレンタルカートの世界

唄う物書きアマミヤユキト57歳で人生初のレンタルカートデビュー。

全日本選手権第3戦7月15日(土)レポート

2017年07月19日 | 2017全日本選手権

さて、前回は中村海斗くん優勝の速報をお送りしました。
地元の小学生レーサーが優勝するなんて。
その瞬間を目撃できたなんて!
これは嬉しかったです。
***
さて、僕は『全日本格式』のカートレースなんて、全く初めての体験。
ど素人。
右も左も分からない。
だから、「なんでも見てやろう」という感じで、気になったところを、愛用のiPhoneで写真に撮ってゆきました。
それを元に、決勝前日、7月15日、土曜日の様子からレポートしますね。
この日のスケジュールは、各クラス別に練習走行。
(クラス分けは地方FP-3,地方FS-125,ジュニアカート選手権カデットクラス、ジュニアカート選手権FP-Jrクラス、そして、全日本カート選手権FS-125クラス、以上5つのクラスがあります)
お昼には決勝専用タイヤの配布。それからドライバーズミーティング、公式車検があります。
****
まずは、午前中の練習走行。
ゼッケン23番はFP-Jrカテゴリーに参加の橙(だいだいと読みます、珍しい苗字ですね)選手です。
カートのシャシーメーカー「エナジージャパン」のワークス選手。14歳。




ちなみに、この日の天気予報はこちら




これは、朝、5時の予報です。暑くなりそうですよね。
橙選手、セッティングOK!!
ピットアウトします!
頑張ってね。

他の選手も続々とコースインする中。
突然、オフィシャルの動きに異変が!


なんと、練習走行開始直後、S字コーナー出口付近で、2台が接触。
一人の選手が、カートに乗ったままぐったりしていました。
おい、大丈夫か?



その後、オフィシャルに抱えられるようにして、なんとか立ち上がりました。
自力で歩けるようです。
よかった、よかった。
朝はタイヤのあったまりが遅いんですね。
多分そのせいで、S字コーナーの縁石に乗り上げ、グリップを失い、衝突した可能性があります。
実は神戸スポーツサーキットのS字コーナーは、「ほぼ直線的」なラインが一本あるのです。
みんなその走行ラインを狙います。ぼくもレンタルカートながら、生意気に、その走行ラインをマスターしました。
直線的に走れるということは……。
もちろんエンジン全開で突っ込む!! ことを意味します。
だからタイヤが温まりきらないうちに攻め込むのは、気をつけたほうがいいでしょう。
コース上では赤旗中断。



その間に、橙選手、一旦ピットイン。冷静ですよね。



土曜日の練習走行は、いろんなセッティングを試しているようです。
もちろん、木曜日、金曜日に走り込めていない選手は、コースに慣れることも大切。
しかし、ランキングトップ争いをするチームは、それこそ「F1」や「スーパー G T 」と全く同じく、車のセットアップを緻密に行なっているようです。
何周か走ってピットイン、調整。また走る、また調整。
こうして、明日の決勝当日に合わせて、車のセッティングを仕上げてゆくのです。
その一連の作業は、人気のカーレースのそれと、基本的になんら変わりありません。
紛れもなく「レーシングカー」のセットアップなのです。
***
さて、お昼12時から決勝用のタイヤが配られます。
なお、この土曜日も、朝いちばんに、カデット、ジュニアのクラスは、オフィシャルからエンジンが配られています。



スケジュール表を見ていた僕に、一つの疑問が。
タイヤ配布が12時10分
タイヤ回収が13時10分。


はぁ?!
これって何?
どういうこと?
ちょうど、エナジージャパンのメカニックの人に、お話を聞いていたので、その件を質問。
明快な答えが返ってきました。
「配られるタイヤは、新品の決勝用タイヤ、そのものズバリなんです。一旦チームに持ち帰って、ホイールをつけるんですよ。
そのあと、ホイール付きのタイヤを、すぐにオフィシャルに返却して保管してもらうわけです」

(この写真がタイヤの回収)

ああ、なるほど。
ホイールなしのタイヤが配られ、ホイールをつけて、すぐに返却。
ということは、決勝用タイヤは前日、土曜日は「全く使用できない」ということですね。
ちなみに決勝用タイヤの件で
スクーデリア沖縄のオナガ監督にお話を聞いていました。
「FS-125クラスでは、去年まではブリヂストンでしたが、今年からダンロップに変わりました。今年の方が、タイヤの耐久力が上がりましたね。100㎞ぐらいは、保つんじゃないかな」
みなさん、よろしいですか?
レース用タイヤは、耐久力が上がったとはいえ、
100㎞しか持たないのですよ。
つまり、時速100キロで連続走行すると、たった1時間で、タイヤの寿命が来るということ。
わかります? これ。
市販車のタイヤなんて、一度履くと、次の車検まで履きっぱなしがほとんど。
レース用の強烈なグリップを持つコンパウンドのタイヤ。
その凄まじい性能が、このことからも読み解けるのです。
こんなすごいタイヤを履いて、10歳ソコソコの子供達が、車を走らせるんです。
レーサーって改めてすごいな。
優勝した中村海斗くんも、こんなタイヤを履いてレースしたんですね。


写真は練習走行中の中村海斗くん。ゼッケン44番
彼も、幾度かピットインして車の調整をしていました。



その姿は大人のレーサー顔負け。

各クラスの練習は午前、午後合わせて3回だけ。
練習時間は各20分です。
その時間をどう有効に使うか?
3回目の練習走行は、いよいよ決勝に向けての最終調整。
もう、ピットもピリピリした雰囲気でした。


***
さて、午後3時
コース上では、ドライバーズ・ミーティングが行われます。
明日の決勝に向けて、注意事項が、オフィシャルから、伝えられます。


この後、午後3時40分から公式車検。
車検場に車が続々と集まります。



車検場にはこんな張り紙が。


車検場に集まる車と、ピットクルー、そしてドライバー。





シート横の黄色い小さな箱が「トランスポンダー」
信号の中継機器です。
これで1/1,000秒単位まで、ラップタイムが測定できるのです。
シートには消火器が載っかってますね。


ヘルメット、消火器、それにレーシングスーツも、不備がないか、車検場で検査されます。



ピットの屋上には、すでにオフィシャルビデオ撮影の機器が設置済み。
車検を済ませた選手たちは、明日の決勝に備えて、改めてコース下見をしています。

偉いね。
まだ、小学生、中学生ですよ。

***


ピットの屋上に翻るJAFの旗。
そして日本の国旗

1日の取材の最後、
ああ、なんでだろう、
日の丸を見ると、ちょっと「じ~ん」ときました。
やっぱりこれが
『全日本』
という「言葉の重み」
なんですよね。
日本のトップレーサーがこうして神戸に集結したのです。

あとは決勝を待つばかり
(続く)

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