ユキだるまのつぶやき

歌う仕事の日常とインディーズならではの話あれこれ

流出

2010-11-11 02:02:22 | 音楽
部屋の片づけをしていたら出て来たCD。


これはテナーサックス奏者の故高橋達也さんが私家版として作ったCDである。

大田区下丸子で行われている「下丸子JAZZ倶楽部 (伊波秀進制作 瀬川昌久監修」で1996~1997年に行われたジャズコーラスグループのライブ録音を高橋さんがご自分の楽しみのためにCD化したと思われる。

今から思うと家でCDを簡単に作っちゃった高橋さんはメカに強い人だった。

出演は「ラ・モード」「ザ・ブリーズ」「スリー・ディグリーズ」とある。

ブリーズさんも3ディグリーズさんも、現在も活躍しているコーラスグループだが、果たして「ラ・モード」とは何か?




ほほほ。


告白いたしましょう。




「ラ・モード」とは私がメンバーであった女性3人によるジャズコーラスグループで、全員板橋区在住だったので別名「板橋シスターズ」とも呼ばれていた。とほほ。

ソプラノあべ美智子 メゾソプラノ竹下ユキ アルト田中広美

という構成で、アンドリューズ・シスターズやボウスウエル・シスターズのコピーをやっていたのよ。


当時私たちは自分たちにとても厳しくて、私の家に集まってはよく練習したし、重箱の隅をつつくようなことを言い合ってお互いを責めていたな。

しかし、改めて聞き直してみると。


え~。上手いじゃん。


相当いい線である。


だいたいアンドリューズシスターズにせよ、ボオスウエルにせよ、大戦前後のアメリカのコーラス姉妹たちの作品はアレンジが面白い。

基本兵隊さんの慰問に行って楽しませようという気迫のある作品が多い。

マンハッタン・トランスファーみたいなテクニックはないにせよ、女性3人で相当のエンターテイメントをやっていたと思われる。

そのコピーを「ラ・モード」はかなり一生懸命やっている。

世の中のコーラスグループに対して、女性3人だったから、私たちは少々引け目を感じながら歌っていたのだが、今思えばずいぶん精一杯のことをしていたように思う。

高橋さんが残してくれたこのCDを聴きながら、胸が一杯になってしまった。

もっと遊べばいいのに・・・と思う所もたくさんあるのだが、本当にいい作品。

これCDRにコピーして希望者にはクリスマスプレゼントにしましょう。(私たちの歌だけね)


ああ。


若いころの理想は高く、現状に満足できず、ものの価値も分からず、一つ作れば一つ壊す・・・の繰り返しで、遠くばかりを見ていたような気がするけど、後から思えばそれは素晴らしい金銀財宝だったのかもね。


もちろんあのまま私がコーラスだけをやって来られたとも思えないけど、美智子さん、広美さん、お婆さんになったらまた一緒に歌いませんか?

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