「アイアンクロー」

【THE IRON CLAW】
2024/04/05公開　アメリカ　130分
監督：ショーン・ダーキン
出演：ザック・エフロン、ジェレミー・アレン・ホワイト、ハリス・ディキンソン、モーラ・ティアニー、スタンリー・シモンズ、ホルト・マッキャラニー、リリー・ジェームズ

人生をかけて闘え

STORY:1980年代初頭。“鉄の爪”こと伝説のプロレスラー、フリッツ・フォン・エリックによって最強を宿命づけられた息子たち、次男ケビン、三男デビッド、四男ケリー、五男マイクが次々とプロレスデビューを飾る。やがてフォン・エリック兄弟は華々しい活躍でプロレス界を席巻、目標の世界一も目の前に迫っていた。しかし、そんな彼らに次々と不幸が襲う...　（allcinemaより）

 

“アイアンクロー＝鉄の爪”の異名で日本でも活躍した伝説的プロレスラー、フリッツ・フォン・エリックとその息子たちの真実の物語を描いた伝記ドラマ。父の跡を継ぎ、プロレスラーの道を歩み始めた息子たちを待ち受ける栄光と悲劇を描く。監督は『マーサ、あるいはマーシー・メイ』『不都合な理想の夫婦』のショーン・ダーキン。

フォン・エリックファミリーについては、予告編を見るまで知らなかったけれど実話好きなので鑑賞。父親も元プロレスラー、その息子たち全員もプロレスラーというプロレス一家の栄光と悲劇を描いたもので、とても切なく悲しい家族の物語だった。実際は６人兄弟だそうだけど映画では５人になっている。そのためエピソードが少し違っているようだけど、しっかり一家の物語は伝わってくる。

父親の厳しい指導の中でも兄弟たちは仲良く、絆も強いのはすごいなぁ。ただ両親は、息子が助けを求めても兄弟の問題は兄弟で解決しろと一切干渉しなかったのはびっくり。息子たちを愛してるのはわかるけれど、もうちょっと親身になってくれてたらと思ったし、何よりも父親の、自分が獲れなかったベルトを息子たちに過剰ともいえる期待をし、それに応えようとした息子たちのプレッシャーも相当なものだったからこそあの悲劇へとつながったのかもしれない。

試合のシーンも迫力があったし、素人目にはリアル感があった。やはり大きなスクリーンで観るのがおすすめな作品。いつものスポーツ映画のクライマックスのように盛り上がって気持ちよく終わる作品とはまったく違ってて、ラストのひとり残されたケビンの表情に泣かされる。ケビンを演じたザック・エフロンが私の知ってるザックんとは全く違ってていやーびっくり。役作りのためにとんでもないマッチョになってて最初は気づかなかった～っ。兄弟役のキャスト陣も本物のプロレスラーのようで素晴らしい。

観終わって知ったけど、ケビンの息子たちもプロレスラーなのね....すごい一族だ!
悲劇という言葉じゃ足りないほどの、これほどまでに悲しい家族の物語だったとは思わなかった。

鑑賞日：2024/04/06