自分に占い能力があると知ってからおよそ2年間ほど、
私は頼まれる占いをなんの抵抗もなく全部受けてた。
時に居酒屋で披露する特技になり、
時に初対面の人を大いに喜ばせられる武器になったり、
時には上司に人生相談を持ちかけられるようにすらなった。
占いにお金をとるなんて考えもしなかったし、
私で力になれるなら、と何にもストレスはなかった。
自分の能力がどこまで使えるのか試すのがとても楽しかったってのも、ある。
それにだんだん飽きだしたのが、2年後、なんだろうか。
垣間見える世界に夢中だったのが少しずつ、アラが見え始めた。
思ったとおりの結果じゃないと受け入れられない人や
自分に都合のいい部分しか持って帰らない人や、
それすら含めて占いだとわかるまで大分かかった。
そして、こちらはとてもパーソナルに相談にのっているのに
相手が欲しいのは私の占い能力だけなのだとリアルにわかってしまったときとか、
言いようの無いジレンマに疲れてしまった。
やはり、お金という対価、お金という距離をとらないといけないかも知れない。
その距離は私だけでなく、相手にとっても優しい距離でもあるのだと思い知った。
そして、「占い師」と名乗った。
趣味でなく、仕事にしようと決心したのだ。
その仕事も夢中でやって、これまた2年で飽きてしまったのだけれど。笑
あはは。続かないわねー。
今は占いはもうすっかり趣味。
アッチにリンクしまくった生活は楽しいけれどかな~りの確率でヒットエンドラーン!
だから、今は世間の荒波にもまれて足元みて社会をみようと努力しとります。
社会にしっかり根ざした真人間になって、そしてまた機会が巡ってきたら、占い師として復活すんのもいい。
でもこのまんまでもいい。
それはやっぱり「占い」ってもんをボランティアでも仕事でも関わってきたからこそある感覚なんよね。
んで。
「歌」よ。
やっと、この場所に来ました。
バンドと私の音楽に、ちゃんと値段をつけなくちゃ。って。
占いで経験してんのに、あんで気づかないかなー。成長速度遅いわ。
値段をつけることに照れも後ろめたさもなくなるまではぶつかってやり続けるしかないんかな。
SexRexを観に来てくれてるお客様や、他のバンドさん目当てで入ってきたお客様に対して責任はちゃんとあるのに
ライブハウスやイベンターさんやクライアントさんに対しての値段は提示してこなかった。
ノルマもお話を持ちかけてくれた方に依存してた。
うちのバンドの立ち位置をお金って距離できちんと考えてこなかった。
だって、出演のお話をもらえるだけでも素晴らしいことだと思っていたから。
やっと、占いのレベルに音楽が追いついたってことかね。
需要と供給のバランスが崩れたときにはじめてお金って役に立つ。
って、わたしはそう思っている。
成長速度が遅いのを嘆くことは簡単だから
喜ばしいことだと、思うことにしよう。
今更こんな基礎的なことに気づいた私は、他の芸術家さんに超失礼をやっちまって
実はとても大人な対処でさらりと断たれてるんじゃないかととても心配。
超失礼なことなんて山ほどやってきちゃったけれど、知らずにやらかしたものほど心苦しいものはないです。
個人で音楽の仕事もちょこちょこ増えてきた。
いい機会だから、私のうたと曲と私自身にも値段をつけてみよう。
フォト:ゆうだい兄貴
渋谷青い部屋ピアフルームにて。