Take the ''E'' Train!!

yesterday...
just a photograh of yesterday...

1月19日(水) 思うこと

2005年01月19日 | Enjun’s Diary
ムーア監督にハマって2日目。

「華氏911」見てしまった。
「華氏 911」

ジェネオン エンタテインメント

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「そんな映画見てないで卒業研究やれよっ!」って言われそうですが…
スイマセン。もう少しムーア監督にハマらさせてください(^-^)
ムーア、ムーアってなんかすごくしつこいと思うけど、まあこれも今日この映画見て思ったことで、どうしても書いて残しておきたい、と思った事です。

現代社会を過激に風刺した映画。
ここまで、ブッシュ大統領をコケにして反政府的な映画を撮った人はいないんじゃないか?
すごいと思うよ。
ブッシュ大統領の就任~9・11事件~イラクへの攻撃 
が映画の中で描かれ、その中で反政府的な皮肉のコメントとか、笑ってしまう部分はあるが。

その中でも一番注目して見てたのは、米国、日本等のメディアは決して大っぴらには報道しないような映像の数々。
特に9・11事件の犠牲者、イラクで攻撃の巻き添えになって亡くなられた人々、そして米軍の犠牲者の映像は本当に心が痛々しく感じました。


飛行機がビルに突っ込んで、粉塵の中数え切れない程の書類の舞い散っている9月11日のウォール街付近…。
昨年11月に行った場所だっただけに、詳しい状況が画面を通して分かる。
いきなり、こんな事件が起きてテロの主犯格がアルカイダだなんだ、って言われればそりゃあアルカイダの人々を憎むでしょう。特に、犠牲者の肉親の方々なんて政府と一緒にイラクに憎悪を向けるでしょう。
ビルの周りで愕然とうなだれるビジネスマン。

その通知があった時、大統領は小学校訪問中。
側近から通知をきいてから、絵本を広げて7分間も黙って座っていた。
幻滅だよ、本当。

そして・・・、厳戒態勢空港が前面閉鎖の中、何故か米国から飛行機で脱出できたウサマ・ビンラディンの一族。
以前から彼らとブッシュとの裏の繋がりがあったみたいだそうだ。本当なのかな…。


でも、イラクの人々の姿は本当に痛む・・・。
無差別の爆撃で顔がただれてしまってる子、腕から骨がみえている子、

・・・そして決して喋らないオトナシイ子どもたち・・・。

「この子は武器なんて持ってないっ、何の罪も犯してないのに何の理由で殺されるんだ、この子の代わりに父親である私を殴ってくれ」

もう、つらい。見てられない。

アメリカ人を殺したわけではないのに、攻撃をうけて殺されていく。
おかしいよ、どう考えても。


そして、米軍兵士への自爆テロ。
それによって殺された兵士の遺体がイラク人によって焼かれ、叩かれ、橋に吊るされて見せ物にされる・・・。
当時、週刊誌などにはモノクロの写真で掲載されていたが、いざカラーの映像を目にすると目を伏せたくなる程だった。

憎しみが何を産むって平和は産まないんだなって。
憎しみは形を変えても永遠に憎しみにしかならない・・・

自爆テロって言うけど、やってるのは決死のイラク人の若者でしょ?
はっきりいって、テロというよりは方法がそれしか無いといったほうが良いんじゃないだろうか。目の前で自分の肉親がつぎつぎに殺されていく。
イラクには反撃する力はないから、それは一向に止まる気配は無い。
いつになっても平穏な生活を望めない。
大切な人を守る為に・・・自分が犠牲になる…。

人を殺すのはよくないけど気持はわかる気がします。
誰もすきこのんで死にたい人なんていないよ。

それをブッシュ大統領は「敵は我々の理解するところの考えではない」というような声明を出したりしてコケにしてる。
その元で、音楽を聴きながら面白半分で人を撃ってる兵士もいれば、「早く帰りたい」と嘆いて自爆テロで犠牲になっていく兵士もいる。

イラクの過酷な状況を見て、今、この場所で自分は何も出来ない、って無力感というか似たものを感じた。。

特に徴兵というシステムの状況。黒人の家庭からの徴収が極端に多い点。
そして、なによりも貧困で子供に兵役に行かせざるを得ない家庭を見てると、

「自分はなんて甘いんだろうか」 
と思った。
平和な日本でのんきに大して働きもしないで、学校行って、授業で寝てる姿なんてとてもじゃないけどこの人達に見せられない。

この1本の映画で何人の心が動いただろう。

2004年11月2日、アメリカ大統領選挙の時、僕はN.Yでその日を迎えた。
N.Yはケリー派だっただけに楽しみにしていた。
そして、犠牲者の肉親の人々はどんなに政権交代を望んでただろう。
しかし、戦争は終わらない。
あの日、音楽プロデューサーのTOYAさんの言ってた言葉が忘れられない。
「私は非常に残念です。一人のアメリカ人として。この選挙には平和か戦争かの意味合いがあっただけに、国民が未来に戦争を選んでしまったという事が。」

そう、音楽をはじめ、芸術は平和があってこそのもの。
心に余裕が無いと、芸術的にどんなに素晴らしいものがあっても素晴らしいものではなくなると思う。芸術的な意味での普遍性はあっても生活の中での普遍性はあるとは言えないと思う。

世界平和・・・。
すごく綺麗ごとかもしれない。
でも、人と人が憎しみあうのは見てられない。
戦いで傷ついてくのも同様に・・・。

だからいつか望みたいです、人々が素手で握手できる日を。


いやー、沢山書いてしまいました(笑)
とりあえず今日この映画見て思った事です。
わざわざ読んでくれた人有難うございます。