散歩と俳句。ときどき料理と映画。

八王子の子安神社1

京王八王子駅近くの某所へ所用ででかける。
いつものように南大沢からバスで40数分の行程。

1時間ほどで用事を済ませ、近所にある子安神社に立ち寄ってみた。

子安神社と金毘羅神社の名が併記された提灯。金刀比羅神社は境内社ではなく格としては同等なのだろう。

『新編武蔵風土記稿』には
〈天平宝字3(759)年に橘右京少輔という人物が、
当時の天皇(淳仁天皇)の皇后の安産祈願のために創建した〉
と記されている。
アホらしいが臣民はけなげなことである。

八王子でいちばん古い神社とのことだが、
明治30(1897)年4月22日に発生した八王子大火と、
第二次世界大戦中の昭和20(1945)年8月2日の
八王子空襲によって、2度社殿を全焼した。

主祭神は木花開耶姫命(コノハナノサクヤヒメ)。
『播磨国風土記』では伊和大神(大国主神)の妻で、
安産・子育てのカミとして信仰されている。

たしか富士塚の多い浅間神社でも祀られていたのではないだろうか。

境内にはいると左に三方吹き抜けの造りの神楽殿がある。
江戸時代創建だが、八王子大火で焼失。
明治42(1909)年に再建されたもので、
この神社の木造建築としては最古のものになる。

右に境内社の厳島神社。
水の流れる石段をおりてゆく構造になっている。
祭神は市杵嶋姫命(イチキシマヒメノミコト)だが、
このカミは仏教においては弁財天とされている。

この小さな鳥居をくぐると水の流れる降りの石段がある。

池に浮かぶ厳島神社。

本殿横の神水殿。

拝殿か本殿か。

本殿横の鳥居をくぐると正面に金毘羅神社が見える。

金毘羅神社の手水舎。

この子安神社は境内社、末社がずいぶん多い。

本殿の右には金毘羅神社の鳥居があり、
中に入ると末社五社が並ぶ。

末社五社。

手前から石神社、白山神社、稲荷神社、御嶽神社、第六天神社。
順に祭神は少彦名命(スクナヒコナノミコト)、白山姫命(シラヤマヒメノミコト)、
保食神(ウケモチノカミ)、国常立尊(クニトコタチノミコト)、
面足尊(オモダルノミコト)と惶根尊(カシコネノミコト)となる。
それぞれ病気や身体の部位の不調に効き目があるらしい。

第六天神社の二体の神は足腰のカミとされている。
オモダルノミコトとカシコネノミコトは兄と妹のカミであるが、
これは『日本書紀』による表記で『古事記』では
淤母陀琉神、阿夜訶志古と表記されている。

そのあたりのことはどうでもいいが、
〈中世には、神仏習合により、神世七代の六代目であることから、
仏教における、欲界の六欲天の最高位である第六天魔王の垂迹であるとされ、
特に修験道で信奉された。
明治の神仏分離により、第六天魔王を祀る寺の多くは神社となり、
「第六天神社」「胡録神社」「面足神社」などと改称した〉
とのことでる。

なぜこのカミ兄妹が足腰のカミなのか。

第六天神社。こういうお狐様のお面はひとつほしい。つげ義春さんの「ネジ式」に出てきた。

〈オモダルは「完成した(=不足したところのない)」の意、
アヤカシコネはそれを「あやにかしこし」と美称したもの。
つまり、人体の完備を神格化した神である〉
によるのだろう。

それにしてもこの末社に狐の面が置かれているのはどういうことだろう。
狐なら稲荷神社だろうが。

〈続く〉

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