山谷えり子 国家公安委員長
2015年9月12日
殺人容疑:埼玉県警巡査部長を逮捕 検視遺体の家族を絞殺
埼玉県朝霞市で今月4日、元タクシー運転手の寺尾俊治さん(58)が殺害されているのが見つかった事件で、県警朝霞署捜査本部は12日、浦和署地域課の巡査部長、中野翔太容疑者(31)=同県川越市鯨井=を殺人と住居侵入の疑いで逮捕した。
調べに対し「(寺尾さんの)首をロープで絞めて殺害したことは間違いない」と供述する一方、「首を絞めた際に殺意はなかった」と容疑を一部否認しているという。
逮捕容疑は今月2~4日、朝霞市根岸台7の寺尾さん方に侵入し、室内にいた寺尾さんの首を絞めて殺害したとしている。
県警は12日、中野容疑者の自宅を家宅捜索した。
捜査本部によると、今月3日に寺尾さん方のインターホンのカメラに中野容疑者と似た人物が映っていたことや、同じ日に同容疑者が使っている乗用車が寺尾さん方の近くに止まっているのが目撃されていたことから、同容疑者が浮上。寺尾さん方に残された遺留物のDNA型が同容疑者のものと一致し、容疑が強まった。
中野容疑者は今月3日は泊まり明けの非番で、4日から10日まで休暇を取っていた。
中野容疑者は朝霞署刑事課に勤務していた昨年10月、寺尾さんの父親が亡くなった際に遺体の状況を調べるため、他の署員とともに寺尾さん方を訪れていた。
捜査本部は、職務で訪れたのをきっかけにして寺尾さん方に目を付けた可能性があるとみて詳しい経緯や動機を追及している。
寺尾さんの父親の死亡については事件性はないと判断されたという。
中野容疑者が殺害に使用したと供述しているロープは見つかっていない。
また寺尾さん方の耐火金庫の扉が開いていたことや、寺尾さんが使っていた携帯電話が見つかっていないことから、捜査本部は強盗目的の可能性も視野に入れて捜査している。
毎日新聞
殺人警官の上司の貴志浩平 埼玉県警本部長
県警本部長「痛恨の極み」 警官が男性殺害
埼玉県警の警察官が男性を殺害したとして逮捕された。
この警察官は殺人などの凶悪事件を担当する捜査1課に属していたこともあり、埼玉県警の貴志浩平本部長は12日午前、記者会見して謝罪した。
貴志本部長「本県警察官が重大な犯罪で逮捕されたことは、痛恨の極みであります。(被害者や)ご遺族をはじめ、関係者の皆様に深くおわび申し上げます」
殺人と住居侵入の疑いで逮捕された浦和警察署地域課の巡査部長・中野翔太容疑者(31)は、先週、埼玉県朝霞市の寺尾俊治さん(58)の家に侵入し、寺尾さんの首を絞めて殺害した疑いが持たれている。
寺尾さんの家に残されていたインターホンの画像やDNA型などから中野容疑者が浮上したという。
調べに対し、中野容疑者は「被害者の首をロープで絞めて殺害したことは間違いないが殺意はなかった」などと話しているという。
中野容疑者は、殺人などの凶悪事件を担当する捜査1課に属していたこともあり、朝霞警察署に勤務していた去年10月、寺尾さんの父親の遺体の状況を調べるために寺尾さん宅を訪れていたという。
日本テレビ
追記
9月23日
殺人容疑で警官逮捕受け、警察が緊急会議
殺人容疑で現職警察官が逮捕されたことを受け、警察が緊急会議を開いた。
埼玉県警浦和署の巡査部長・中野翔太容疑者(31)は、埼玉県朝霞市の住宅で寺尾俊治さんを殺害した疑いで今月12日に逮捕された。
事件を受けて23日に開かれた緊急の警察署長会議で、県警トップの貴志浩平本部長は「県警史上、例を見ない事件だ」と述べ、警察官に「清廉な倫理観」を浸透させるよう求めた。
また、中野容疑者が不倫で金に困っていたのが事件の背景とされている事を受け、職員の生活面などの把握方法についても議論された。
日本テレビ
追記10月2日
現職警官逮捕 別の男性死亡現場ではキャッシュカード持ち去る 中野容疑者を懲戒免職 埼玉県警
埼玉県朝霞市根岸台の無職、寺尾俊治さん(58)が自宅で絞殺された事件で、埼玉県警は2日、殺人の疑いで逮捕した県警浦和署地域課の巡査部長、中野翔太容疑者(31)を懲戒免職処分とした。
県警は処分の理由に殺人のほか、寺尾さん殺害に職務上知り得た情報を利用したこと▽職務で知り合った女性と不適切な交際を続けていたこと▽今年7月にさいたま市南区で死亡した男性(84)方に臨場した際、男性のキャッシュカードなどを持ち帰ったこと-の3点を加えた。
また、さいたま地検は同日、中野容疑者を強盗殺人と住居侵入の罪でさいたま地裁に起訴した。
起訴状によると、中野容疑者は9月3日午後、無施錠の掃き出し窓から寺尾さん方に侵入。現金を盗もうとしたが、寺尾さんが在宅していたため、首を縄のようなもので締め窒息死させ、現金約121万6000円と記念硬貨123枚(64万7500円相当)を奪ったとしている。
産経新聞
追記。
2016年12月20日
元巡査部長に無期懲役=58歳男性強殺―さいたま地裁
埼玉県朝霞市の民家で無職寺尾俊治さん=当時(58)=を殺害し現金などを奪ったとして、強盗殺人などの罪に問われた県警浦和署の元巡査部長中野翔太被告(33)=懲戒免職=の裁判員裁判の判決が20日、さいたま地裁であった。
佐々木直人裁判長は求刑通り無期懲役を言い渡した。
時事通信社
追記。
2017年7月12日
元警察官、二審も無期=埼玉・朝霞の強盗殺人―東京高裁
埼玉県朝霞市の民家で2015年、男性=当時(58)=が殺害され現金が奪われた事件で、強盗殺人などの罪に問われた元県警巡査部長中野翔太被告(33)の控訴審判決が12日、東京高裁であった。
大島隆明裁判長は無期懲役とした一審さいたま地裁の裁判員裁判判決を支持し、弁護側控訴を棄却した。
大島裁判長は、被告は男性の首を強い力で絞め続けて殺害しており、殺意があったと指摘。
不倫相手と同居していたアパートの家賃や旅行費用を工面する必要があり、「強盗殺人の目的に沿う事情があった」と述べた。
判決によると、中野被告は15年9月、寺尾俊治さん宅に侵入してロープで首を絞めて殺害。
現金約117万円や64万円相当の記念硬貨を奪うなどした。
時事通信社