2015年4月14日
4月14日午後8時頃、広島空港で韓国発のアシアナ航空機が着陸直後に滑走路を外れる事故が発生し、23名の負傷者が出ました。
広島県三原市消防本部によれば、重症者は居ないとのことです。
国土交通省によると、着陸に失敗したのは韓国・仁川発広島行きアシアナ航空162便(エアバスA320型機)。
広島空港の西側から滑走路に着陸する直前、滑走路の端にある高さ6.4メートルの無線設備に車輪を接触させるトラブルがあった可能性があるとみられています。
着陸後には滑走路に侵入した方向と逆を向いた状態で、機体が滑走路からはみ出したまま停止しました。
アシアナ機は左主翼が一部損傷、左エンジンから煙が出ていたとのことで現在調査中ですが、機内で火災などは発生しなかったそうです。
広島地方気象台によれば、当時広島空港は風速1メートルの風が吹いており、弱い雨が降っていたとのこと。
空港の南方向には霧が発生していたようです。
機内には、乗客74名(韓国人客50名と日本人客24名)と乗員7名の計81名が乗っており、乗客23名が軽い怪我を負ったそうですが、非常脱出用シューターで全員が機外に脱出しています。
機内に煙「ファイア」と悲鳴=ひどい揺れ、恐怖語る乗客―空港緊迫・広島
ひどい揺れと機内に充満する煙に、「ファイア、ファイア」と悲鳴が上がった。
14日夜、広島空港に着陸したアシアナ機が滑走路を外れて停止。20人以上の負傷者を出した機体の周りに警察や空港関係の車両が集まり、緊急車両の赤色灯が滑走路を照らすなど緊迫した雰囲気となった。
友人との韓国旅行の帰途、同機に搭乗した広島県廿日市市の会社員森山孝代さん(58)は「死ぬかと思いました」と当時の様子を振り返った。
着陸15分ぐらい前から気流が不安定で、機体の揺れがひどくなり、客席からも不安がる声が上がったという。
その後「着陸態勢に入る」というアナウンスがあったが、着陸すると突然、機内に煙が充満。外国人乗客が「ファイア、ファイア」と叫び始めた。
同機が滑走路に降りた時には「衝撃があったとは思うが、恐怖で覚えていない」と緊張した様子で話した。
婚約者と旅行していた広島市中区の女性(29)によると、大きな衝撃があった直後、機内食を運ぶワゴンが2台飛び出てきて、前方に座っていた女性客を直撃。顔などが血だらけになっていた。「避難誘導もなく、機内はパニックになっていた」とぶぜんとした様子で話した。
シンガポール人男性は機体から脱出後、持っていた携帯電話で事故の様子を撮影。1分程度の動画には、滑走路に緊急車両が集まる様子や非常用シューターが出た事故機が写っていた。家族の名前を呼ぶ女性の声や、サイレンのけたたましい音が周囲に響いていた。
一方、当時空港ターミナルにいた客は事故に気付いた様子はなく、空港内店舗も通常営業。約30分後の午後8時半ごろ、滑走路閉鎖のアナウンスが流れ、初めて気付いた人もいた。閉店作業をしていたレストラン副店長(41)は「滑走路を外れる事故が起きるとは。(20人以上けが人が出ていると聞いて)驚いている」と話した。
時事通信社