健康長寿の窓口 (タロー8の脳腫瘍闘病記改め)

2009年に乏突起神経膠腫の手術を受け15年が経過したことを機にブログをリニューアル、健康長寿の情報を発信していきます。

タンパク質だけではフレイル対策にはならない

2024-04-03 17:11:34 | 健康・病気

 エントロピーの観点からタンパク質を摂ることが重要と考えていますが、昨日はエネルギーも必要というところで中座しておりました。

 はて??エントロピーとタンパク質の関係から結局何を食べたら良いのかがピンと来ないと思います。アメリカで女性看護師を対象にした調査で、中年期はタンパク質(特に植物性タンパク質)が女性の健康寿命に良いという研究報告がありました。主な植物性タンパク源は、パン、野菜、果物、ピザ、シリアル、焼き菓子、マッシュポテト、ナッツ類、豆類、ピーナッツバター、パスタだそうです(The American Journal of Clinical Nutrition誌オンライン版2024年1月17日号)。

 日本では、フレイル(フレイルとは心身ともに虚弱になって寝たきりの予備軍の状態)のリスク因子について京丹後市で調査した長寿研究があります。それによるとリスクに関係するのは、①糖尿病や高血圧症、がんの既往歴、肥満などの「代謝」、②「睡眠の質」、③「運動」、④食事、薬剤、居住地などの「環境」の4つで、運動と食事が重要、特にカリウムやマグネシウム、ビタミンB群、食物繊維(非緑黄色野菜や豆類)の摂取が少ないとフレイルのリスクが高くなるようです。食物繊維は腸内細菌叢(相)との関係もあるようですが、腸内細菌は別の機会に。

 結局はバランス良い食材を使って食事から摂るのが一番です。サプリなどで偏った栄養素摂取を続けるのは良くありません。サプリはあくまでも補助です。話題の機能性表示食品商品パッケージにも「食生活は、主食、主菜、副菜を基本に食事のバランスを。」と記載(表示)することが義務づけられています(トクホ、栄養機能食品も表示義務です)。

 栄養素は糖質、脂質、タンパク質の三大栄養素に、ビタミン、ミネラルを加えて五大栄養素と言います。食物繊維を加えて六大栄養素と言うこともありますが、食物繊維は体内吸収されない糖質のことなので糖質としておきます。

 まず、フレイル対策にタンパク質の元になるアミノ酸のバランスをアミノ酸スコアと言いますが、スコアが100に近いほど良いタンパク源で、動物性タンパク質のほとんどが100です。鶏肉(ササミ)は低カロリー(100gあたり約98kcal)、サンマなど青魚にはDHA、EPAといった血液サラサラ成分や骨を丈夫にしてくれるビタミンD、サケにはこれらの栄養成分の他にアスタキサンチンという抗酸化成分が含まれ、筋肉の元になるアミノ酸ロイシンが豊富です。カツオもロイシンが豊富で、青、白、赤の魚で彩りよくフレイル対策になるでしょう。

食生活改善指導担当者テキスト~栄養指導・健康教育編~ 2021年3月(厚生労働省)

 でも手っ取り早く、しかも摂取量が分かりやすくタンパク質を摂るにはプロテイン系の食品(菓子類)が良いと思います(あくまでも補助ですよ)。

 私が試した結果、タンパク質グラムあたりの価格で見たコスパが高くて美味しいトップバリュブランドがお勧めです(あくまでも個人の感想ですよ)。ご購入の際は、他の栄養成分、アレルギー成分も確認して下さい。

商品

タンパク質

税抜き価格(円)

その他特徴

プロテインブランサンド クリームチーズ味

20g(4枚入り合計)

128

10種ビタミン/6種ミネラル

プロテインライトミールブロック

22g(4本入り合計)

148

10種ビタミン/6種ミネラル

プロテインバー各種

15g(1本)

98

製品毎にロイシン、カルシウム、鉄分などを増量

プロテイングラノーラ

牛乳200mLと合わせて23g

(1食分60g)

458

6種の素材(大豆、小麦、黒大豆、オーツ麦、アーモンド、苺)

 

プロテイン食品ではありませんが、同じくトップバリュの「ライトミールブロック(チーズ、チョコあり各税抜き128円)」はエネルギー補給として合わせて買っています(カロリーメイトみたいなもの)。


タンパク質を摂ってエントロピーに抗いましょう

2024-04-02 18:52:05 | 日記

 3月26日の投稿で、「エントロピーが増大するから細胞は分解の方向へ進むと同時に合成も行う動的平衡状態にあるが、僅かに合成が速く老いていく」と書きました。この動的平衡は、2016年のノーベル医学・生理学賞の大隅良典先生の研究で有名になったオートファジーで説明できると考えています。オートファジーは、「(細胞が)自らを食べる」、という意味ですが、食べるとタンパク質が分解されてアミノ酸ができるだけではなく、そのアミノ酸を再利用して新しい細胞を創る現象のことです。

 生きた細胞は賞味期限を過ぎる前に常に生まれ変わることで生命を維持している訳で、死んだ(賞味期限を過ぎた)細胞は生まれ変わることはできません。生まれ変わると言っても、タンパク質は生きて行く中で何らかのダメージを受けているので、一部のアミノ酸は再利用することはできず、食事で足りないアミノ酸を補給しなければなりません。また、アミノ酸の再利用で新しい細胞を創るために必要なエネルギー(エンタルピー)を補給しなければなりません。

短いですが、本日は疲れたので続きは、また明日(の予定)。


本当は怖い?

2024-04-01 12:22:00 | 日記
 こんな見出しの週刊誌の新聞広告。昨夜の某民放ニュースでも同じようなことを言ったコメンテーターがいました。
 トクホよりも安全性のチェックが甘い機能性表示食品制度は、当初から問題が指摘されていた、見直しを急ぐべしと。
 救いは東京大学の専門家(失礼ながら名前は覚えてない)が、「機能性表示食品制度が悪いのではなく、今回はプベルル酸が混入したことが問題であり、医薬品でも他の成分の混入が問題になったことはある、混入は製造過程と考えられるが、急ぐべきはどうして混入してしまったのかの検証である。機能性表示食品と製造は切り離して議論しなければならない」とコメンテーターの発言をバッサリ。アッパレ!!
この件について私は一応、専門的な立ち位置なのでコメンテーターが間違ったことを言ってるのが分かるのですが、専門外のことだったらコメンテーターの意見に同調してしまうかも知れません。
何事も本筋を見抜けるように勉強は必要だと再認識させられました。
 ちなみに専門家が言ってた医薬品の混入は、3年半前の水虫の飲み薬に睡眠薬が混入していた事案で、この時も死亡者が出ています。病院で処方される医薬品でも、そんなことは起きてしまうのです。チェックは制度ではなく、製造管理ですね。