『Z37S』 シリーズのGPU搭載モデルを購入したのは4、5年程前だろうか。
最初は、
当時のスペックとして、コストパフォーマンスに優れた良い機種だと思っていたが、
ポツポツと不具合が出始め、
色々、調べていくうちに重大な欠陥がある事を知った。
『GeForce 8400M-G』 が半田剥離に起因する致命的故障を起こすという問題だ。
当時の詳細記事がコレ。
http://www.geocities.jp/andosprocinfo/wadai08/20080705.htm
この記事によると、
・故障の根本原因は不明
・ダイ(GPUチップ)とパッケージの接合材料が弱い為、
ノートPCの放熱設計やユーザの使い方により不良が発生
・Power Cycleが影響し、熱応力で半田バンプが剥離、割れるタイプの故障が起きる
・バンプの形成やチップのアンダーフィル材料が不適当で、強度が不足している
・チップからの放熱パスの熱抵抗が高く、チップ温度が高くなり応力が増える
との事で、チップとパッケージ間の剥離が原因らしい。
そしてつい最近、
突然その故障が発生した。
現象としては、
・画面が6分割になってしまう。
・フルカラーでは表示できない。
・RGB出力も不能
という、
『 画面が映らないパソコンなんて只のゴミ 』 状態となってしまった。
とりあえず、パソコンが使えないのは困るため、
すぐに、別の新しい物を用意はしたものの、
この、壊れたノートをどうするかで、迷っていた。
オークションで売るにしてもジャンク品扱いだし、
手間が掛かる割りに大した金額になりそうも無い。
そこで、色々調べていると、
どうやら、 『リフロー』 という修理方法があるらしい事を知る。
ただ、
詳しく調べようとしても、
無論、メーカーでは推奨してないし、
個人で扱ってる記事も自己責任レベルの話だ。
仕方なく、各HPの情報を、まとめてみた。
・リフローは200℃位で実施するらしい。
・温度を加えるには、 『ヒートガン』 を使用する。
・極力、余計な所に温度を掛けない。
・リフロー時間は不明
これを踏まえて、とりあえず、
・『ヒートガン』 を購入する。
・出来るだけ基盤を外し、アルミホイルで保護。
・温度を安定させる為、温度計を使用し距離を計る。
・リフロー時間は・・・不明の為適当。
で、
まず、ヒートガンを準備。
実際の作業には、付属の最細ノズルを使用した。
で、横に在るSDカードの基板を外し、アルミホイルをGPUの形状に切って保護する為、
こんな感じの物を用意した。
このGPUの不具合は、
チップとパッケージ間の剥離らしいので、
今回はチップにのみ熱を加えてみる。
その為、チップの部分だけ切り抜いたアルミ箔を使用。
さらに、温度計はテスターに付属していたK熱伝対を使用した。
温度は熱伝対をGPUに付けながら測定。
リフロー中の写真は・・・・
熱電対とヒートガンで両手がふさがっている為、断念。
で、
風量を調節して、温度をキープ出来る距離を大体確かめたら、
実際に熱伝対を当てながらGPUに風を当ててみる。
とりあえず、200℃をキープしたまま、30秒リフローしてみた。
ダメなら更に時間を増やしてみる。
結果は・・・・
見事、修理出来た!
しっかり画面も映ってる。出力も可能だ。
とは言っても、恒久的に直った訳では無いらしい。
本来は、『リボール』という、はんだを適正な物に交換する作業が必要なので、
素人には無理。
しかも、リボールはパッケージの半田用なので、チップで出来るのか不明。
ちなみに、メーカーに修理依頼すると4~5万程度掛るとの見積もりだった。
まぁ、意外と簡単だったから、
次回も壊れたら、もう一度リフローすれば良いって事にしよう。
追記:
後で分かった事だが、チップTj(ジャンクション温度)は一般的に150℃が最大温度らしい。
高負荷のベンチマークを数回掛けてみたり、
Microsoft Silverlightの動画を一晩つけっ放しにしてみたが、
今の所、異常は出て無いので、
チップの破損は免れたようだ。
バーナーで炙ったり、
300℃くらいで10分とかリフローしちゃったら壊れるよね?きっと。
リフロー修理 2回目につづく