「新版歌祭文 (しんぱん うたざいもん)」上の段の後半部分です。
このタイトルの意味はいちばん下に書きました。
油屋の一人娘のお染と、手代(従業員)の久松(ひさまつ)との心中事件は実話で、当時かなり話題になり、これを題材にした作品がいくつも作られました。これはその代表作です。
ただ、全段通して出すことはまずなく、この「野崎村」と呼ばれる幕だけしか、今は残っていませんよ。
そして、現行演出ではこの . . . 本文を読む
急ぐとき用の3分あらすじは=こちら=になります。
「御存鈴ヶ森」(ごぞんじ すずがもり)というように、キャッチフレーズ部分と一体になったタイトルで呼ばれます。
ひと幕の短いお芝居で、とくにストーリーもありません。
登場人物のふたりが実在の人物で、当時は非常に有名だったキャラクターなので、
彼らのやりとりを見て楽しむだけのお芝居です。
逆言うと、このふたりや、当時の雰囲気についての知識がないと、 . . . 本文を読む
簡易版です。
長いのをアップしたのですが、初見のかたにはむしろ情報過多でわかりにくいかなと思ったので、
内容だけ追えるように簡単なのも書きます。
一度(何度か)ご覧になったかたや、細かいところもチェックしたい、というかたには、=通常版=をオススメです。
急ぐとき用の3分あらすじは=こちら=になります。
基本的に現行上演の手順を中心に書きます。
幕が開きます。桜が満開の吉原です。
舞台は吉原最高 . . . 本文を読む
「歌舞伎十八番(かぶきじゅうはちばん)」のひとつになります。
キャラクター、ストーリー含めて歌舞伎最高の人気演目です。
今回、ストーリーと平行して細かいウンチクを書いていくので、読みにくかったら申し訳ありません。
「助六」ばかりはこういう細かいところを見ていかないと楽しくないと思うので、読むのがめんどうかもしれませんがよろしくです。
ストーリーだけを追った「簡易版」もあります。=こちら=です。 . . . 本文を読む
おめでたいときによく出します。お正月とか襲名披露とか。「寿」付きますし。
「曽我十郎(そが じゅうろう)」(兄)「五郎(ごろう)」(弟)の兄弟が、子供のころに殺された父親の敵を討つものがたりが題材です。
これは「曽我物語(そがものがたり)」と呼ばれる一大ジャンルとして、中世文学と芸能の一部を担っていました。
明治ごろまでは「曽我兄弟」は非常に有名だったのです。
とはいえ、「曽我物語」がすで . . . 本文を読む
「新古典劇十種」というものがあります。
明治以降に書かれた作品の中から主に能狂言をモチーフにし、古典的味わいのある格調高いものが10個選んだものです。
江戸末期から明治びかけての名優だった五代目尾上菊五郎が「尾上家の家の芸」として制定したものです。
これもそのひとつです。
格調高い「松羽目もの」です。
チナミに作者は「河竹黙阿弥(かわたけ もくあみ)」です。
「弁天小僧」などの世話物の印象が強 . . . 本文を読む
・僧正遍照(そうじょう へんじょう)
・文屋康秀(ふんやの やすひで)
・在原業平(ありわらの なりひら)
・喜撰法師(きせん ほうし)
・大伴黒主(おおともの くろぬし(こくしゅ))
. . . 本文を読む
急ぐとき用の3分あらすじは=こちら=になります。
近松門左衛門作の「平家女護島」(へいけ にょごがしま)の二段目になります。
全部で五段ありますが、この二段目しか出ません。
「罪なくして罪をかうぶりて 配所の月を見ばや」と人生ナメた事言ったのは、源顕基(みなもとの あきもと)というかたです。
徒然草にも出てます。
ホントに罪人になるのはイヤだけど、どこかさびしい場所に流されて一人ゆっくりぽつね . . . 本文を読む
石川五右衛門という名前と、「絶景かな、絶景かな」というセリフは、歌舞伎を見たことがなくても
なんとなく聞き覚えがあるかたが多いのではないかなと思いますが、
そのイメージの原型になっているのがこのお芝居です。
もともとは長いお芝居なのですが、もはや殆ど上演されません。
というか、江戸時代も上演のたびに内容がちょこちょこ変わり、決定版とされるほどの名作が出なかったお芝居です。
一応この「楼門五三桐」 . . . 本文を読む
「義経千本桜(よしつね せんぼんざくら)」 という長いお芝居の四段目です。
ここで一応お話に決着がつくので四の切(よんのきり)とも呼ばれます。
正確には最後まで出していないので「切」ではないのですが、慣例的にこう呼びます。
一応ここには浄瑠璃版の最後の部分までの解説を書いてあります。
「義経千本桜」自体が、あまり統一性のない物語で、しかも前後の史実を把握していないとわかりにくいお芝居なのですが、 . . . 本文を読む
急ぐとき用の3分あらすじは=こちら=になります。
「菅原伝授手習鑑(すがわらでんじゅ てならいかがみ)」の四段目にあたります。
正確な内容を知らなくても、この「寺子屋」というタイトルや、お芝居の中のセリフ「せまじきものは宮使えじゃなあ」を
ご存じのかたは多いのではないかと思います。
「菅原伝授」は全部で五段のお芝居で、五段目はめったに出ない、悪人滅びてめでたしめでたしの短いシーンですので
(つ . . . 本文を読む
「伽羅先代萩(めいぼく せんだいはぎ)」の「竹の間」・「御殿」・「床下」はここです。
「花水橋」をご覧になる方は=こちら=
「対決(評定場)」「刃傷」をご覧になる方は=こちら=
仙台伊達藩で実際にあったお家騒動がモデルです。
この部分は、いかにもお家騒動というかんじの、御殿の中での場面です。
子役が出るのでかわいくて楽しいです。
でも子供が死ぬので悲しいです。
さて、城内は、お家騒動の真っ最中 . . . 本文を読む
典型的な上方の「初春狂言」です。
元禄期に上方に実在した、「夕霧(ゆうぎり)」という美しい遊女を題材にしたお芝居です。
当時の「遊郭」「遊女」というのは、いまの風俗店とはかなり違います。
客は遊女を呼ぶと、まずお座敷で宴会デートをします。お仕事のメインはこちらなのです。
なので「銀座の高級クラブ」に近いです。
そこにいる高級ホステスさんを、さらに高級にしたのが当時の遊女たちです。
彼女らは和歌や . . . 本文を読む
「石切梶原」いしきり かじわら
急ぐとき用の3分あらすじは=こちら=になります。
「梶原平蔵誉石切(かじわらへいぞう ほまれのいしきり)」などのタイトルでも出されます。
「三浦大助紅梅?(みうらおおすけ こうばいたづな)」というお芝居の三段目になります。
もとは文楽です。
というか「たづな」の漢字がたぶんウエブだと表示されません。「革」偏に「勺」です。
源平の戦の直前の時代です。
平治の乱に負 . . . 本文を読む
「京鹿子娘二人道成寺(きょうがのこ ににん むすめどうじょうじ)」が正式かもしれませんが、
普通は「二人道成寺(ににんどうじょうじ)」と呼びます。
中味は、まあ、ふつうの「道成寺」とほぼおなじです。
全体の構成も長唄の文句も同じです。
「二人道成寺」なので、同じ振り付けですがふたりで踊るところだけが違います。
「京鹿子娘道成寺」の解説は=こちら=です。
一度にキレイなお姉さんをふたり見られて得 . . . 本文を読む