一段目「江戸城の刃傷」、
二段目「第二の使者」、
三段目「最後の大評定」は、ここです。
1項目で全段書こうかと思ったのですが、
もともと初演時も1段ずつ別個に上演されており、
時間的にもおそらく完全な通し上演は不可能だと思われます。
4つほどに分けて上げてみます。
昭和9年初演の、比較的新しい作品です。
明治以降、歴史に忠実に設定、演出する、「活暦(かつれき)」という流れが一時歌舞伎の主流にな . . . 本文を読む
「葦屋道満大内鑑(あしやどうまん おおうちかがみ)」 四段目です。
「葛の葉子別れ」というタイトルでも有名です。
安倍晴明(あべの せいめい)という人は、映画にもなったみたいなのでわりと有名かと思いますが、
そのお父さん、安倍保名(あべの やすな)が主人公のものがたりです。
というわけで、時代設定は平安前期ということになりますが、
もちろん舞台の風俗は江戸時代のものですよ。衣装とか。
とはい . . . 本文を読む
「祇園祭礼信仰記(ぎおんさいれい しんこうき)」というお芝居の四段目になります。
もともとは文楽の作品です。
この四段目以外の部分は上演されることはありません。
この四段目と「祇園祭礼信仰記」という正式タイトルとの関連性が薄いため、「金閣寺」という副題で親しまれています。
というわけで京都の金閣寺のリアルなセットが印象ぶかい、豪華なお芝居です。
舞台は一幕です。ずっと金閣寺のセットです。庭に大 . . . 本文を読む
「歌舞伎十八番(かぶきじゅうはちばん)」のひとつになります。
もともと、「暫(しばらく)」というタイトルの独立 した演目があったわけではありません。
「悪人が横暴を極め、善人側の人々を殺そうとしているとき、「しばらく」と声をかけて圧倒的に強い正義の味方が現れ、
善人たちを助けて悪人の陰謀を暴く(そのあと悪人の手下たちをなで斬りにして去っていく)」
簡単に言うとこんな感じの一連の展開が、お芝居の . . . 本文を読む
「歌舞伎十八番(かぶきじゅうはちばん)」のひとつになります。
「鳴神不動北山桜(なるかみ ふどう きたやまざくら)」というお芝居の四段目です。
全段通して出すことは今はありません。と思ったら近年復活上演しました。
三段目の「毛抜(けぬき)」、五段目の「不動(ふどう)」も歌舞伎十八番に入っています。
古劇らしい、おおらかで力強いストーリーです。
主人公の「鳴神上人(なるかみしょうにん)」はえらいお . . . 本文を読む
「鳴神不動北山桜(なるかみ ふどう きたやまざくら)」という古いお芝居の三段目でもあります。
近年復活通し上演されましたが、初演時の上演台本は残っていません。
歌舞伎には、「歌舞伎十八番(かぶきじゅうはちばん)」というものがあります。単語を聞いたことがあるかたも多いかと思います。
江戸初期の代表的な「荒事歌舞伎」を中心とした18の作品群です。
「毛抜」はそのなかのひとつです。
同じ「鳴神不動北 . . . 本文を読む
「歌舞伎十八番(かぶきじゅうはちばん)」の「毛抜(けぬき)」「鳴神(なるかみ)」「不動」の3作品の原型になっているお芝居として有名です。
とても古いものなので、上演台本は残っていません。
古典的な作品のだいたいの流れを書きます。最近の復活上演の内容も併記してみます。
いま上演される「毛抜」「鳴神」の部分についても、ここでは流れしか書きませんので、詳しい内容は当該作品のリンクをご覧ください。
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明治30年初演の、いわゆる「新作もの」です。
最近上演機会が減っているのですが、
いわゆる「歌舞伎十八番(かぶきじゅうはちばん)」に対抗して明治以降に作られた「新歌舞伎十八番」のひとつになっており、
以前はけっこうな人気演目でした。
時代設定は「太平記」、南北朝の時代です。
主人公は「大森彦七盛長(おおもり ひこしち もりなが)」といいます。
「太平記」中、もっとも有名な武将である「楠正成(くす . . . 本文を読む
ってタイトルで語り終わった。
ワンピースを歌舞伎化して話題になった歌舞伎ですが、
ワンピースもいいですが、刀剣乱舞のほうが客層的に歌舞伎を見に来そうです。
そもそもお金持ってるしイベント慣れしている。和物への興味も強い。
ネタが和物だから歌舞伎と相性がいいし、歌舞伎ならではの衣装デザインという強みも生かせる。
「サニワ」は上手屋屋体の御簾の中に入れておいて姿を出さないという演出も歌舞伎なら可能。
. . . 本文を読む
明治17年初演の、いわゆる「新作もの」です。
正確には「北条九代名家功(ほうじょうくだい めいかのいさおし)」というタイトルです。
鎌倉幕府の、事実上最後の執権であった「北条高時(ほうじょう たかとき)」が題材の作品です。
明治時代に「活歴」というのが流行りました。歴史上の人物を細かく考証してリアルに描こう、というような運動です。
その一環として作られたののです。
とはいえ高時についてはあまり . . . 本文を読む
「歌舞伎十八番(かぶきじゅうはちばん)」のひとつになります。
短い作品です。基本的にはこれ単独で上演されるものではなく、
長いお芝居の中にこの場面が定番の趣向として取り入れられる、という形態で上演されていたものです。
江戸時代の台本はすでになく、今存在するのは少し前に復活上演されたときの台本です。これは短いものを単体で上演しました。
この作品の説明をここでは書きます。
歌舞伎を知っているひとた . . . 本文を読む
「歌舞伎十八番(かぶきじゅうはちばん)」のひとつになります。
主人公は「悪七兵衛景清(あくしちびょうえ かげきよ)」という人です。平家の武将です。
源平の戦の後も生き残って、あの手この手で「源頼朝(みなもとの よりとも)」の命を狙ったことで有名です。
そのドラマチックな人生と荒々しく力強いキャラクターから人気があり、
「景清もの」と呼ばれる多数の作品が作られました。この作品もそのひとつということ . . . 本文を読む
今は、神社の境内などで「願人坊主(がんにんぼうず)」に扮した役者さんがたくさん並んで踊るだけの作品になっています。
途中で身内ネタをばらしあうなどのいろいろおかしみがあり、そこが見どころになっています。
最近は現代風の踊りや女装ダンスなど、かくし芸大会というか、少々学芸会めいた内容になることもあります。
基本的にファンサービスということで、まあ客がよろこべばいいのでしょう。
一応明治19年の初演 . . . 本文を読む
「ひらかな盛衰記(ひらかな せいすいき)」という長いお芝居(文楽作品)の二段目になります。
三段目の「逆櫓」は=こちらです。
古典作品の「源平盛衰記」が元ネタですので、舞台は源平の戦の時代です。
とはいえ時代背景はほとんどど意識せずに楽しめる、わりと気楽な演目です。
さて、
当時の戦には、勝敗とはべつに、「先陣争い」という手柄あらそいがありました。
誰が敵の陣地に一番乗りで切り込むかという、 . . . 本文を読む
鶴屋南北(つるや なんぼく)の、「浮世柄比翼稲妻(うきよのがら ひよくのいなずま)」という長いお芝居の一部です。
ただ、「鞘当」の場面はこのお芝居ではじめて作られたのではなく、さらに古いルーツがあります。
そのへんも少し説明しながら書いていこうと思います。
ストーリーは短くて単純ですので、
場面場面の、もとのお芝居から引き継がれた細かい意味がわからないと、あっさり終わってしまいます。
登場人物の . . . 本文を読む