斬剣次郎の鉄道・バス斬り

 拙者、斬剣次郎である。たった今から、鉄道・バスを斬る

北陸地区の475系の足跡

2015年03月10日 22時46分53秒 | 鉄道
 来る3月14日に北陸新幹線開業に伴うダイヤ改正で、特急「はくたか」や特急「北越」などの多数の列車が消えてしまいますが、これと同時に
 475系
 が運行終了してしまいます。475系は1962年に北陸本線の急行列車に初投入されて以来、急行や準急そして普通列車に充当されてきましたが、ここにきてついに終焉を迎える事になりました。普通列車としては米原・近江今津~直江津間で活躍してきましたが、最晩年は朝夕のみ金沢~直江津間で活躍する程度になっていました。金沢の475系は471系やサハ455形などが遅くまで残るなど形式のバラエティに富んでいましたが、逆に改造車が東北や九州より比較的少なく、多くをオリジナル車で固めていた事もポイントでした。
 そんな475系たちを見てみましょう。



 こちらは
 クモハ471形+モハ470形
 です。1962年に登場した形式で、直流+交流60Hzの交直流電車でしたが、471系は多くが413系に改造されたため、比較的早い段階で姿を消していたのですが、3ユニットが413系への改造から免れ、主電動機をMT46形から473系と同じMT54形に交換した上で2010年ごろまで活躍を続けていました。とはいえ、抑速ブレーキが無いぐらいで実質的に475・457系と同一性能でしたが・・・。写真はクモハ471-2、モハ470-1です。


 こちらは471系のTc車の
 クハ451形
 です。2両が遅くまで残っていました。写真はクハ451-33です。
 471系のグループは6両編成の増結車に組み込まれたり、増結車との連結要員となったりするなど運用範囲は475系と比べて比較的狭かったですね・・・。



 こちらは金沢の475系で主力的な存在である
 クモハ475形
 です。編成の大部分の制御電動車はこのクモハ475形が連結されていました。これは473系に抑速ブレーキを装備したものとなります。大多数がいるクモハ475形でも冷房機器の違いや車内改造の違いなどがありました。
 写真は上からクモハ475-17、クモハ475-45です。



 こちらは3電源対応の
 457系
 です。457系は直流+交流50Hz+交流60Hzに対応したもので、各地に投入されました。金沢では4ユニットが在籍していました。とはいえ、475系と比べて少数派なだけになかなか見つからなかったような気がします・・・。



 こちらは475系のTc車である
 クハ455形
 です。475系と457系の制御車として連結していたため、多くの車両が在籍していました。クハ455形は急行用から近郊型への格下げに当たって他形式から改造や先頭車化改造車が多数発生していたのですが、改造車は多くが仙台地区と九州地区に投入され、金沢地区ではオリジナルの基本番台が多数を占めている事がポイントです。写真は上からクハ455-43、クハ455-63です。クハ455-63は冷房準備工事車として落成し、冷房化改造を行ったためAU12S形の冷房器を搭載している事がポイントです。



 基本番台が多かったクハ455形ですが、数少ないながら改造車もいました。上はクハ165形から改造されたクハ455-302です。300番台は165系からの改造車ですが、多くが仙台地区と九州地区に投入され、金沢地区に配置されたのは302の1両のみでした。改造車は400・500・600番台がいますが、金沢には1両も投入していません。そんな貴重な300番台ですが、2010年に廃車されてしまいました。下はサハ455形から改造されたクハ455-701です。413毛糸の連結を目的に行われたもので、デッキなしや側面行先表示器を装備など他のクハ455形と異なる面が多数あります。


 こちらは
 サハ455形
 です。金沢には4両がいていずれもクモハ+モハユニットと3両を組み増結車として活躍していました。サハ455形は仙台にもいましたが、早い段階で姿を消していたため、貴重なサハとして活躍していましたが、2010年に全廃となってしまいました。



 2010年に3両編成×8本を6両編成×4本に組み替えた時に中間に入る先頭車について型式変更が行われ、モハ457・471・475形とサハ451・455形が誕生しました。しかし、実際は運転台の撤去などは行われておらず、ATSもそのままな状態だったようです。しかし、1年後の2011年に全て廃車されてしまいました。因みにパンタなしのM車は意外と今回が初めての登場となりました。写真は上からモハ471-2、サハ451-30です。




 475系の国鉄色編成です。2005年に富山港線のLRT化を記念してA16編成とA19編成が国鉄色に戻された事がきっかけにこれまでにA13・16・19編成の3編成が国鉄色となりました。ただ、A16編成が2010年に廃車され、しばらくはA19編成のみの状態が続いていましたが、2013年の北陸本線100周年を記念して更にA13編成が国鉄色に戻され、再び2編成となりました。しかし、A13編成が2014年に廃車され、2005年からずーっと国鉄色をまとっているA19編成が最後の日を迎える事になりそうですね・・・。
 写真は上から
 A16編成(クモハ475-43+モハ474-43+クハ455-18)
 A19編成(クモハ475-46+モハ474-46+クハ455-60)
 A13編成(クモハ457-19+モハ456-19+クハ455-61)
 です。




 475系は3両編成単位が基本ですが、朝夕ラッシュなどには3両編成を2本つなげた6両編成で運用されていました。とはいえ、全編成が共通で運用されているので、北陸色、ご当地カラー、国鉄色同士の組み合わせも見る事が出来ました。急行列車が残っていた頃と比べると華やかさはないものの、475系の長編成は見ごたえがありますね~


 次に475系の足跡です。
 こちらは
 米原
 です。475系にとっての最南端は米原でした。でも、基本的に長浜及び近江今津以北で運用されていたため、米原にやってくるのは朝夕のみでした。とはいえ、敦賀以南は敦賀以北より比較的乗客が少なかったこともあり、419系が主力で、475系の列車は少数しか無かったようです。しかし、2006年の敦賀直流電化によって敦賀以南は223系または521系に置き換わったため、撤退してしまいました。


 こちらは
 福井
 です。敦賀以北は475系にとって主舞台のような感じで、多数の475系が福井を行き交っていました。もちろん6両編成もサハ455形付きの増結車も福井を通っていました。しかし、521系の増備によって2011年に金沢~敦賀から撤退してしまいました。よって、福井県に姿を見せる事が無くなってしまいました。


 こちらは
 糸魚川
 です。糸魚川で出発を待つ直江津行き列車です。475系にとっての最東端が直江津でした。元々糸魚川~直江津間は乗客が比較的少なかったため、敦賀以南と同じく419系が主力でしたが、419系の廃車が進むにつれて475系が充当される機会が増えていました。しかし、521系の投入により413系もこの区間に押し寄せてきて、2014年に糸魚川~直江津間から撤退してしまいました。しかし、定期運用が無くなった後も413系の長期入場に伴う車両不足を補うために413系の運用を代走する形で再び直江津へ乗り入れた時期もありました。現時点での最東端は糸魚川ですが、糸魚川にやってくるのは1日1往復のみです。


 こちらは
 岩瀬浜
 です。今は富山ライトレールとなった富山港線ですが、富山港線も475系の活躍舞台でした。旧型国電を置き換えるために475系が入線し、主力として活躍していましたが、2006年のLRT化に伴う廃線によって富山港線から撤退してしまいました。晩年はデータイムの列車がキハ120系化され、475系は朝夕のみの運行でした。
 475系の足跡はこれ以上です。


 2015年に撮影したA19編成です。最晩年は金沢~糸魚川間で朝夕ラッシュを中心に運用されていました。かっては主力として終日活躍していたのですが、気づけば521系の投入によってあっという間に少なくなってしまった感じですね・・・。



 475系の車内です。元急行形らしくボックスシートが並んでおり、しかもそのボックスシートもやや大きめなのでボックスシートに座ってのんびりと大きな窓から車窓を眺める事が醍醐味でした。しかし、これももうじきお見納めですね・・・。更にボックスシートのテーブルには栓抜きが残っており、昭和時代の面影を残していました。



 消えるのは475系だけではありません。
 413系
 も半数以上が姿を消してしまいます。413系は5編成が第3セクターのあいの風とやま鉄道へ譲渡される予定ですが、クハ455形700番台を連結した編成を含む6編成は運用を離脱してしまいます。

 北陸新幹線の開業に伴い、急行形電車の475系が運用を離脱してしまいますが、これによって急行形電車がJR線上から全て消してしまう事になります。北陸に行くたびに何度も乗車した475系ですが、ボックスシートが並んだ車内でのんびりと過ごす事はもう出来なくなってしまうんですね・・・。
 以上です。


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10 コメント

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寂しくはありますが……。 (Masaya)
2015-03-11 01:01:38
夜分、お疲れ様です。

475系も、運行を終えるんですね……。
いよいよ“国鉄型”が姿を消す――と言う事でもありますが、個人的には――「どっちが良いか?」と聞かれたら、迷うこと無く521系を選ぶ様な……外観と言い居住性と言い、521系のほうが魅力を感じますね。

そんな521系、あいの風とやま鉄道などに多く賀状とされる――のですが、それとて、“今後の成り行き”によってはどうなるのかな?――とも感じています。

北陸本線の区間である直江津駅 - 市振駅の区間えちごトキめき鉄道が運営する事になっていますが、ここで気になることが。

それは、「糸魚川駅までの“直流化”はあるのかな?」
――と、言う事です。

北陸本線は、糸魚川駅までが交流区間で、次の梶屋敷駅との間にデッドセクションがそんざいして、そこより東は直流電化です。
つまり、実質的に“糸魚川駅の手前”までは直流電化なんですね。

なのに、糸魚川駅は交流電化――と言う事で、新潟方面からの直通にも制限が掛けられるし、折角の電化区間も生きてこない――と、感じています。

でも、ひょっとしたら、糸魚川駅までの直流化がまずは成されるかな?――と、思います。
そうすれば、直流電車でも糸魚川駅までは入れるし、
485系を使った“臨時快速”の計画があるのを見るにつけ、そんな事を思うのです。

しかも、糸魚川駅までの交流電化にも、色々と手間が掛かっているんだそうで。

と言うのは、糸魚川近辺で、電力の周波数が変わるのですが、糸魚川は新潟件なので東北電力のエリア――50ヘルツです。
一方で、北陸本線は60ヘルツ――そうなると、使う電力を他所から引かねばならず、実際に、北陸電力からの送電線を延長してもらい、北陸本線の電化に充てているんだそうです。

もし、“糸魚川駅までの直流化”が成ったとしたら、そこより西の区間についても直流化はあり得るかな?――と思っています。
先に挙げた様に、“不通よりも、手間隙を掛けた体制”であることや、“新潟方面からの直通”を考えた場合、なし崩し的に直流化される可能性も出て来るのでは?
そうなった場合、521系の存在はどうなるのかな?――そんな事を、感じるのです。

無論、“今後”がどうなるか――は解らないし、ここで色々語っても仕様が無いです。
“コスト負担”の話もありますし。

ただ、北陸本線の交流電化自体、“交流電化の、早期の実用化”を目指す目的から選択された側面が強く、いわば“ボタンの掛け違い”な部分も持つんですね。
これは、敦賀駅まで直流化されたことからも、解る話です。

それを考えると、“北陸線の電化の行方”はどうなるのか――ひいては、521系の行方もどうなるのか――そんな風に、感じるのです。


色々長くなりましたが、それでは、またです。
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Unknown (冬みかん)
2015-03-11 02:26:29
糸魚川の直流電化については、新潟県が既に検討しています。
しかし、検討した末、越後トキメキ鉄道への気動車投入という形で決着が着いていますので、直流電化については見送られた、ということになります。したがって、路線の経営主体である新潟県には直流電化の予定はありません。
新幹線の開業によって、新潟糸魚川間の直通列車は、検討はされても今後現状以上に増えることは考えにくく、JR東日本など乗り入れでセクションを通過する可能性がある外部鉄道からしても、今更高額の費用をかけて直流電化する利点は無いでしょう。直通快速用に485系を準備したというより、485系があるから直通快速でも、が本音では無いでしょうか?

送電線を延長しているといっても、そちらは既にある設備です。521系も、ジャンクションを通過できるように設計され、投資済の設備。今後も活かして行くのが妥当かと思いますよ。
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短編成では (はせっち)
2015-03-11 08:04:03
現北陸本線の泊~直江津間は
単行キハ122系の
ディーゼルカーに
置き換えられますが
1輌で果たして大丈夫かな
と言う気がします

実は週末に当該区間に乗りましたが
3輌編成の413系には
立ち客も存在しました

撮り鐵等のご祝儀乗車を含むにせよ
1輌で運転するんは心配です

特に今度の週末は
相当な混雑が予想されます

JR西日本は以前舞鶴線開業時に
本数を半減し車輌も
キハ28プラスキハ582輌編成から
125系電車1輌に変更した為
単純に輸送力は25%と
なりましたが電化開業当日は
大混雑に依り各電車が
10分以上遅れると言う
大失態を犯しました

今回もせめて開業当日位
柔軟に対応してもらいたい
モンですね
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Unknown (斬剣次郎)
2015-03-12 01:03:40
 Masaya様
 コメントありがとうございます。

 個人的に521系より475系のほうがすいているほどゆったりできるかなと感じております。でも、JR東日本などを見ていると、521系もまあマシかなと思ったりします。
 で、糸魚川付近の交直流デッドセクションの件ですが、敦賀の場合は大阪方面との結びつきが強く、自治体からの要望が強かったのと需要が見込めたから実現できたと考えるのですが、糸魚川ではそれほど需要が見込めないから直流化するよりは気動車化したほうがメリットがあると判断したのかもしれませんね・・・。
 交流電化のメリットは設備費が安いことなので、当時はそのメリットを生かしていたように感じますが、今はどうなんでしょうね・・・。武豊線などからシンプルな構造にすることによりコストダウンを図っているので、もしかしたら直流でも安い設備費で電化できるようになってきたと見てもよさそうですね・・・。
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Unknown (斬剣次郎)
2015-03-12 01:05:50
 冬みかん様
 コメントありがとうございます。

 新潟県が直流電化を検討されていたんですね・・・。結局気動車化を選択肢、直流化が見送られた形ですね・・・。乗客も比較的少ないですし、気動車化を行ったほうがコスト的にもメリットがありますからね。
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Unknown (斬剣次郎)
2015-03-12 01:08:41
 はせっち様
 コメントありがとうございます。

 私も同感です。1両だけでは果たして大丈夫なのかと・・・。2両編成ならマシかもしれませんが、混雑が激化→乗客離れ→1両でも空く→減便といった悪循環に陥ってしまう可能性もありますね・・・。
 確かに小浜線は1両編成にしたがゆえに混雑問題が発生し、結局2両編成になりましたね・・・。
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“たった一駅”ならば、“燻る”と見ています。 (Masaya)
2015-03-13 08:47:31
ご返事、ありがとうございます。

……確かに、“敦賀直流化”に比べたら、“ハードル”は高いでしょうね。
そこと比べれば、実際に人口も少ないし。

ただ、個人的には、“燻る”と見ています。
一つは、デッドセクションの位置が糸魚川‐梶屋敷の間にあり、そこから東は直流区間なので、デッドセクションの位置を糸魚川駅の西側に移すだけなら、“敦賀直流化”に比べれば工事の規模も小さくて済むからです。そもそも、糸魚川駅は糸魚川市の中心駅で、それなりの需要も期待出来る上、直流電車が入れる様になれば、“運用効率”も上がりますし。
……無論、どうなるかは解らないけど、“たった一駅”ならば必ず燻る――と、何度考えても、そう結論が出るのです。
長くなりましたが、それでは、またです。
返信する
Unknown (斬剣次郎)
2015-03-16 00:13:52
 Masaya様
 コメントありがとうございます。

 なるほど、糸魚川から西側へ移動するということですね・・・。とはいえ、それでも金がかかるので果たしてどうなるかなという感じですね・・・。
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Unknown (急行型快速)
2019-10-11 09:40:14
私でしたら、国鉄型と521系、どちらかを選ぶとしたら、
迷うことなく国鉄型ですね。外観・居住性・安全性・プロの
視点から見た扱いやすさ、どれをとっても、521系には
鉄道車両としての魅力が全く感じられません。
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Unknown (急行型快速)
2019-11-21 09:42:43
2023年の春に北陸新幹線が敦賀まで延伸開業して
北陸本線の西半分(金沢~敦賀)が三セクになるのに
間に合うようにして、475系を再びレールの上を走れるように整備し直したり、413系をあと5年長く使えるように更新したり、113系や115系のリニューアル車を交直両用・
2M1Tの3両1ユニット・空気ばね台車・最高速度110km/h対応に改造した車両を投入して、521系のうち、
2010年までに導入された車両は廃車、2011年以降に
導入された車両はJR東日本・いわて銀河鉄道・青い森鉄道・JR北海道に譲渡して、1ユニット当たりの編成が短く、
貧相で頼りない感じがする車両を走らせても差し支えない、羽越本線酒田以北・奥羽本線新庄以北・東北本線一ノ関以北・いわて銀河鉄道・青い森鉄道・函館本線の小樽
周辺&旭川周辺での限定運用にすれば、西も東も丸く収まるのではないでしょうか。
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