北欧デンマークおばさんの独りごちブロ

「住み慣れた地域で最期まで」をテーマにデンマーク高齢者福祉を研究し、世界のこと・日本のことを独りごちっています。

司馬遼の海外紀行はアジア、オランダとアイルランド

2008-09-10 | 国際アイルランド
オランダ、アイルランドについての情報は、
司馬遼先生の「街道をゆく」シリーズがおもしろいので、
しばしば引用させていただいていますが、

驚くべきことに!

ヨーロッパに関しては、オランダとアイルランドとスペイン
についてしか書いていないのですね。

そこで、本日の写真はアイルランドの美しい花々が咲き乱れる
お店の様子。
「これ、サントリーが開発したサフィニア?」などと
思ってしまいましたが、よお似てましたで。


私が今回訪れた2国と合致している奇縁に不思議な感覚を
覚えながら、イタリア、フランスなどのいわゆる
「ローマナイズ(キリスト教化)されなかった」国々、
つまりヨーロッパの辺境の国々を選んだ気持に、
親近感を覚えました。

しかし、どうしてヨーロッパの辺境である北欧に
ついて書かなかったのか、、、、
これが、ひとえに謎でもあり、
彼がこれを書いていれば、どんなにか興味深いもので
あったのか、、、、と、非常に残念です。

なんでも、司馬遼の取材旅行は、すべて出版社もちで、
いわゆる「あごあし」つき。
話をたずねる相手についても、
出版社がアテンドしていることも多いと、さる出版社の
編集者に聞きました。
本の中にも、編集者が登場したりしております。

ちょっと横道に逸れましたが、
司馬遼は、アイルランドにおける妖精について書いていますが、
実はフィンランドはまさに妖精の国だし、
デンマークにも「トロル(トトロとちゃいます)」という
妖精と呼ぶにはかわいらしさに欠ける森の妖精がいます。

これらは、土着の宗教に根ざしたものらしいのですが、
カトリック教国では、その国にカトリックが伝道される際に、
土着の神々を「悪魔」「忌みきらうべきもの」として
封じ込めた歴史があります。
(これに対して、アイルランドでは、カトリックでありながらも、
 それを伝えた宣教師がおおらかな人であったため、
 悪魔化されずに、妖精が生き続け、人々も夢見がちであることは
 すでに書いたとおりです)

それに対してプロテスタント(新教)国では、
土着宗教に対して比較的鷹揚で、
それらは、森の妖精などとして生きつづけた、とされています。

ヨーロッパにおいて、カトリックとプロテスタントを
分けるのは、ピレネー山脈であり、
これより南がカトリック、これより北がプロテスタントとなります。

よって、北欧ではプロテスタントであり、プロテスタントでは
福祉は教会が行うものではなく、世俗(王)が行うものとされた
ため、高福祉の国が生まれる要因のひとつとなったと
されています。

いづれにせよ、デンマーク、アイルランド、さらにオランダを
結ぶ「赤い糸」は、かなり謎めいて、私を惹きつけるのであります。





最新の画像もっと見る