NPO法人野生動物救護の会ブログ

1羽でも1頭でも多くの野生復帰を目指して活動しています

ブログについて

救護の会の活動現場である神奈川県自然環境保全センターでの出来事、エピソード、足環やM(猛禽)プロジェクトのこと、 センター外での活動など、折に触れ書いていきたいと思います。 気儘な更新になりますが、お付き合い下さい。

日立ITエコ実験村見学会を開催しました

2019-12-29 19:45:43 | イベント

20191221日(土)、秦野市千村にある日立ITエコ実験村を見学しに、救護の会の会員や救護ボランティアの方たちと一緒に行ってきました。この実験村という場所では、地元自治会やボランティア団体、大学、企業で構成される運営委員会とボランティアの人たちによって、森林管理や休耕田の再生、生き物の保全活動が行われています。

まずは、事務所で日立の野口さんからITエコ村で行われている事業の説明を受けました。

一番左の女性が施設を案内してくれた日立の大橋さんです。

施設に設置されている調査機器。一番上の白いキノコみたいなのが温度計、その下のボックスが通信機能付きセンサーカメラ(欲しい!!)

なんと小川で水力発電もしていました。出力は数ワットだそうです。

竹藪を伐採して広葉樹林を再生させている場所。とても見晴らしが良い。

このように森林を整備することで、秦野のおいしい水は守られているんだろうな。


3羽放野されました

2019-12-29 10:06:40 | 足環プロジェクト

年の瀬が迫ってきました。

トビなど3羽が放野されましたので、報告です。

 

まずはトビ。

保護日:11月7日

うずくまっているところを保護されました。

特にケガもなく、すぐに飛行が可能になりました。

放野日:11月14日

放野場所:平塚市にて

N2の足環を装着しました。

続いてはカルガモです。

保護日:10月4日

交差点でうずくまっているところを保護されました。

右翼を骨折していましたが治療が完了したため、放野になりました。

 

放野日:11月19日

放野場所:川崎市にて

N3の足環を装着しました。

最後はオオバンです。

保護日:10月26日

歩道上でうずくまっているところを保護されました。

左のわき腹に裂傷がありましたが、無事にふさがりました。

放野日:11月19日

放野場所:厚木市にて

N4の足環を装着しました。

 

赤い足環を装着した鳥をみかけたらご連絡下さい。

写真・情報提供:神奈川県自然環境保全センター


2019年度・丹沢大山自然再生活動報告会に参加しました

2019-12-18 05:49:58 | 調査活動

 12月14日(土)に日本大学で開催された丹沢大山自然再生活動報告会に、野生動物救護の会の痕跡調査チーム「BeasTrace」がポスター発表を行いに行ってきました。この報告会は、丹沢大山自然再生委員会の主催で毎年開催されていて、BeasTraceは去年に続いて2回目の参加となりました。基調講演では、羽山委員長とセンターの羽太部長が丹沢大山自然再生計画の15年間の歩みを振り返り、これまでの成果と今後の課題についてお話をされました。シンポジウムでは、丹沢のシカ問題、人工林の管理、登山者のオーバーユーズと自然保護の問題について神奈川県の担当者による講演が行われました。また、基調講演とシンポジウムの合間に大学の研究者や市民団体が調査研究や自然保護に関する成果をポスター発表しました。

 戦後に荒廃した丹沢大山の自然を復活させるために始められた再生活動は、多くの人々の努力によって実を結び始めているようです。シカの管理捕獲やシカ柵の設置により林床の植物層が再生し、水源林の整備が進み野生動物たちの生息環境も改善されつつあります。しかしながら新たな問題も生まれてきています。地球温暖化による環境の変化がブナ林の再生を妨げるとともに台風による水害ももたらします。SFTS(重症熱性血小板減少症候群)のような感染症を媒介するマダニや豚コレラに罹患したイノシシが丹沢に侵入する可能性も懸念されます。丹沢大山の自然を復活するために行ってきた再生活動は、人間と自然のより良い共生を実現するための活動にシフトチェンジする時期が来ているのかもしれないと、委員会の先生方が話されていました。BeasTraceのメンバーも人と野生動物のより良い共生を目指して、微力ながら調査研究を続けていきたいと思います。

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