大雨・大風の日、ポチは静かに息をひきとった。
週末を家でポチと過ごし、
もうダメかもしれないと思いながら
水だけで生きながらえていたポチ。
いよいよのときは横で一緒に寝ようと
用意していた寝袋で、二晩ポチの横で寝た。
土曜日の夜は3時間置き、日曜日の夜は1時間置きに
キャンキャンと苦しそうに吠える。
苦しむポチを見ていたら、
「もう楽にしてあげたい」という思いが強くなる。
「なんでこんないい子のぽっちゃんが、
こんなに苦しまないといけないのか」と神様に文句を言っていた。
だから、月曜の朝、仕事に行く前に
「ぽっちゃん、がんばらなくていいよ。
苦しいなら、お姉ちゃんのこと待たないでいいからね。」
と声をかけて行った。
願わくば、眠るように逝ってほしい。
まちがっても苦しみながらもがきながら死んでほしくない。
そんなにつらいなら、もう頑張らなくていい。
そういう思いだった。
そしたらポチは、ホントに私が帰るのを待たず、
逝ってしまった。
何度も吠えながら、鳴きながら、
苦しそうに体の中のものをすべて排出して、
そのあと、ウトウトしながら最期は眠るように
父母の腕の中で逝ったとのことだった。
どうしても仕事を休めず、夕方早いうちに帰ろう、
今夜また夜通し鳴かれたとしても、がんばって介護しよう、
「早く楽にしてあげたい」と思った自分を反省しながら
淡々とやるべき業務をこなしていた私に
ポチは逝ってしまったと母からLINEがきてしまった。
後のことをメンバーにお願いして、午後半休をとって帰った。
嗚咽が止まらなかった。
家に着くと、まだ温かったポチ。
ただ眠っているようなのに、もう目を開けてくれない。
覚悟していたとはいえ、受け止められなかった。