翌日は、午後から(13:00)私がインストラクターを務めさせて頂く「Zoomの学習会」がありました。学習会の細かいスケジュールを立てたり、その日お伝えすることの確認・練習もしなければなりません。
それにも関わらず、早朝に再び泉ヶ岳に向かったのは、もう一度購入すれば臨時出費が嵩むこと。自分が使い易いようにアプリなどをインストールし直すのがとても大変なこと。
…という理由もありましたが、何より「データの大半が消えてしまう」とドコモショップで聞かされたからでした。今では私にとって、それなりに大切なデータ(主に写真など)がスマホには入っているのです。「見つかるものなら、見つけなくちゃ!」という強い思いで、山に向かいました。
ドコモショップから貰った地図では、何故かスマホは「山に登る前の道近く」に位置しています。なくしたのは、確かに登山道だと思うので「変だな。私が帰ったあとに誰かが拾って、下の店などに届けてくれたのかな?」と思い、ロープウェイの登り口などで、再度聞いてみました。でも、やはり届いていないとのこと。ドコモの定員さんは「800メートルくらい、位置がズレている可能性があります」と言っていたので、道ではなく登山道かもしれないと思い、また昨日行った道を登り、下り、くまなく探しました。それでも、私のスマホはありませんでした。
学習会の時間も迫ってくるし「どうしよう」と考え、最後に、登山道の下の道路を少し水平に歩いて見ることにしました。その時は90%くらい、スマホが出てくるのを諦めていました。何故なら前日、私はそちら方面には行っていなかったからです。
「かもしかコース」という駐車場から一気に登れる急斜面に入り、登山者の多い「水神コース」「滑降コース」方面には一切足を踏み入れていなかったのです。でもそちらには「ふれあい館」があり、軽い食事ができたり、産直の野菜を売ってたり、綺麗なトイレがあったりして、登山者が立ち寄るスポットになっていました。もしかしたらふれあい館に届けてくれたのかもしれないと思い、道路沿いに歩いていくと…。
ふれあい館に行く途中の「入山者届出ポスト」の所に、何か光るものが!「あれ?」と思って近づくと、私のスマホです。そしてA4くらいの大きさの白い紙に「どこで、何時頃(かなり、早い時間でした)このスマホを拾いました」というメッセージが一緒に置いてあったのです!
もう、奇跡かと思いました。
登山者には、さり気なく静かで優しい人が多く、いつも一期一会だけど、道を教え合ったり山登りの話をし合ったりしてきましたが、この方も当たり前のようにこの場所を選び、当たり前のようにここに置いてくれたのだなと、心から感謝の気持ちでいっぱいになりました。そして前日からその時間まで、スマホを見ただろうに、そっとしておいてくれた、たくさんの他の登山者の方たちにも。
本当に本当にありがとうございました。
拾って下さった方には、連絡して何かお礼をと思いましたが、紙にも連絡先は書いてありませんでしたし、私も自分の電話番号を書くのは躊躇しました。ただお礼の気持ちはお伝えしたくて、いつも持ち歩いているメッセージカードに、感謝の気持ちを精一杯書いて、登山ポストに置いてきました。この方にお礼ができない分、私も誰か困っている人のお役に立つ事で、お返しをしたいと思っています。
私の手元にスマホが戻って来たのは、一重に拾って下さった、この心優しい登山者さんのおかげですが、スマホ捜索をしてくれたドコモショップのお姉さんと前日には行かなかったのに、そっちの方向に向かってみた自分も褒めてあげたいと思います。
もちろん帰りにはドコモショップに寄り、見つかった事を報告してお礼を言いました。それでも10:30頃には帰宅し、
午後からの学習会の準備もする事ができました。いやはや、大変な経験でした。
学習したので、二度と山で紛失する事はないと思いますが、今、私のスマホケースは草むらに落ちても見つけやすい「濃いえんじ色」になっています。
ブログ読者の皆さまは、こんなおマヌケな事はなさらないと思いますが、スマホの紛失には、どうぞくれぐれもお気をつけくださいませ。