2月23日/最後の晩餐。
ぐずぐずと別れを惜しみ、たっぷり20分くらい粘ったホテルのロビー、
やっとの思いで「さよなら」を交わし、ユーイチさんとゆきちゃんを
見送る。とうとう最後の晩餐もお開きだ。
夜もとっぷり更けているので、ゆきちゃんの帰り道はユーイチさんに
エスコートしていただくこととする。夜道ですので気をつけて♪
おそらく、
「婦人会」の面々は、ユーイチさんに見送られるゆきちゃんに取って
代わりたかったことだろう。
そしてしんちゃんは、ゆきちゃんを見送るユーイチさんの役どころを
我がものにしたかったことだろう。
キラキラと甘酸っぱい夜だねぇ……(笑)
な~んて余韻を楽しみつつ、それぞれ部屋へ戻る。
いつまでもほろ酔い気分に浸っていたいところだけど、我ら、明日の
早朝にはチェックアウトしてカルガリー空港へ向かわなきゃいけない。
荷造りが中途半端なまま最後の晩餐に臨席した者も多くおり、各自、
これよりパッキングの大詰めを迎えることとなる。
「それじゃ、荷造り頑張りろう」
「明日の朝って、目覚まし何時にセットすればいいんだろ?」
「あたしこれからシャワー浴びなきゃ。なんかも~面倒だ~」
「早いとこ荷造り終えて、この旅で撮りためたビデオ鑑賞しようよ♪」
「オッケ~。じゃあ部屋に残ってるビール持参で遊びに行くわ~」
みたいな。
この時、
我らは気付きもしなかった。
しんちゃんが、キラキラ甘酸っぱい恋心に突き動かされ、この旅での
ゆきちゃんとの出会いを「旅の思い出」の1ページに終わらせまいと、
最後のラッシュをかけていたことを。
我らは気付きもしなかった。
みんなでユーイチさんとゆきちゃんをお見送りした時、しんちゃんが
ロビーにはおらず、部屋に戻っていたことを…。
我らは気付きもしなかった。
みんなが部屋に戻り、廊下に誰もいなくなったその時、しんちゃんが
部屋を飛び出し、ロビーへ駆け降りていったことを……。
《はいっ! シーン本番 入りましたぁ!》
ロビーへ駆け降り、ゆきちゃんがすでに発ったことを知るしんきち。
エントランスを飛び出し、全速力でゆきちゃんの後ろ姿を追う。
【BGM】
♪あの日 あの時 あの場所で 君に会えなかったら
僕らは いつまでも 見知らぬ二人のまま ♪
『ラブストーリーは突然に』 小田和正
しん「ゆ、ゆきちゃん!」
ユーイチさんにエスコートされて歩くゆきちゃん、
しんきちの声に驚いて振り向く。
ゆき「しんちゃん! 一体どうしたの、そんなに慌てて」
駆け寄るしんきち。軽く息を切らしながら
小さな包みをゆきちゃんに差し出す。
しん「これ……、これを、ゆきちゃんにどうしても渡したくて……」
ゆき「わたしに? 何かしら?」
驚きを隠さぬまま、しんきちから差し出された
包みを受け取るゆきちゃん。
しん「それを使う時、僕のことを思い出してほしいんだっ……!」
(はいカット~!)
手渡したその包みの中身は、旅で使い切れなかった「ホッカイロ」。
カナダで買おうとすると高くて……。というゆきちゃんのつぶやきを
聞き漏らさなかったしんきちの、
これが最後のアタックチャ~ンス。
しんちゃんの淡い恋心をおもんぱかり、ユーイチさんがひと言、
「せっかくやから、ここで2ショット撮りましょうか?」
しんちゃんの淡い恋心をおもんぱかり、ゆきちゃんも快くOK。
かくして……
こんなの撮ってもらったんだって~。
配付CDには未収録の、ヒミツの1枚だって~♪
だけども しんちゃん、
この“むぎゅ~っ”は……
ホッカイロの見返りとしては「いただき過ぎ」だと思うわ(笑)
コラボ旅記 カオルブログ『孤高のハダカの王様』
「その時ガイドは……!?」連載はすでに終了しています。
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ぐずぐずと別れを惜しみ、たっぷり20分くらい粘ったホテルのロビー、
やっとの思いで「さよなら」を交わし、ユーイチさんとゆきちゃんを
見送る。とうとう最後の晩餐もお開きだ。
夜もとっぷり更けているので、ゆきちゃんの帰り道はユーイチさんに
エスコートしていただくこととする。夜道ですので気をつけて♪
おそらく、
「婦人会」の面々は、ユーイチさんに見送られるゆきちゃんに取って
代わりたかったことだろう。
そしてしんちゃんは、ゆきちゃんを見送るユーイチさんの役どころを
我がものにしたかったことだろう。
キラキラと甘酸っぱい夜だねぇ……(笑)
な~んて余韻を楽しみつつ、それぞれ部屋へ戻る。
いつまでもほろ酔い気分に浸っていたいところだけど、我ら、明日の
早朝にはチェックアウトしてカルガリー空港へ向かわなきゃいけない。
荷造りが中途半端なまま最後の晩餐に臨席した者も多くおり、各自、
これよりパッキングの大詰めを迎えることとなる。
「それじゃ、荷造り頑張りろう」
「明日の朝って、目覚まし何時にセットすればいいんだろ?」
「あたしこれからシャワー浴びなきゃ。なんかも~面倒だ~」
「早いとこ荷造り終えて、この旅で撮りためたビデオ鑑賞しようよ♪」
「オッケ~。じゃあ部屋に残ってるビール持参で遊びに行くわ~」
みたいな。
この時、
我らは気付きもしなかった。
しんちゃんが、キラキラ甘酸っぱい恋心に突き動かされ、この旅での
ゆきちゃんとの出会いを「旅の思い出」の1ページに終わらせまいと、
最後のラッシュをかけていたことを。
我らは気付きもしなかった。
みんなでユーイチさんとゆきちゃんをお見送りした時、しんちゃんが
ロビーにはおらず、部屋に戻っていたことを…。
我らは気付きもしなかった。
みんなが部屋に戻り、廊下に誰もいなくなったその時、しんちゃんが
部屋を飛び出し、ロビーへ駆け降りていったことを……。
《はいっ! シーン本番 入りましたぁ!》
ロビーへ駆け降り、ゆきちゃんがすでに発ったことを知るしんきち。
エントランスを飛び出し、全速力でゆきちゃんの後ろ姿を追う。
【BGM】
♪あの日 あの時 あの場所で 君に会えなかったら
僕らは いつまでも 見知らぬ二人のまま ♪
『ラブストーリーは突然に』 小田和正
しん「ゆ、ゆきちゃん!」
ユーイチさんにエスコートされて歩くゆきちゃん、
しんきちの声に驚いて振り向く。
ゆき「しんちゃん! 一体どうしたの、そんなに慌てて」
駆け寄るしんきち。軽く息を切らしながら
小さな包みをゆきちゃんに差し出す。
しん「これ……、これを、ゆきちゃんにどうしても渡したくて……」
ゆき「わたしに? 何かしら?」
驚きを隠さぬまま、しんきちから差し出された
包みを受け取るゆきちゃん。
しん「それを使う時、僕のことを思い出してほしいんだっ……!」
(はいカット~!)
手渡したその包みの中身は、旅で使い切れなかった「ホッカイロ」。
カナダで買おうとすると高くて……。というゆきちゃんのつぶやきを
聞き漏らさなかったしんきちの、
これが最後のアタックチャ~ンス。
しんちゃんの淡い恋心をおもんぱかり、ユーイチさんがひと言、
「せっかくやから、ここで2ショット撮りましょうか?」
しんちゃんの淡い恋心をおもんぱかり、ゆきちゃんも快くOK。
かくして……
こんなの撮ってもらったんだって~。
配付CDには未収録の、ヒミツの1枚だって~♪
だけども しんちゃん、
この“むぎゅ~っ”は……
ホッカイロの見返りとしては「いただき過ぎ」だと思うわ(笑)
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