山の天気予報

ヤマテンからのお知らせや写真投稿などを行います。

オンライン講座「高気圧・低気圧・前線」配信開始のご案内

2020-04-29 21:08:57 | おしらせ

現在、新型コロナウィルスの感染対策により、机上講座が行えない状況が続いております。そこで、3月28日(土)に行う予定でありました「ヤマテン講座初級編(高気圧と低気圧、前線)」を、やまスクさんにご協力いただき、オンライン講座として配信することになりました(有料での配信となります)。

オンライン講座には、他にも「梅雨期の天気入門」や「気象遭難を防ぐための天気図の見方」など、お気軽にご利用いただける講座をご用意しております。併せてご利用いただければ幸いです。

受講の申し込みや詳細は下記URLをご覧ください。
https://www.yama-school.com/mt-weather

皆様の受講を心よりお待ち申し上げております。

今後もさらに動画数を増やしていく予定です。
新型コロナウィルス感染症によって自粛せざるを得ないこの機会を、山のことを深く知り、安全な登山を行うための勉強期間として捉え、感染が終息して登山を再開されたときに役立てる知識を身につけていただければと願っています。

株式会社ヤマテン
講習会担当

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ヤマテン動画講座第二回 地上天気図の利用法partⅡ

2020-04-25 09:29:12 | おしらせ

山の天気予報会員各位

平素より山の天気予報をご利用いただき、まことにありがとうございます。
山に行くことが厳しい状況の今だからこそ、山の天気を勉強しませんか?
ヤマテンユーザーが利用できる専門・高層天気図の使い方についてシリーズで動画配信していきます!

第2回は地上天気図の利用法partⅡです。地上天気図の等圧線から風向きを読み取る方法について解説しています。予報が外れるときにも天気を外さない秘訣がそこにあります。

動画の中で、次回も地上天気図の説明と案内していますが、850hPa(上空1,500m付近)の風予想図の見方について説明する予定です。

株式会社ヤマテン
猪熊

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猪熊隆之の観天望気講座153

2020-04-21 20:21:13 | 観天望気

今日(4月21日)見られた雲 ~レンズ雲と吊るし雲~

今日(2020年4月21日)は、信州上空では午後からUFO型やレンズ状の独特な雲が沢山出現しました。早速、写真を見てみましょう。

写真1 北八ヶ岳方面で見られた吊るし雲

山の稜線の反対側に、「天空の城ラピュタ」にでも出てきそうな何重にも重なった分厚い雲が見られます。これは吊るし雲と言われる雲です。強風が山にぶつかって上昇してできた雲で、山の風下側にできます(図1参照)。吊るし雲ができるときは、山では非常に強い風が吹いています。強風による転滑落やテント倒壊、低体温症などのリスクが高まりますので、注意が必要です。

図1 レンズ雲と吊るし雲のでき方(山岳気象大全「山と溪谷社」より)

また、北西側の空にはレンズ状の雲が沢山浮かんでいました。こちらは、可愛い感じのレンズ雲ですね。この雲は、霧ヶ峰を越えるときに空気が上下し、その波が上空に伝わってできた雲です。こちらも風が強くないとできない雲です。吊るし雲ほどではありませんが、この雲が現れているときは強風に注意が必要です。

写真2 霧ヶ峰上空のレンズ雲

レンズ雲、吊るし雲が現れるのは、今日のように南高北低型と言われる気圧配置や、日本海を低気圧が進んでいくときです。

天気図1 今日(4月21日)9時の天気図(気象庁の天気図に猪熊が加筆したもの)

今日の天気図(図1)をご覧いただくと、北海道から中国の東北地方に低気圧(赤いアミカケ部分)があり、日本列島の南側には大陸からの高気圧が張り出しています(青いアミカケ部分)。このような気圧配置を南が高く、北が低いことから“南高北低型”と呼び、春に良く現れる気圧配置です。レンズ雲や吊るし雲はこのような気圧配置のときに多くなり、このようなとき、中部山岳や富士山など標高の高い山では風が非常に強まるので、覚えておくと良いでしょう。

文、図(気象庁提供を除く)、写真:猪熊隆之(株式会社ヤマテン)

※図、写真、文章の無断転載、転用、複写は禁じる。

 

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ヤマテン動画講座第一回 地上天気図の利用法

2020-04-19 10:32:35 | おしらせ

天気図の見方第一回(sfc)修正版

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猪熊隆之の観天望気講座152

2020-04-16 21:42:18 | 観天望気

Part152 ~雲がやる気を出した理由~

今日(2020年4月16日)は、久しぶりに雲がやる気になりました。雲がやる気になったというのは、雲が上方へモクモクと成長していくことです。夏場に見られる入道雲(にゅうどうぐも)は、“やる気になった雲”の代表格。この入道雲がさらにやる気を出していくと、積乱雲(せきらんうん、別名雷雲)になり、落雷や突風、強雨などの激しい気象現象をもたらします。

写真1 八ヶ岳方面で発達中の積乱雲(ヤマテン事務所から)

八ヶ岳の東側(写真では奥)で入道雲がやる気を出しています。今日は、奥秩父や南アルプスの一部で積乱雲が発達し、落雷や強雨(標高の高い所では雪)となりました。

雲がやる気を出すのは、

  • 上空5,500m付近に強い寒気が入ること
  • 地上付近が熱せられて温まること
  • 地上付近に湿った空気が入ること

これらの条件に当てはまるときです。詳しくは、jROで連載している「雲から山の天気を学ぼう(第10回)」をご参照ください。

https://www.sangakujro.com/%e9%9b%b2%e3%81%8b%e3%82%89%e5%b1%b1%e3%81%ae%e5%a4%a9%e6%b0%97%e3%82%92%e5%ad%a6%e3%81%bc%e3%81%86%ef%bc%88%e7%ac%ac10%e5%9b%9e%ef%bc%89/

1については500hPa面(高度5,500m付近)の気温予想図で確認します(図1)。この時期は、マイナス24℃以下の寒気が入るとき、雲がやる気を出すことが多いです。

図1 500hPa面の気温予想図(16日15時) ヤマテン専門天気図より

図1をご覧いただくと、東海・北陸地方から北ではマイナス24℃以下の寒気に覆われています。雲がやる気を出しやすいエリアです。しかしながら、今日、雲がやる気を出したのは、奥秩父、南アルプスだけでした。なぜ、これらの山でやる気を出したのかを調べるために、雲がやる気を出す条件 2.地上付近が熱せられた場所 を特定します。地上付近の気温の参考になるのは、850hPa面(上空1,500m付近)の気温です。

図2 850hPa面(上空1,500m付近)の気温予想図 ヤマテン専門天気図より

図2をご覧いただくと、中部地方に6℃以上の線が入りこんでいます。つまり、この辺りでは地上付近で気温が上がるということです。雲がやる気を出す条件の1と2が重なる所では大気が非常に不安定になり、雲がやる気を出しやすくなります。まさにその場所(5,500m付近でマイナス24℃以下の寒気に覆われていて、かつ1,500m付近では6℃以上の場所)で雲がやる気を出して落雷や強雨があった訳です。

ということで、500hPa面と850hPa面、2つの天気図から850hPaと500hPa面の気温の差を調べると、雲がやる気を出しやすい場所が分かります。その目安が以下の通りです。

  • 850-500の気温27℃以上・・・雲が非常にやる気を出す(落雷、局地豪雨のリスクが非常に高い)
  • 850-500の気温24℃以上・・・雲がやる気を出す(落雷、局地豪雨のリスクが高い
  • 850-500の気温21℃以上・・・雲が少しやる気を出す(落雷、局地豪雨のリスクがやや高い)

これを当てはめると、図2のアミカケの部分は30℃にも達し、雲がめっちゃやる気を出す条件ということが分かります。

これからの季節、地上付近が温まると、雲がやる気を出しやすくなります。これらの天気図を活用できるといいですよね。

文、図(気象庁提供を除く)、写真:猪熊隆之(株式会社ヤマテン)

※図、写真、文章の無断転載、転用、複写は禁じる。

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