山の天気予報

ヤマテンからのお知らせや写真投稿などを行います。

専門・高層天気図の予想時間延長のお知らせ

2018-07-23 20:00:51 | おしらせ

平素より山の天気予報をご利用いただき、誠にありがとうございます。

山の天気予報でご覧いただける専門・高層天気図の予想時間延長と、更新頻度の変更についてお知らせいたします。

これまで専門天気図では、192時間先(7日先)までの予想図を表示しておりましたが、この度、264時間先(10日先)までの予想図をご覧いただけるようになりました(雷確率ガイダンスは、従来通り84時間先までとなります)。84時間先(3日先)までの予想図は従来通り3時間ごとに、84時間先以降の予想図は6時間ごとの表示となっております。

また、更新時間につきましては、これまでは84時間先までは6時間ごと、それより先の時間帯は1日1回の更新となっておりましたが、132時間(5日先)までの予想図は1日4回6時間ごと、132時間より先の予想図は1日1回午前4時頃の更新となります。皆様の登山計画や、気象遭難のリスク対策にお役立ていただければ幸いです。

 

(株)ヤマテン

猪熊隆之

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豪雨被害 お見舞い申し上げます

2018-07-12 13:56:56 | おしらせ

平素より山の天気予報をご利用いただき、まことにありがとうございます。

このたびの西日本における豪雨被害に遭われました皆様とご家族の皆様には、心よりお見舞い申し上げます。
また、亡くなられた方々へのご冥福をお祈りいたします。

このように、大きな被害が発生したことに、気象予報に携わる者として大変、心を痛めております。
被災地では、懸命な救助活動が行われており、救助に携わる皆様、ボランティアの皆様におかれましては、暑い中の作業、大変ご苦労様です。被災地の皆様は、水道などのライフラインが寸断されており、また、避難生活が長引いて不自由な生活を強いられている方も多いと思います。後片付けにも大変なご苦労をされていると思います。豪雨後は、猛暑の日々となり、今後もしばらく続く予想となっております。熱中症の発症や体調の管理に充分ご注意下さい。
一日も早く復旧、復興がなされますことを心よりお祈り申し上げます。

株式会社ヤマテン
社員一同

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猪熊隆之の観天望気講座111

2018-07-05 16:42:50 | 観天望気

5月下旬、体験活動安全管理講習会が赤城山で行われました。その時の観天望気講座について2回に分けて解説していきます。1回目は登山前に、登山当日の気象リスクを想定する方法についてです。観天望気講座というよりは、「山の天気リスクマネジメント」的な内容ですが、重要なことですので、今回はそれについて書かせていただきます。

さて、まずはいつものように、登山前日に登山当日の予想天気図を見て、気象リスクを想定するというところから始めましょう。

図1 23日の段階で気象庁ホームページから入手した24日9時の予想天気図

図1を見ると、前日に雨をもたらした低気圧が関東の東海上へ抜けているのが分かります。ただし、赤城山付近(図中の△印)では等圧線の間隔が狭く、風が強いことが想定されること、また、等圧線の向きから北寄りの風になることが想定されます。

山では海側から風が吹くときに天気が崩れる、という大原則があります。赤城山の場合はどちらから風が吹くときに天気が崩れるのか、地図から確認していきます。

図2 赤城山と海との位置関係

 

赤城山は日本海と太平洋の中間にあり、日本海からも太平洋からも比較的離れています。

特に、日本海との間には谷川連峰、奥日光や尾瀬の山があるため、日本海からの湿った空気はこれらの高い山に遮られて入りにくい場所です。また、西側や南西側にも北アルプスや八ヶ岳、奥秩父などの高い山があり、こちらから風が吹くときも天気が崩れにくいことが分かります。

一方、南東側や南側は関東平野が広がっており、これらの方角から風が吹くと、太平洋からの湿った空気は遮られることなく、赤城山に到達します。東側も足尾山地などの低い山ですから、湿った空気は入ってきます。

ということで、今回のように北~北西風が吹くことが予想されるときは天気の崩れは小さいとみることができるでしょう。低気圧が抜けて乾いた空気が入ってくることからなおさらです。ただし、冬季など冬型の気圧配置が強まったり、上層の寒気が強く、北~北西風が強まるときは谷川連峰などの標高の比較的低い山を雪雲が越えてくるため、赤城山周辺では吹雪となります。

次に、登山中の気象リスクを想定するために、国土地理院の25,000分の1地形図で確認しましょう。今回の登山は赤城山の南西側にある鍋割山を南側から登るルートになります。

図3 登山コースのリスクを地形図から確認しよう!

電子国土ホームページより

https://maps.gsi.go.jp/#5/36.104611/140.084556/&base=std&ls=std&disp=1&vs=c1j0h0k0l0u0t0z0r0s0f1

登山ルートは、鍋割山から南~南西側に延びるルートです。気象リスクは樹林帯の山か、森林限界を超えるなど、開けた場所を長く歩く山とで大きく異なる。今回は標高が1,300m台と低いため、樹林帯の山と思われるが、緑色のカコミ部分をご覧いただくと、荒れ地のマークになっています。ということで、山頂付近と中間部分で開けた場所があることが想定されます。ここでは強風による転滑落、低体温症、落雷のリスクに留意します。

沢を渡渉したり、沢沿いに歩く箇所はありません。また、崩壊地やガラ場、涸沢などもなさそうですから、大雨による沢の増水リスクはないと考えます。

ということで、気象リスクは、強風による転滑落、低体温症、落雷になりますから、これらのリスクが高い、2つの荒れ地に出る場所を引き返しポイントとしましょう。また、それぞれの荒れ地の下側には急傾斜(等高線が密になっている)の場所があります。ここでは転滑落や降雨時など道が濡れているときはスリップにも注意が必要だと考えます。

3つの気象リスクのうち、低体温症は天候が良く、陽射しがあってそれほど強い寒気が入ってこないことから考えいにくいですね。次の強風による転滑落は、等圧線が込んでいることや、山頂付近など開けた場所があることから想定されますが、北~北西風になる予想から、尾根の風下側を歩く今回のルートではそれほどリスクが大きくありません。山頂付近で長居をしなければ大丈夫そうです。

落雷については、雲のやる気を500hPa面(高度約5,700m)の気温から見ていきましょう。

図4 23日9時を基準とした24日9時の500hPa面気温予想図

山の天気予報「専門・高層天気図」https://i.yamatenki.co.jp/ より

この時期は、マイナス15℃から18℃以下の寒気が入ると、雲がやる気を出しやすくなります。この日は前橋の最高気温が28℃と予想されていましたので、マイナス15℃程度でも積乱雲が発達する恐れがあると予想します。

ということで、落雷のリスクはあると考えますが、午後になるとこの寒気が抜けていく予想になっていました(図5参照)。マイナス15℃以下の寒気は残っていますが、寒気は入ってくるときの方が抜けていくときよりも、雲がやる気を出します。

図5 23日9時を基準とした24日15時の500hPa面気温予想図 

山の天気予報「専門・高層天気図」https://i.yamatenki.co.jp/ より

また、赤城山付近は谷川連峰を越えてくる乾いた北風によって空気が乾燥することが予想され、雲を作るのに十分な水蒸気がないことから、落雷や強雨をもたらすような積乱雲が発達する可能性は低いとみました。

そこまで予想できない場合には、500hPa面の気温から、落雷のリスクがあると考え、周囲の雲の様子を見ながら「雲のやる気」や落雷のリスクについて考えていきましょう。そのためには朝起きたときにまずは外に出て空を見上げましょう。次回は登山中に、観天望気から雲のやる気を見る方法についてです。

文、写真:猪熊隆之(株式会社ヤマテン)

※図、写真、文章の無断転載、転用、複写は禁じる。

 

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「山の天気予報」英語版、韓国語版発表開始のお知らせ

2018-07-05 12:49:18 | おしらせ

株式会社ヤマテンは、「山の天気予報」の英語版、韓国語版の提供を開始しました。

「山の天気予報」は、2008年に全国の15山域で開始。現在は、尾瀬、奥秩父、大峰・台高の3山域を加え、全国18山域59の山頂の天気予報を配信。各山域の雨雲レーダー(2時間前から現在までの降水域と降水強度の変化)や、3時間ごと84時間先までと、その先6時間ごと7日先までの地上気圧予想+降水予想図などが閲覧できるようになっています。

また、山頂や山麓のライブカメラの閲覧を順次進めるほか、2016年10月には、「今週末のおすすめ山域」をお知らせするサービスを発表、今年は、冬季の週末限定で比良山系の予報配信も開始しました。予報手法の改良や精度向上にも努め、意欲的に、登山者へ山の天気情報を提供しています。

英語版、韓国語版では、「山の天気予報」サイトのうち、2日先まで6時間ごとの山頂の天気、気温、風速・風向と気象リスクに関する警戒事項を発表するほか、お盆期間や年末年始、大型連休などの前に発表している週間予報、雨雲レーダー、ライブカメラが見ることができます。

外国人登山者の気象遭難事故の減少につながればと願っております。

■サイト情報

●英語版
PC版 https://i.yamatenki.co.jp/index_en.cgi
スマートフォン版 https://i.yamatenki.co.jp/smartphone/index_en.cgi

●韓国語版
PC版(スマホでのご利用も可能) https://i.yamatenki.co.jp/index_kr.cgi
スマートフォン版(9月1日配信予定) https://i.yamatenki.co.jp/smartphone/index_kr.cgi

■お問い合わせ

株式会社 ヤマテン
Email info@yamatenki.co.jp
http://yamatenki.co.jp/

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【重要】専門・高層天気図の更新再開のお知らせ

2018-07-02 17:13:22 | おしらせ

平素より「山の天気予報」をご利用いただき、誠にありがとうございます。

本日13時30分頃より、システムに不具合が発生したため、専門・高層天気図の一部におきまして、更新が停止しておりました。16時過ぎに復旧し、現在は最新のものに更新されております。

お客様にはご不便・ご迷惑をおかけしましたこと、心よりお詫び申し上げます。
引き続き、「山の天気予報」への変わらぬご愛顧を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。

山の天気予報
システム担当

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