山の天気予報

ヤマテンからのお知らせや写真投稿などを行います。

今朝の八ヶ岳・甲斐駒ケ岳

2015-10-31 08:02:03 | 日記

今朝の八ヶ岳・甲斐駒ケ岳は、やや上層の雲は多いですが、晴れ。稜線はきれいに見えています。

7時のウィンドプロファイラでは、河口湖の上空3kmで21m/s、熊谷の上空2kmで8m/sの風となっています。

 

●赤岳天望荘(2722m) 7時現在 -7℃ 晴れ 西風

今朝の最低気温 -7℃ 昨日の最高気温 -2℃

●八ヶ岳山荘(1502m) 7時現在 1℃ 晴れ

今朝の最低気温 0℃ 昨日の最高気温 9℃

 

 

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今朝の八ヶ岳・甲斐駒ケ岳

2015-10-30 08:10:13 | 日記

今朝の八ヶ岳・甲斐駒ケ岳は雲が多いですが、稜線は見えています。

7時のウィンドプロファイラでは、熊谷の上空2kmで7m/sの風(河口湖の2・3kmと熊谷の3kmは欠測)。

 

●赤岳天望荘(2722m) 7時現在 -5℃ くもり 西風強い

今朝の最低気温 -5℃ 昨日の最高気温 11℃

●八ヶ岳山荘(1502m) 7時現在 4℃ くもり

今朝の最低気温 2℃ 昨日の最高気温 13℃

 

 

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猪熊隆之の観天望気講座76

2015-10-28 11:09:39 | 観天望気

今日は、10月26日に日本列島の広い範囲で見られた、上空高い所に浮かぶ巻雲についてです。

巻雲は「晴れ巻雲」と「雨巻雲」があり、「雨巻雲」が現れると、天気が崩れていくことが多いことは以前、説明しました。

晴れ巻雲と雨巻雲については、下記の過去の講座もご参照ください。

観天望気講座21 http://blog.goo.ne.jp/yamatenwcn/e/cdb7201ed5dc4afaccb6580fdd7e90e6

観天望気講座39 http://blog.goo.ne.jp/yamatenwcn/e/2bf68c4c184fbcb0680037e3e5c9fc6e

 

今日、見られた雲は典型的な晴れ巻雲で、天気図を見ても日本列島は高気圧に覆われています。

写真1 長野県茅野市蓼科地域から見た巻雲(10月26日)

図1 10月26日9時の地上天気図

 

高気圧に覆われているとき、空には全く雲が現れない場合と今日のように巻雲が現れる場合とがあります。それでは、巻雲がどうして現れるのでしょうか?巻雲は雲の中でも、もっとも上空高いところに浮かんでいる雲です。従って、上空高いところに、ある程度水蒸気があり、上昇気流が起きている必要があります。上昇気流を起こしている要因は、ジェット気流です。

図2 図1と同時刻の200hPa天気図

上の図は、200hPa(高度約12,000m付近)の天気図です。ジェット機が飛んでいる高度と同じ位です。ジェット機は高度を上げていくと、雲の上に出て、下界がどんなに天気が悪くてもお天気がいいですよね。地球の大気はおよそ4つの層に区分されていますが、ジェット機が飛ぶ高度は、一番下の対流圏と、その上にある成層圏の境界付近の高度にあたります。ほとんどの雲は対流圏の中でできます。成層圏は水蒸気が非常に少なく、大気が安定しているので上昇気流がほとんど起きないからです。

さて、話を元に戻して、巻雲がこの日に現れた原因を考えてみましょう。日本付近にある太い矢印はジェット気流を表しています。ジェット気流は対流圏の上部で吹いている非常に強い西風のことです。風は温度差が大きいところで強く吹きますから、ジェット気流の辺りは高度約12,000mで気温差が大きいところになります。簡単に言えば、ジェット気流は春と夏、夏と秋のように、季節の境い目にできるのです。

温度差が大きいところでは上昇気流ができます。

図3 ジェット気流付近で発生する上昇気流

上図はジェット気流付近の温度分布を表した図です。ジェット気流は温かい空気と冷たい空気の境界にあり、冷たい空気は重く、温かい空気が軽いので、冷たい空気の上を温かい空気が乗り上げて緩やかな上昇気流ができます。ここで、巻雲が発生するのです。ただ、巻雲のすぐ上には、安定した大気の成層圏があるので、巻雲は上へ上へと成長できず、すぐに成長を止めてしまい、薄雲で終わってしまいます。

写真2 放射状の雲

夕方になると、上の写真のように、巻雲は放射状の雲になっていきました。放射状に見えるのは遠近法による人間の目の錯覚で、実際には雲は平行に並んでいます。空気が波を打って上昇気流が発生したところで雲ができ、下降気流になっているところで雲が消えます。波ができる理由は、遠方にある台風や発達した低気圧のこともありますし、今回のように、北アルプスの風下にできた山岳波によるものもあります。

図4 山岳波の出きかた(山岳気象大全より)

上図のように、山があることで空気がまっすぐに進むことができず、波をうつことがあります。大気が安定しているときにこのような波は上の方に伝わっていき、放射状の雲や波状雲ができます。また、波状雲が現れたときに紹介しようと思います。今日はこの辺りで。

※地上天気図、200hPa天気図は気象庁提供。写真は猪熊隆之撮影。
※図、文章、写真の無断転載、転用、複写は禁じる。

文責:猪熊隆之

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山の天気講座

2015-10-27 19:39:21 | おしらせ

会員の皆様

日頃より、「山の天気予報」をご利用いただき、ありがとうございます。

会員の皆様にご案内しておりました「山の天気講座」についてですが、

名古屋会場も残席は少なくなっていますが、まだ申込みを受け付けております。

ご希望の方は早めにお申し込み下さい(お申し込みはこちら)。

どうぞよろしくお願い致します。

 

               山の天気講座担当

 

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猪熊隆之の観天望気講座75

2015-10-27 09:37:34 | 観天望気

今日は少し前になりますが、久しぶりに雲がやる気を出した日がありましたので、そのときの雲の解説をしていきます。

この日の天気図を見ると、日本の東海上から日本海、朝鮮半島と3つの高気圧が連なっており、高気圧の中心に近い北日本や日本海側を中心に天気が良くなりそうな感じです。実際晴れたところが多くなりました。

写真1 茅野市蓼科方面から見た甲斐駒~守屋山方面

ところが、午後になると上の写真のように、守屋山~入笠山の伊那側(下の地図参照)で積乱雲が発達しています。一方で入笠山~守屋山の上に浮かぶ小さな雲(白い囲み線)は、積乱雲の卵、積雲です。ここでは入笠山~守屋山の斜面に沿って上昇した空気がこの積雲を作っています。手前(茅野側)で積雲が発達せず、奥側(伊那側)で雲がやる気を出して、積乱雲にまで発達した原因はなんでしょうか?

 

雲にやる気を出させる要因は、大きく分けて2つです。1つは、上層に強い寒気が入ること、もう1つは下層に温かく湿った空気が入ることです。

上図は500hPa(高度約5,700m)の気温予想図です。17日12時の予想を表しています。10月中旬~下旬における雲がやる気を出す目安は500hPaで-18℃以下です。日本海から南下してきた-18℃以下の寒気が中国地方から中部地方にかかってきています。この寒気が、雲にやる気を出させた原因になります。

それでは茅野側では雲がやる気を出さなかった理由というと、地図を見ていただくと、守屋山~入笠山の西から南西側には伊那盆地があります。伊那盆地は茅野に比べて標高が低く、盆地となっているため、日中、茅野側よりも気温が上昇します。この温められた空気が谷風によって守屋山~入笠山の斜面を上昇していったことが大きいものと思われます。

写真2 写真1の1時間後の状況

 

雲はさらにやる気を出して、1時間後には上の写真のように成長しました。茅野上空にも暗灰色の雲が達しています。ただ、これは積乱雲本体の雲ではありません。積乱雲の本体はあくまで山の反対側にあります。実際、蓼科では一滴も雨は降りませんでした。それでは、この雲の正体はなんでしょう?

この雲は巻雲が発達したものです。複数の積乱雲が発達し、それが上空でまとまって、上空の風(地図中の矢印参照)で茅野の方に流れてきています。巻雲は通常透き通った薄い雲ですが、このように積乱雲の上部では厚い、黒い雲になることもあるのですね。

※地上天気図は気象庁ホームページより。500hPa面の気温予想図はヤマテンの山の天気予報、専門天気図ページより。写真は猪熊隆之撮影。
※図、文章、写真の無断転載、転用、複写は禁じる。

文責:猪熊隆之

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