山の天気予報

ヤマテンからのお知らせや写真投稿などを行います。

猪熊隆之の観天望気講座123

2018-12-20 21:59:08 | 観天望気

~並の冬型のときの北アルプス~

前回は弱い冬型のときの北アルプスの天気と雲の様子について解説しましたが、今回は冬型がもう少し強まって「並の冬型」(平均的な冬型)になったときの状況について解説させていただきます。

写真1 塩尻市付近からの常念山脈と後立山連峰

上の写真は平均的な冬型のときに見られる、北アルプス付近の雲の様子です。安曇野盆地や松本盆地は青空が広がっているのは弱い冬型のときと同じですが、蝶ヶ岳は雲の中からかろうじて見える程度、常念岳や燕岳、後立山連峰は雪雲の中で全く見えません。見えるのは有明山など前衛の山だけです。写真2の冬型が弱いときと比べるとその違いが良く分かると思います。

写真2 冬型が弱いときの北アルプス南部の雲

それでは天気図でこれらの違いについて見ていきましょう。

図1 並の冬型のときの天気図(気象庁提供)

上図は写真1を撮った時間帯の天気図です。北アルプス付近(図中▲印)は等圧線が広い所から狭い所へと移りつつある場所です。一般に等圧線の間隔が広いときが弱い冬型で、間隔が狭いときが強い冬型ですから、弱い所から強い所に移るタイミングでの「並の冬型」ということになります。

一方、下図は写真2を撮った時間帯の天気図です。こちらは等圧線の間隔が広く、弱い冬型の気圧配置ということが良く分かりますね。

図2 弱い冬型のとき(写真2を撮影した時間帯)の天気図(気象庁提供)

天気図から山における雲の出方が読めるようになれば、一人前の登山予報士ですね。逆に、雲の感じを見て天気図をイメージできれば本物です。

文、写真:猪熊隆之(株式会社ヤマテン)

※図、写真、文章の無断転載、転用、複写は禁じる。

 

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年末年始の週間予報発表のご案内

2018-12-20 21:21:03 | おしらせ

平素より、「山の天気予報」をご利用いただき、誠にありがとうございます。

12月25日(火)に、年末年始を想定した7日先までの週間予報(第1回目)を発表します。
この日発表の天気予報では、通常の翌日、翌々日の予報に加えまして、12月28日(金)~1月1日(火)までの週間予報を発表いたします。
また、12月30日(日)には、週間予報(第2回目)を発表します。この日発表の天気予報でも、通常の翌日、翌々日の予報に加えまして、1月2日(水)~1月6日(日)までの週間予報を発表いたします。
各回ともに17時ごろ発表、予報対象山域は全国18山域全てとなります。

発表形式は、各山域の予報ページおよびメールでの配信となります。
各予報ページ内の、雨雲レーダーの下部にある「週間予報」よりご確認いただけます(第1回目は12月25日17時頃から翌26日16時頃まで、第2回目は30日17時ごろから翌31日16時ごろまでの、それぞれ約24時間の掲載)。
メール配信につきましては、通常の天気予報メールに加え、残りの5日間分の予報メールを別途配信いたします(12月25日と30日の17時ごろに、それぞれ1回ずつ配信)。年末年始に山行をご計画中の方で、まだ予報配信メールの設定をおこなっていない方は、「各種変更・退会」画面からメール配信設定をしていただくことをおすすめします。

また、27日(木)は「年末年始のおすすめ山域」を発表します。週間予報と併せてご利用ください。

皆様の年末年始の登山計画の設定や、気象リスク軽減のお役に立てれば幸いです。
安全登山で、良いお年をお迎えください。

株式会社ヤマテン
山の天気予報係

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