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奥秩父や奥多摩周辺の山と花の風景を楽しんでいるデジカメ日記です

残雪の野反湖ぶらぶら歩き@八間山から黒渋ノ頭

2014年04月26日 | さんぽ


2014年4月26日(土) 晴れ

富士見峠→イカ岩ノ頭→八間山→黒渋ノ頭をぶらぶらと往復

突然、広くて大きな湖が見たくなった。中禅寺湖、白駒池、尾瀬沼などが思い浮かんだが、通行止めが解除されたばかりの野反湖へ出掛けてみた。野反湖は群馬、長野、新潟の県境に位置し、シラネアオイ、ニッコウキスゲ、コマクサなどの高山植物が彩り、秋には紅葉を湖面に映し出すという。今日は気温も上昇するということで遠出してみたが、日帰りではちょっと尻込みをしたくなるような場所だ。高速道路は渋川伊香保ICで降り、草津方面へ向かうが長野原草津口駅から更に405号線を六合へ走る。野反湖を訪れるのはこれで3回目だ。一回目はまだ若かりし頃の夏のキャンプ、それと3~4年前の白砂山に登った時以来である。今日は富士見峠から八間山へ登り、そこからキャンプ場へ降りてエビ山経由の周回コースを考えている。しかし、白砂山はまったく考えていないが、途中の堂岩山までならその気はあった。とりあえず、状況に応じて八間山山頂へたどり着いた時点でどうするか考えたい。
途中、国道145号線の一部はダム建設に伴い八ッ場バイパスとして完成していた。その八ッ場ダムの道の駅に立ち寄る。勿論、夜明け間もない時間帯である。まだ建築されたばかりの真新しい建物でトイレも綺麗そのもの。ここで朝食を食べた。当然、お店も食堂も開店していない。コンビニで買ったおにぎり、それに家から持ってきたリンゴを頬張る。毎朝、大盛りご飯を食べる習慣になっているので、コンビニの小さな塩むすびでは物足りない。落ち着いて白いご飯を食べたいが、出掛けるとなかなかそうはいかない。食欲も半減してしまう。ここから更に六合村へ入り、桜が見頃を向かえている日本で最も美しい村、赤岩集落を素通りした。


<湖畔の赤い屋根>
車で標高を稼ぎ、富士見峠に着く。ここまで道路にはほとんど雪はなかった。車は1台も停まっていない、誰もいない。ハイキング、釣りをされる方は第一駐車場へと注意書きがされているが、その駐車場は除雪されていなかった。思った以上に雪は少な目である。軽アイゼンでも良かったが、一応12本をザックへ入れた。やや冷たい風がある。合羽を羽織り歩き出したが、直ぐ脱ぎ捨てた。それでも調子が上がらない。足取りは重く、腰砕けになってしまう。慌てて、おにぎり一つ、パン一つ食べた。これで準備万端、お腹も満タンだ。


<八間山の肩へ>
山道はこの斜面の右寄りにあるが、ここは一直線に直登する。考えてみればここが一番楽しかったように思える。まだ雪は適度に締まっているのでアイゼンの喰い付きが良く、後ろを振り返りながら登れた。風もなく、静かで、鳥の声を聞きながら進む。


<横手山(八間山の肩から)>


<八間山の山頂>
イカ岩ノ頭から広い雪面を登って来たが、やはりすんなりと山頂ではなかった。まだ雪深く、雪庇もどきの雪壁が張り出している。所々、融雪も進んでいるので、踏み抜く場所もあり、気が抜けない。それに一番気を使ったのが亀裂だ。見えるクラックならまだ注意のしがいもあるが、隠れた亀裂はどうしようもない。しかし、転落しても地形的に危険な場所もなさそうなので、そう神経をとがらせる必要もないが、用心に越したことはない。八間山の山頂で充分展望を楽しみ、キャンプ場方向へ降った。すると樹林帯はまだ道がはっきりせず、倒木もあり荒れた感じだった。一瞬、方向を失い、踏み抜く有り様だ。これでは野反湖周回も思いやれると察し、戻ることにした。そして、稜線歩きに切り替える。行けるところまで、ぶらぶらしながら行けばいい。まだ時間もたっぷりある。焦る必要もなく、ただただのんびりと堂岩山への稜線を進んだ。



<白砂山への稜線>



<野反湖>


<烏帽子岳>



<ぶらぶら稜線歩き>
気温も上がってくる。半袖のTシャツ一枚になり、降ったり、登ったり。ウグイスだろうか、鳥の声が一層春を感じさせてくれる。そんな中、足元には握り拳大の手形の跡を見つけた。しばらくは何だろうと不思議に思ったが、良く見れば熊の足跡だった。まだ新しく、クッキリとその容が残されていた。ここを横切り、谷間へ降りて行ったようだった。そんなこともあり、熊除けの鈴をもう一つザックへくくり付ける。




<黒渋ノ頭>
それなりの場所まで来たらしい。まだまだ先はあるが、いい加減でザックを下ろして休憩したい。このちょい先が展望良さそうな感じなので、そこまで行ってみよう。深入り注意、欲張らず、程々に。身の程知らずにならないよう、心にブレーキを掛けながら進む。



<堂岩山>


<白砂山>




<残雪の山を眺めながらおにぎり>
ここはいい感じで白砂山が眺望できる場所だ。いったんぐっと下がって登り上げれば堂岩山らしい。見れば見るほど遠く感じる。まだ昼には早いがこの展望の良い場所で昼食にし、ここから引き返そう。そう決めて、レジャーシートを広げ、どっしりと腰を下ろした。






<八間山へ戻って>
黒渋ノ頭から戻って来た。途中の熊の足跡は既に解けて、はっきりした容になっていなかった。雪の中に黒い物を見つければ熊ではないかと目を細くする。そんな事を考えながら戻った。山頂の足跡から他にも登山者がいたらしい。ここから戻った形跡がある。もう少し、雪が多いかと想像していたが、アイゼンはここで脱ぐ。そして、下りは足を滑らせ、遊び遊び下山するつもりだ。






<富士見峠から>
結局、八間山山頂までという地元の方、一人に出会っただけだった。それも、とうに昼を過ぎた時間だった。周辺の山は霞んで遠望できなかったが、その方から眺められる峰々を教えて頂いた。それによれば、富士山はもちろん、浅間山をはじめ、北アも眺められるという。そんな山談義もつかの間、富士見峠で残雪の野反湖の風景を脳裏に焼き付け、早々に帰路につく。


4 コメント

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野反湖 (たそがれオヤジ)
2014-04-29 07:50:31
こんにちは。
写真を見た瞬間、あっ、いいなぁと思ったのが正直な気分。
この時期、白砂山方面に目は向けませんね。少なくとも自分は。
ハイカーもあまり入らず、さぞ、ご満足の山行だったかと。
しかし、白砂方面、まだまだ残雪が豊富ですね。
行きたくなりましたよ。と言っても、カレンダー通りの休日だし、行きたい行きたいと思っているうちに連休はおしまいといったパターンでしょうね。
鳴神山あたりに行って、損した気分ですよ。
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たそがれさん (あんぱん)
2014-04-30 05:25:20
おはようございます、たそがれさん。
いつもコメント、ありがとうございます。野反湖はたまたま思いついただけでしたが、やはり遠く感じられました。ここは下道が長いですね。それよりも、鳴神山の縦走、お疲れ様でした。花がかなりたくさん咲いているのでびっくりです。私も、このGWは予定がまっくなく、草むしりと衣替え、それにちょびっと野菜などを植えて、と考えているしだいです。遠出したいけど、今年も近場でおしまいですね。
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Unknown (風花爺さん)
2014-05-01 12:01:54
無尽蔵では時間とお金をいかに上手に使うかという観点から、行く山の選択はなかなか悩ましいです。
その点であんぱんさんの選択にはいつも感心させられます。
今回も”ウーンそうか!その手があったな・・・”と唸ってしまいました。
野反湖周辺は無雪期なら平凡ですが、残雪期は意外に盲点でした。
私の山荘からはこのエリアは比較的アクセスがいいのです。
やたらにマニアックではなく、かといってポピュラーに振れ過ぎない、そんなあんぱんさんの山選びにはこれからも注目しています。
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風花爺さん (あんぱん)
2014-05-01 18:30:04
いつもありがとうございます。
確かに山の選択はいつも悩まされてます。天気、体調、歩きたい距離、見たい風景、合いたい花。目的はいろいろありますが、悩めば悩むほどいつも決まりません。でも、えぃやぁ~、で行ってしまう場合が多いです。それに、車を使えない時もあるので、なかなか自由にはなりません。お金のこともありますし。風花爺さんは『山荘』をお持ちなのですか。羨ましい限りです。もしかして、山荘のオーナー。
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