ヤマヒデの沖縄便りⅣ 歩き続けて 歩き続ける 再び

「基地の島」沖縄を歩き続け34年、気ままに綴ります。自然観察大好き。琉球諸島を戦場に据える「島嶼防衛」は愚の骨頂。
 

NHKは何故デマ報道を流すのか?!(20220130)

2022年01月30日 | 文化の目

 あのNHKが昨年12月26日、BS1「河瀬直美が見つめた東京五輪」を流したそうだ。私はテレビを持たないので、見ていないが、そこで五輪反対デモに「お金をもらって動員されている」との字幕が付いたテロップが流された。この問題が出て以来、色々とネット上で取り沙汰されている。私は沖縄から遠く隔てた地での事だと傍観するつもりでいた。しかしよくよく考えたら、相手は天下の『公共放送』NHKだ。これを見逃してはなるまい。

 余談ではあるが、私は1964年の東京オリンピック、1972年の札幌オリンピックの総括的な映画を2本とも見ている。特に問題意識があったわけではなく、「見ておこう」ぐらいの軽い意識だったと思う。特に後者は、国威発揚映画とは思えない印象だった。大会と大会周辺でのことをおもしろおかしく描いていた記憶。

 しかし河瀬さんは熱烈なオリンピック教徒らしい。NHKから声がかかるのは必然だったのだろう。選手が一生懸命なのはいいとしても(私は興味をもたないが)、まとめて国として礼賛するあり方だとすれば、全く違う意味をもつ。「日本素晴らしい!チャ・チャ・チャ!」となっていく。

 その対局にオリンピック批判の運動が起きたことをNHKも河瀬さんもなかったことにしたいのだろうか。さもなければ、何の関係もない男を映し出し(ぼかしを入れ)、テロップに「お金をもらって動員されている」などと出すだろうか? これは「チェックの不備」の問題ではあるまい。反五輪排撃キャンペーンだろう。オリンピック反対デモが連日起きたことは否めないNHKは、何故反対の声が起きたのか、これを検証することもなく、「お金をもらっての行為だ」と反対の声を貶めたのだ。

 ここまでくると、天下のNHKは「公共放送」からおりていただくしかないだろう。公共放送だから受信料を払うのは、国民皆の義務であるかの対応を即刻やめるべきだ。

 思えば、沖縄の反基地運動が、極めて否定的に取り上げられたことがある。東京MXテレビが流した『ニュース女子』だ。2017年初頭のことだった。「お金をもらった反対運動」「テロリスト」などと。事実を掘り下げるジャーナリズムとは対局の一方的な宣伝。私の脳裏には以下のことが焼き付いている。二見入り口から大浦湾に向かう「トンネルを越えると、危険地帯だ」とか、言っていたことは忘れようもない。大浦湾から高江まで約40km、車でも約1時間かかる。その間にいくつの集落があると思っているのか。基本的認識さえ欠き、デマを振りまくことが、どれほどの害悪をまき散らすことか。無知は恐ろしい。

 NHKが今回やっとことは、これと50歩100歩だろう。何故反対するのかを見極めず、封印し、予断と偏見を煽るからだ。もう「ジャーナリズムの劣化」などの言葉では表現できないレベルに突入している。私が予見し、恐れていることは、あの戦争を煽った天下国家放送が目の前に現れてくるだろうとの予感だ。侵略戦争を「大東亜戦争」などと胸を張って若者たちを死地に送り込んだ戦争。植民地にした人々への、侵略先での極悪非道の数々。沖縄戦、原爆戦争ヒロシマ・ナガサキへの無責任。あげればきりがない。

 こうした流れを止めるのは今しかない。私たちは諦めるわけにいかない。私たちは生きていく。



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