9月30日、フジテレビ開局55周年特別番組『SMAP GO!GO!』内で放送された『古畑任三郎 VS SMAP その後』。その舞台裏を、演出・脚本を担当した三谷幸喜が、10日付の朝日新聞夕刊の連載「三谷幸喜のありふれた生活」で明かしている。1999年に放送された作品の14年ぶりの続編となったが、古畑こと田村正和の復活に期待したファンからは、不満の声が噴出していた。
前作はSMAPメンバーをSMAP自らが演じ、殺人犯として刑務所に収監されてしまうという結末だった。今回はその続編とあって、主演の田村正和の登場に期待が集まっていたが、SMAPメンバー以外にはマネジャー役の戸田恵子が出演したのみ。放送終了直後からTwitter上で「視聴率稼ぎのための釣りでしかなかった」「あんなにCMで煽ってたくせに、古畑詐欺じゃん!」「しかも約5分間しかやらないなんて」などと批判が巻き起こる事態に。
「というのも、本作の情報が解禁された当日、一部ニュースサイトが『田村も出演する』と報道してしまったんです。すぐにその部分は削除されましたが、当日の放送まで田村が登場すると思い込んでいた視聴者も多かったはず。フジの番宣などを見ても、明らかに古畑の登場を期待させるものだっただけに、激怒する古畑ファンは多かったことでしょう」(芸能ライター)
こうした事情もあって「出る出る詐欺」とまで言われてしまったわけだが、この「続編」という釣り文句は三谷にとっても抵抗があったようだ。朝日新聞夕刊の連載に、「『古畑任三郎 VS SMAP』の続編であっても、古畑任三郎が出ない以上、シリーズの新作とするのは妙である」とつづり、「古畑の生みの親として、それはやめて欲しいとプロデューサーにお願いしたが、結局、押し切られた」と、自身も不満を抱いていたことを吐露している。
さらに本番の前日には「木村さんも、このドラマが古畑シリーズの新作として宣伝されていることに違和感があったようだ。少しでもそれが解消出来るようにと、彼はアイデアを出してくれた」として、ラストシーンで古畑の話が出てくる流れを、木村拓哉が三谷に提案したことも明かしている。
今回の古畑が予想外の批判を浴びることとなってしまった“戦犯”は、確実にフジだったということだろう。昨年には、日本テレビ系のバラエティ番組が、過剰な煽りや演出を行ったため、BPO(放送倫理・番組向上機構)が「過剰な演出で視聴者をあざむくなど、放送倫理に反した」という意見書を公表する騒動があった。古畑ファンや視聴者のためにも、フジは今回のような“釣り”を控えてほしいものだ。
※引用しました。
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