引退会見

今季限りで現役を引退するヤクルト・藤本敦士内野手(35)が９日、都内の球団事務所で引退会見を行った。

　黒のスーツに赤いネクタイ姿で会見場に現れた藤本は、「私、藤本敦士は、現役を引退することを決意しました」と切り出すと、「いざ引退という言葉を口にすると、いろいろな思いがこみ上げてくる。決断したときはホッとしたというか、肩の荷が下りたという気持ちだったけど、寂しい部分が出てきた」と、涙こそ見せなかったものの、神妙な面持ちになった。

　00年ドラフトで阪神入団。03、05年のリーグ優勝に貢献した。09年オフにＦＡでヤクルト移籍。ヤクルトでは11年のＣＳなどで勝負強い打撃が光ったが、持病の腰痛に悩まされ、今季は１軍出場がなかった。

　13年間の現役生活を振り返り、「今年で36歳になりますが、ここまでできると思っていなかった。５年、10年という単位ではなく、１年１年、がむしゃらにやってきた。気がついたら13年間が経っていた。ここまでできたのは満足」と話した。

　今でも虎党に愛されている藤本。阪神ファンに向けコメントを求められると、「阪神にいた９年間、大勢のお客さんの前でプレーできた。温かい声援もあり、厳しい声もあり、そういう中で僕は成長できた」と感謝の言葉を口にした。
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