「選抜高校野球・1回戦、東海大相模3-1東海大甲府」(20日、甲子園球場)センバツ史上初の「東海大」対決は延長十一回、東海大相模が2点を勝ち越して熱戦に終止符を打った。昨秋の関東大会準々決勝では、サヨナラで4強に進出した甲府だったが、接戦で3つの「まさか」が勝敗を分けた。試合開始前、相模のスタメン表を見た村中秀人監督は、驚きを隠さなかったという。相模の門馬敬治監督は、先発投手をエース・石田隼都投手(3年)ではなく、昨秋の県大会でもメンバー外だった石川永稀投手(3年)を起用。右腕は期待に応え、八回まで1失点の力投した。村中監督が振り返る。「門馬監督ならやりかねないとは思った。ただ普通はね…。秋も石田君には抑えられていて、初戦でまさか他の投手でくるかなと予想はしなかった。私も選手も石田君の先発を考えていた。ほとんどデータがなかった」抽選で対戦相手が決まってからは、徹底的に左腕・石田攻略を練ってきた。それだけに右腕の先発に戸惑いは生じた。1つ目のまさかで意表を突かれると、試合は予想通りの投手戦となった。「ウチのバッテリーを信じていたのでね。試合に入って、どういう形で崩していこうかと考えていた」。そんな中、七回に2つ目のまさかが起きた。2死二、三塁のピンチで、綛田小瑛内野手の打席。1ボール2ストライクからの5球目、外角に外した直球を、三浦諒太捕手(3年)が痛恨のパスボール。投手戦が続く中で痛恨の1点を失った。指揮官は「あそこだけ隙が出てしまった。勘で捕りにいってしまったんでしょう」と振り返り、さらに悔やんだのが続く八回の攻撃だった。1死二、三塁の好機で、4番の久井竣也内野手が三遊間を破った。三走が悠々と生還すると二走も本塁を狙ったが、左翼手の好返球で勝ち越し機を逃した。ここが3つ目のまさかだった。「あそこで走者を回してしまった。試合前のノックから、相手の肩がどうなのかとか、しっかり判断できていれば、十分に止められた。ほんのちょっと隙が勝敗を分けたのかなと思いますね」甲府にとっては31年ぶりのセンバツ勝利を目指した東海大対決。村中監督は「本当なら完封できた試合。2-0の試合と考えました」と悔やんだ。その上で「いろんな体験をさせていただいた。また持ち帰ってじっくりと考えたいと思います」と、夏のリベンジを胸に秘めて聖地を後にした。※引用しました!