私が初めて アンティークらしいアンティークを買い求めたのは、それはそれは美しい螺鈿の細工を施した古い
テーブルでした。。。床に座って使うのにちょうど良いくらいで、ラップトップとティーセットが乗るくらいのこじんまりと
したそのテーブルを使う自分の姿が想像出来たのですぐに購入を決めました。。。
品物の割に値段もリーズナブルで、家に帰ってそのテーブルの一本の脚が折れていて補強してあるのを見つける
までは、とても幸せな気分で過ごしていたのです。。。
最初は、自分でどうにかして、その一本の脚を取り変えられないかと調べてみましたが、やっぱりだめでした。。。
そのテーブルを持って買ったショップへ伝えに行くと、「アンティークのセールはファイナル」、返品は一切不可能
と告げられました。。。ちゃんと見ない方が悪い という言い方に、ちゃんと伝えない方が悪い と思ったものでした。。。
私はその時、店先で壊れたテーブルを抱えてしくしくと泣きました。。。
例えば「それは 修理に出したもので、だからとてもお買い得なんです」と伝えられていれば、納得して買ったかも
しれません。。。あんな美しい螺鈿の装飾は今まで見たことがありませんでした。。。でも あんな事件が起こった
後では、そのテーブルを直視することが出来なくなっていました。。。
可哀そうに、その美しいテーブルは何年かガレージに置かれ、結局 その後の引っ越し先へと運ばれることは
ありませんでした。。。テーブルに罪がないことは頭では分かっていても、どうしてもその時のことをテーブルを見る
度に思いだしたからです。。。
ものと心は繋がっています。。。 時々 ふとあのテーブルのことを考えるのです。。。
いつか、あの罪のないテーブルに「こんなお宝が 貸家のガレージに置いてあるじゃないか!」と喜ぶ救世主が
現れることを。。。 今の私だったら? きっと脚4本を全部取って 壁掛けにして毎日眺めていたでしょう!(笑)
【写真: 1890年製造 イギリス製 ロイヤルクラウンダービー ティーセット
<このお品を見る> 】
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※こういうことが自分の身の上にも起こりましたので、なるべくご購入前に正確に 商品の特徴をお伝えするべきと
思って日頃から仕事をしております。。。ご購入希望の商品のコンディションに付きましては、お気軽にお問い合わせ
下さいませ! 店主