ある日、パーソナルショッパーの私の元へこんな依頼がありました。。。
お孫さんが語学留学で異国に行ってしまわれ淋しくなったので異国情緒溢れる青い目の可愛いお人形さんを
探して欲しい・・・とのことでした。
お人形を手元に置いてお孫さんの海外での活躍をお祈りしたいとのこと。。。
さて、青い目のお人形と聞いたら私は真っ先にアンティークのビスク・ドール(bisque doll)を思い浮かべました。
フランス製やドイツ製の頭が陶磁器で作られているもので、ビスクという言葉には「二度焼く」という意味があります。
まぶたも人形を寝かせると閉じたりするものが多く、19世紀にヨーロッパのブルジョア階級の貴婦人や令嬢たち
の間で流行した人形で1840年代あたりからドイツで作られていたものです。
ご予算からフランス製のブリュやジュモートリステは無理でも、ドイツ製のアーモンドマルセルやケストナーなら
大丈夫そうでしたので、ドイツ製を探すことにしました。
さて、人形を扱うディーラーを訪問した私は、その建物に入るや否やとても不思議な感覚におそわれました。
気持ち悪い!と言ってしまえばそれまでですが(笑)、100体はあったであろう その顔のそれぞれの表情、ほとんど
は人毛であろう髪の色つやの違いや巻き具合・・・、そして100年以上の間 誰かに可愛がられて捨てられることなく
生き残ったそのラッキーな人形たちの姿にすっかり魅せられてしまったのです。。。
中には修理が必要なものもありましたが、ほとんどは手足もきちんと動く、美しい人形ばかりでした。
他人の目を気にして「こんな物をコレクションしたらどう思われるかしら・・・」と思うものの一つにお人形が挙がる
ことがありますが、私はその時「自分もこういうものが意外と好きだったのだな・・・」と気が付きました。。。
そのうち我が家にもこんな人形が増えていくのかもしれません。。。(笑)。。。