NPOワークスみらい高知PRESS

「NPOワークスみらい高知」の日々の活動のほか独自の視点で障害のある人を取り巻くことについて伝えていきます。

そんなに心痛めるのなら

2006-04-27 00:26:29 | Weblog
常々、福祉というのは当事者のためのものでなくて、従事者のものだと感じてきた。工賃と呼ばれるものが数千円から1万円である一方、その当事者が福祉施設を利用することでもたらされる報酬によって、従事者には月給はもちろんボーナスも年2回支給される。昨今、格差社会の広がりが言われるが、この最たる格差社会は今に始まったものではない。ある施設では、こんなこともあった。時間内に当事者が行った軽作業は時給50円程度であるのに対し、納期が迫っているということで、定時を超え、従事者が同じ作業を行ったところ、その残業手当は時間当たり1,300円となった。その作業効率は1:2であったかもしれないが、決して1:26ではない。
「1割負担では当事者がかわいそう」と言うなら「福祉は当事者のためのものである」と言うなら、自らの報酬を削って当事者に振り分け、対等に近づくよう報酬と工賃の体系を再構築すればいいのではないだろうか。(公費の支援報酬は、当事者に振り分けてはいけないといった決まりがあるのかもしれないが)さらには、当事者が施設を利用することで得られている報酬に見合う、商品開発や営業努力、一般就労実現への効果的プログラムの開発など、制度を恨むより取り組むべきことがたくさんあるはずだ。


動き始めます

2006-04-25 00:42:20 | Weblog
テレワークセンターの設置・稼動に向け、いよいよ動きが具体化し始めます。今週水曜日、第1回目の事業推進委員会の開催です。うれしいことに、もうすでに設置を見越して業務発注の打診もいただいています。予定では、6月中旬に「在宅就労セミナー」を開催。7月より「サポーター養成研修」。8月より機器設置を行い、10月から、OJTを開始としています。なお、参加希望の障害当事者の中には基礎的能力のある方も数名いることから、来月からでも実際の業務を援助付きで遂行してもらうことを予定しています。
就労支援としてのm's kitchen、生活支援としてのグループホーム「みらい」、そして就労支援プロジェクト第2弾「テレーワークセンター」。さらにこの先控える第3弾、第4弾に向け、ますます熱くなっていこうと思っています。

日々刻々の街並みの変化

2006-04-21 01:09:07 | Weblog
百石町の街並みの変化は、日々刻々です。更地には住宅が次々と建ち始め、思わぬところに道路が抜けようとしたり・・・。m's kitchenの隣の県有地には、女性相談所の建設も決まりました。まだまだたくさんの時間を費やしてこの街が変化していくことでしょう。その過程を見続けながら、障害のある人の自立生活が自然な風景となるよう支援していくことができればと思っています。

自立支援の前に自立する

2006-04-20 00:14:47 | Weblog
m's kitchenは、新規のお弁当配達と、ケーキの大量注文であわただしい一日。「福祉」のにおいをさせないごく普通の企業努力で少しずつ経営が安定してきました。目標だった「自立支援の前に自立する」が目の前です。現在、障害の有無なく支払われる人件費から単純に計算すると、自立支援法を活用し、障害者10人を雇用すると約80,000円を給料として渡すことができます。目標はこの数字を100,000円まで持っていくこと。今後予定されている様々な事業での「就労移行支援」や「就労継続支援」。そのいずれに関わらず、最低賃金の保障によるサービス提供。そのことを実現するための努力は惜しみません。

7,360円と736円と10,000円(その1)

2006-04-13 23:46:36 | Weblog
タイトルの数字がお分かりだろうか?これは、自立支援法下での事業者報酬と利用者負担、そして工賃と呼ばれる利用者の得る対価の平均的な数字だ。応能負担の旧法下では、ほとんどの利用者に自己負担は生じなかったため、信じられない低賃金であっても「行く場所があるだけでも」とサービスを利用してきた。ところが、新法下では、多くの利用者に自己負担分1割が生じるため、就労移行支援サービスを利用した場合、事業所に支払われる報酬の1割736円を利用日毎に負担することになる。つまり、これまで通り月20日通所し、作業をすると14,720円を負担しなければならなくなる。得られる対価としての工賃がこれまで通り、10,000円だとすると手元に残らないどころか、マイナスにさえなるという仕組みだ。就労移行支援事業ではなく就労継続事業の場合、この報酬単価は4,600円であり、その自己負担は460円となるのだが、こちらにしてもやはり「割に合わない」通所ということになる。故に新法は悪法だと当事者が声を上げるのだが、その当事者以上に危機感を募らせているのが事業者側だ。「利用者に冷たい、厳しい」は正当な理由ではあるが、本音は「この仕組みでは利用者がいなくなり経営が成り立たない」だ。特に新法では、月払い方式が日払い方式に改められるため、これまでは月に何日お休みいただいたとしても、報酬に影響なかったものが、自己負担を理由に利用控えなどが生じると、報酬減に直結し、たちまち運営難に陥ることが予想される。皮肉なことに定員を超えて利用者を受け容れることが許されなかった制度が、一定範囲内で定員を超えて利用者を受け容れてもいい(報酬もその分増える)ことに規制緩和されるというのに、それどころではないという状況であろう。
お金は本当にシビアな現実を突きつける。そして、今まで隠されていた、触れられなかった不合理や矛盾をわかりやすく浮き彫りにする。私はこのことだけでもこの支援法の意義は大きいと思う。船出の評価は99%が×だが、ここで浮かび上がってきた「福祉の矛盾」に正面から向き合った時、本当の自立支援が生まれるのだと思う。そして、事業者側が実は人を支援するに足る自立ができていなかったことに気づかなければならないのだと思っている。そして、そのことに気づき改めた者だけが残っていくのだと確信している。注)報酬単価は確定のものではない
(続く)

自立支援法報酬単価示される

2006-04-10 00:15:47 | Weblog
いくら勉強しても制度的にまだまだよくわからない自立支援法。つい先日報酬単価の案が示されました。首をかしげる単価設定や要件もありますが、おもしろいなと感じるのが、利用者向けに「工賃」の実績や目標を公表する義務が付け加えられていること。作業内容もさることながら、とてもわかりやすい事業所選択基準になることだと思います。この「工賃」と「利用者負担」の関連で、ほとんどの施設が、頭を悩ませ、「自立支援法はやはり悪法だ」と反対運動も再燃しようとしているようです。この部分についてはあらためて私見を述べたいと思いますが、一言お伝えするなら『「福祉でやってますから」なんて甘えは通用しません。』ということです。

新卒者採用

2006-04-07 23:44:18 | Weblog
4月より支援スタッフとして、20歳女性を採用しました。とはいえ、レジに悪戦苦闘したり、数組のお客さんにパニックになったりとまだまだ支援には程遠い状態です(笑)。それでも早く仕事を覚えようと遅くまでがんばっています。お店に来ることがあったら、どうか励ましの言葉をかけてあげてください。まだまだ緊張した顔ですのですぐにこのコだとわかるはずです(笑)。

新規事業に助成金

2006-04-04 00:30:07 | Weblog
在宅ワーカー養成、ケーキ移動販売、余暇活動支援と新年度の事業に助成金が相次いで決定しました。m's kitchenには今月から支援スタッフを新たに採用し、運営体制が確立されつつあります。店の運営が中心となっている今の業務から新規事業開始に向け少しずつ時間をシフトして行きたいと考えています。助成金事業以外にも、製造事業などプロジェクトが目白押しです。m's kitchen同様、一つ一つを自立した事業に育てた上で、自立支援法をフルに活用すること。これが今年度事業の目標です。さぁ、前へ前へ。