NPOワークスみらい高知PRESS

「NPOワークスみらい高知」の日々の活動のほか独自の視点で障害のある人を取り巻くことについて伝えていきます。

提携に向け具体化作業

2006-05-31 23:37:40 | Weblog
先日お伝えしたある法人との提携の話ですが、先方の法人の理事会で方向性が承認されました。当法人の承認が確認された段階で、本格的に動き出しますが、担当者レベルでは事業計画と契約書の内容などの草案を作成しています。
それにしても、この提携話、よく先方の法人で承認されたものだと思います。組織規模で言うと1:1000くらいの零細と大企業です。通常なら(これまでの法制下では)ありえない事業体となります。事業計画案では、所有する敷地内の既存建物を活用しての居住支援のほか、製造などの事業新設による就労支援、さらには、相談支援機能の設置などについてすべて当法人名で行うことを予定しています。
また、企業グループとの提携においても、予定しているすべての製造作業を包含できるまとまった規模の工場新築計画も出てくるなど、かなり活発化してきています。個人的には、大規模施設での作業よりも、小さい単位で地域に溶け込みながら働くスタイルが望ましいと考えているのですが、効率という点では申し分なく、明日予定されている現地確認を踏まえ、慎重に検討したいと考えています。
この二つの動きをつなぎ合わせ、今までにない障害者支援を実現させようと夢を描いています。気が付いたらほんとに夢だったでは、何の価値もありません。現実にしていくために、がむしゃらにがんばる。ただそれだけです。

レポートテーマ

2006-05-30 00:16:22 | Weblog
非常勤講師を務める専門学校での今日のレポートテーマは、「障害者福祉に対するイメージ」と「私が理想とする障害者福祉」。慈善路線の傾向を予想していましたが、「今の障害者福祉は、障害者を枠の中に押し込めている」と手厳しく「障害者をかわいそうにしているのは支援者」、「弱者の足枷をはめることなく、環境を整え、本人の可能性を引き出すこと」、「障害者自身も積極性を持つべき」といった意見が多く、驚きました。ちなみに冒頭「今年4月から始まった新しい障害者福祉の法律は?」に答えることができたのは、80名中2名のみ。自立支援法の知識もないのに、こうした新しい視点が学生の中にあることに希望を感じました。
ところで、私は「先生」という立場で単位を受け持っていますが、ほとんどというか意識して何も教えていません。学生からは、「先生は何にも教えてくれない。教えるのが仕事じゃないの」と笑って突っ込まれますが、すかさず「教えるのが先生の仕事ではない。考えさせるのが仕事だ」と返しています。
教えられたら、それが答えだと、それまでと同じ繰り返しを続けます。考えることで、今ある姿に疑問を抱き、新しい文化が生まれるのだと思っています。こうした若い感性から新たな福祉が創造され、今の私自身の福祉観さえ否定する時が来ることを期待しています。その時代のありようを否定しながら次代が創られる。進化することを恐れてはいけません。

4,060,760円

2006-05-29 00:59:08 | Weblog
何の数字かわかりますか?20名定員の授産施設(知的障害対象)に対する一ヶ月の報酬の平均額です。4,060,760円×12ヶ月で48,729,120円。なんと、年間5,000万円近くが20名の支援に費やされているのです。自立支援法の活用に向け、情報収集していると、開いた口がふさがらない事実に出会うことが少なくありません。それでいて、その利用者の収入が一ヶ月10,000円に満たないと言うのですから、いっそのこと、まるごと年金として支給したほうがずっとマシなのではと思ってしまいます。一旦20名の利用者を得れば、未来永劫(に近い状態で)収入を得られるわけですから、こんなおいしい話はありません。
とかく一割の自己負担が問題視される自立支援法ですが、そのサービスの費用対効果をしっかり精査することが今まさに求められているのではないでしょうか。自立支援法下の報酬単価が低すぎると怒りの声が上がっているようですが、私はその額でも十分すぎる(半額でも結構※ただし、報酬の使途に縛りを加えないこと)と思っています。その理由はなにより、自立支援法を活用する前に自立しようと、毎日一生懸命商売に汗を流しているからです。障害のある人を支援するために、まずは「鬼」になる。自立支援法という「金棒」を手にした時、その支援はまさしく「怖いもの知らずになる」と思っています。

定番のシナリオ

2006-05-25 01:00:22 | Weblog
自立支援法を取り巻く県内の障害者事情を取材した夕方のニュース番組。観てはいないが「工賃から自己負担を引くと手元には何も残らない」ゆえに「自立支援法は弱者に冷たい」の定番コースだったと聞いた。自己負担が問題なのではなくて、たった数千円払ったら何も残らないその収入にこそ問題があったのだというごく普通の見方はできないのだろうか。
端から悪法と決め付けて先入観ガチガチで、定番のシナリオを描く浅薄に陥らず、
この新しい法律をきっかけに、あらためて「障害のある人の置かれている、その社会とあまりにも隔絶した生活を取材し、新しい福祉のあり方を考える」そんな見応えのある番組を今の時代に求めるのはとても困難なことのようだ。だからこそ、その法律の成果として、障害のある人の生活が一歩も二歩も前進したという実績を生み出すことが大切なのだと思う。2年後くらいにきっとそうした骨のある取材が行われることを信じている。

「福祉的」なみなさまへ

2006-05-22 00:03:35 | Weblog
商売に対して関わりを持ってくる福祉関係の方々に、呆れることは少なくない。先日、「売価」150円の焼き菓子を売り込みに来た施設に「納価はいくらか?」と訊くと「150円です」と答えた。福祉でやっているから置かせてくださいということなのだろうか。野菜を売り込みに来た施設に、「買うから毎日これだけの納品を」と注文を出すと「そんなには作れません」と言った。
コスト意識も、販売戦略も何もあったものではない。趣味のお菓子づくりや家庭菜園に付き合っている暇はない。障害のある人が人並みの暮らしをしていくための支援が、経営が、そこ(施設)にあるとは到底思えない。
一般社会のあり方に遠い「福祉的」な方々はやはりどこまで行っても「福祉的」だ。相手の求めることではなく、自分達に都合のいい事を押し付けようとする。
ノーマライゼーションを「かわいそうな人たちに特別な理解のある姿」だと思ってはいないか?再考を促したい。

幾度となく口にした言葉だけど

2006-05-17 00:52:14 | Weblog
数限りなく抽象的に必要性を説き、何度も具体化を試みた「連携」ですが、それぞれの立場や事情、遠慮、食い違いなどさまざまが重なって、成功と呼べるものはほとんどありませんでした。かくしてとても難しい「連携」ですが、自立支援法を機会と捉え、よりよい支援を実現するためにそれぞれの得意分野を活かして手を組もうと担当者レベルで話し合い、あたためてきた私案を、今日先方の組織の長の方々にお会いし、お伝えしました。組織の会議で方向性が了承されれば、プランがプロジェクトへと変わります。絵に描いた餅に終わった様々な連携話が、今度こそ1+1=100にもなるのではと胸躍らせています。その「連携」実現のために重要なことは、既存の枠組みに囚われた組織同士の綱引きではなく、新しい価値の創造を目指すことだと考えています。うちの利用者、うちの・・・ではなく、マクロな視点で新しいサービスを作り出して行こうとする視点がとても重要です。

第三者評価の書面調査

2006-05-16 00:00:10 | Weblog
申し出により福祉事業所を評価し審査する「福祉サービス第三者評価」が始まっています(高知県社会福祉協議会)。今日はその評価調査者として、ある事業所の書面調査会議に出席しました。6月初旬には当該事業所を訪問し、聞き取り調査をほぼ一日かけて行います。各項目に渡って細かい評価規定があり、高評価を得ることは困難ですが、今後、ますます障害者福祉サービスにおいてもこうした外部評価に基づく事業所選択が行われることと思われます。利用者を選ぶ時代から選ばれる時代へ。ようやく福祉がそのあたりまえに近づこうとしています。自立支援法下での新たな事業体系においても、その理念や具体策が客観的に評価、公開となっていけば、旧来のマンネリ施設が淘汰されていくことは必至です。

とても気に入った

2006-05-11 23:57:06 | Weblog
今日、事業パートナーとテナント物件を2つ見学。最初の物件は、格安家賃ですが、周辺環境に問題ありということで見送り。次の物件は、正面にスーパーマーケットがある人通りの多い路面店で、なおかつ駐車場も多く、○○作業や○○製造、もしくは○○製造、さらには店舗として運営が十分可能でとても気に入りました。問題は家賃ですが、交渉結果によっては、事業パートナーともども、拠点として入居することになりそうです。先日お伝えした物件での○○製造と今日の物件での作業と製造、さらには販売と、とんとん拍子で進めばと、いえ、進むようにがんばります。

知らなかったでしょうが

2006-05-11 00:21:17 | Weblog
相変わらず自立支援法に対する評価は厳しい。どの新聞の社説も「福祉の後退」という展開に変わりはない。そのほとんどが、1割の自己負担を問題視するもので、ある調査を引用し、「そのことによって、授産施設への通所を断念した者が、全国で135名出た」と悲観的に状況説明している。
だが、これによってようやくある事実に気が付いた障害当事者、家族も出てきているのではないかと思う。実は、あなたが通所することで、毎日その施設には5,000円~10,000円というお金が振り込まれていたことを。このことによって、利用者という立場ではなく、消費者としての立場を認識することにつながるのではないかと大いに期待している。これだけの費用を税金と自身の財布から負担するからには、それ相応の仕事の供給、就労への支援を求めてしかるべきだと。
お世話になっているからと低姿勢で低工賃に甘んじることなく、堂々と必要な支援を求めていくべきだと思う。苦情の先を施策にではなくサービスに求めてみることが、この先をよりよいものにしていくために不可欠だと思っている。

知らなかったでしょうが、施設はあなたがいることで成り立っています。だとすると、あなたがこうしたい、こうなってほしいということをきちんと要求することは至極当然のことなのです。それがたった1割の自己負担で手に入るのならとてもお買い得なことだと思うのです。

グループホーム世話人に応募多数

2006-05-09 23:46:25 | Weblog
求人を出しているグループホーム世話人に応募が多数ありました。中には、聴覚に障害のある方の応募もあり、その業務遂行力を入念に審査したいと思っています。応募状況によっては、筆記や小論文といった採用試験の実施も考えています。世話人という職種は、やはりそれだけの責任を負うものですので、採用については慎重に判断したいと思います。