NPOワークスみらい高知PRESS

「NPOワークスみらい高知」の日々の活動のほか独自の視点で障害のある人を取り巻くことについて伝えていきます。

社会参加と社会活動

2007-08-24 11:11:41 | Weblog
みらいフォーラムの趣旨の中、「社会参加を社会活動に」という下りに対し、ご質問をいただきました。「どう違うのか?」と。私はこう思っています。この世に生まれた時点で、人はみな社会参加が始まります。ただ、障害のある人の場合、この「社会に存在する」というあたりまえすら認められない時代が前世紀にはありました。国際障害者年以降、さまざまな取り組みから、社会参加レベルでのノーマライゼーションは達成されたと感じています。ただ、長い間そのレベルは社会参加にとどまったままです。存在するだけではいけないと思っています。役割を持って何かをしなければいけないと。ジャン・ジャック・ルソーは教育書「エミール」の中で“呼吸することと、生きることは異なる”と記しています。さらに、ゲーテは“生はそれだけで美しい、自覚ある生はさらに楽しく素晴らしい”と。社会活動レベルのノーマライゼーションを目指したいと思うのです。

是非に及ばず~未来を語れ~

2007-08-24 01:13:30 | Weblog
11月に開催予定の講演会・シンポジウム(イベント名はみらいフォーラム)の仮題は「是非に及ばず~未来を語れ~」。自立支援法が、是だの非だのと論争する気は毛頭ありません。この法律をいかに活用し育て、新しい障害者支援を構築し、社会参加を社会活動にしていくか。全国各地の実践例から学び、未来に向けての具体的活動方針を宣言する場に、と考えています。

どうかぶれずに貫いてください

2007-08-24 00:57:53 | Weblog
暑い中、厚生労働省から藤木企画課課長にご視察いただきました。めったにない機会と長居させてしまい恐縮です。今後、さまざまに改正の要があろうこの新しい法律ですが、その中身は新しい時代に必要とされる凝縮した要素で満たされています。どうか、ぶれずにこの新しい共生の形を推進してください。とかく見せかけの問題である自己負担ばかりクローズアップされますが、現場で本質的課題に取り組み、その真髄を明らかにしてまいります。

○○さん、その方向で企画します

2007-08-20 23:31:16 | Weblog
支援くださる方から、「天は自らを助くる者を助く」が自立支援法の本質的な理念、そのことを広めていくために、シンポジウムを開催するよう提案いただきました。イベント的なものから距離を置き、実践活動を行ってきましたが、自立支援法下での事業開始からもうすぐ1年。そろそろ、こうした活動も必要と再認識し、開催に向け調整することにしました。予定では、講演ないしシンポジウム、その後、関係者による記念パーティーを行うこととなりそうです。日時は11月2日または3日を予定。群れ、戯れる度量のせまい会ではなく、拓き、挑む懐の深い会にしたいと考えています。

コメント、ありがとうございます

2007-08-16 08:00:20 | Weblog
愛媛のみなさん、コメントをお寄せくださりありがとうございます。時間超過でクドイ系だったなぁという自己評価がちょっと救われました。コメント内容も、とても前向きなものばかりで仲間ができたと喜んでいます。
いよかんさん・・・コーディネートありがとうございました。お伝えしている言葉のいくつかは、私自身が尊敬する方から頂戴したものです。また、お伝えしていくことができれば幸いです。
ビアドさん・・・そうですね。モノの見方、大切です。自動車は真横から見たら凸型です。でも上から見ると□型です。どれが本当の姿なのかわかりません。人間だって一緒です。大切なのは、こうだと決め付けないこと。そう、仮説を持つこと。それを検証する態度が常に不可欠です。
元気ちゃんさん・・・障害の有無に関わらず「生まれ変わってもこの人生でありたい」と思える生き方をしてほしいと思っています。障害があっても、小さな頃から「将来、何になりたいの?」って人生に期待しながら生きられる社会を創りたいですね。がんばりましょう。一日コース、喜んで参加します(笑)。
Uriさん・・・のりしろ少ない私はすぐ怒ります。直情径行なので嫌われます。一粒で「得した」と思われる人になるようがんばります。「できない理由」は実はとても大切なので考えてください。なぜってそれは「できない理由はできる理由」だからです。よく「これこれこうで、こうだからできないのよ」と説明してくれる方がいらっしゃいますが、いつも思います。「それだけ理由がわかっているならできるよね」って。私にもできない理由がわからないことはできません。だから、いつもできない理由を探しています。できない理由は未来を拓くと思っています。がんばりましょう。ぜひ、またお目にかかりたいものです。
このほか、メールを頂戴した方々にはまだ返信できていない状況ですが、拝読しそれぞれの熱い思いを受け止めています。
ありがとうございました。またお会いできる日を楽しみにしています。

就労支援専門員を配置

2007-08-13 13:08:36 | Weblog
相談支援センターmiraiに就労支援を専門に行うスタッフを配置しました。一般就労に向けた実習のコーディネート等に欠かせないスタッフとなるはずです。障害者自立支援法の基本的な方向性には賛同していますが、各事業所のスタッフが一般就労に向けた外部とのやりとりを行うことは現実的ではないと感じていました。(基本的態度や作業能力の向上支援でいっぱいになります)
育った人材を一般就労に向けコーディネートしていくスタッフを配置したことで、今後の展開が効果的、効率的になるものと期待しています。予定では、今後就労支援専門員を2~3名程度配置したいと考えています。ちなみに、スタッフの配置はいわゆる“持ち出し”になります。自立支援法が“就労支援”を重点項目とするならこうしたスタッフ配置が可能なるよう施策としてもう一歩踏み込んでもらいたいと考えています。そうした効果を先駆的に実証する意味でも、がんばらなければと思います。

事実は真実の敵なり※ミュージカル「ラ・マンチャの男より」

2007-08-13 12:52:20 | Weblog
批判の多い障害者自立支援法。悪法だとするその主訴は「安い工賃から利用料を負担すると手元に何も残らない」である。事実、地域で暮らす障害のある人のその“工賃”は3,000円から多くて10,000円。時間給にしてわずか50円か100円といったところだ。「働いてマイナスになるくらいなら働かない。ひどい話だ」とわかりやすい世論にあって、私たちが未来を拓くために必要なことは「事実」ではなく「真実」を見極めることだと思う。「安い工賃からの利用料負担は弱者いじめ」は海面に浮かぶ氷山(事実)に過ぎない。見えない(いや、見ようとしなかった)その海底に何倍もの大きさで深く沈む氷塊(真実)は「あまりにも低すぎる所得水準」なのだと思う。
 暮らしにくさを持つ障害のある人たちが、地域生活を営むために医療や福祉は欠かせない。それと同じように、働いて対価を得ることが充実した暮らしのために必要だということに私たちは気付き、取り組まなければならないと思う。それは、経済的に自立することのみならず、生活者としての自信につながることを、各事業所で働き始めたユーザが示し始めている。
 かつて、障害のある人は能力が低く、内職レベルの作業しかできないとされ、低工賃が当然とされた。その事実は当時として誤りではなかったが真実ではなかったと思う。既成事実に囚われずノーマライゼーションを次代に向けて進化させよう。障害のある人が“作業”ではなく“仕事”を、“工賃”ではなく“給料”を得られるよう精一杯努力し続けよう。
 地域生活支援の活動からさまざまな「事実」が生まれ始めた。それでも絶えず謙虚に本当の「真実」は何かを見つめ、どこまでも納得しない活動を続けて行きたいと思う。(原稿依頼あったものを再編集しました)

あなたなら乗り越えられると与えた課題です

2007-08-13 00:58:59 | Weblog
土曜日、愛媛県社会福祉士会さんに招かれ松山でお話させていただきました。時間をオーバーしてしまった話でお疲れだったにも関わらず、熱心にご質問、ご意見いただきありがとうございました。なんらかのお役に立てたなら幸いです。それぞれにそれぞれの課題を持たれていること、悩んでいること、迷っていることがわかりました。大切なのは、「問題があることを嘆くのではなく、問題に取り組んでいないことを嘆く」ことだと思います。苦しみながら、もがきながらがんばりましょう。一つ山を越えれば、その先にもう一段高い山があって、振り返ってみると高いと思って乗り越えた山がこんなに小さかったんだと感じられるようになるはずです。繰り返しになりますが、「事実は真実の敵なり」。どこまでも、どこまでも探求です。

リスク管理

2007-08-09 22:39:08 | Weblog
気が付けば、従業員30名近くの所帯になりました。利用者も含めると100名近い人がこの事業に直接的に関わっています。昨日は、車の接触事故が立て続けに2件。利用者間のトラブルも数件報告されました。いずれも大事には至らないものでしたが、今後さらに組織が拡大するにつれ、リスク発生率も高くなるものと思われます。いかに予防し、対応するかというリスク管理について早急な対策の必要性を痛感する一日となりました。

なぜって

2007-08-05 23:06:21 | Weblog
客観視できていないのか、自身の意に反し「熱いですね」とか「どうしてそんなに」ということを言われる。賛否に関わらず巷話を気にしないので語ったことはないが、理由があるとしたらたったひとつだけだ。「障害のある人の自立支援を進めたい」は嘘偽りない大義名分だが、それだけではがんばることなどできはしない。「事実は真実の敵なり」(人生かけてその真実を追い求めなさい)と教えてくれたかけがえのない出会いがあったからに他ならない。くじけそうになった時、投げ出したいと思った時、これからもこの教えを決して忘れずにいつも限界を超えてがんばって行きたいと思う。