NPOワークスみらい高知PRESS

「NPOワークスみらい高知」の日々の活動のほか独自の視点で障害のある人を取り巻くことについて伝えていきます。

他人のせいにしていても

2012-11-04 09:36:00 | Weblog
障害者の就労に関わる団体により障害者の収入に関する調査がされたとのこと。

毎日新聞より
福祉作業所など就労支援を中心とした福祉サービスを利用している障害者の約99%が、障害手当などの公的支援を含めても年収200万円以下の「ワーキングプア」と呼ばれる生活水準にとどまっていることが、全国の障害者福祉施設でつくる団体「きょうされん」(東京都)の全国調査で分かった。なかでも年収100万円以下が半数以上を占める状況で、障害者の自立を取り巻く厳しい環境がデータで裏付けられた形だ。

(中略)

 同団体は「障害者の多くが十分な収入を得られず、家族に依存して生活している」と指摘。障害者の収入保障制度や、障害者を雇用した企業への公的支援の充実などを求めている。


肝心なことへの指摘は調査には記載されておらず、がっかりです。
そもそもその状況を生み出しているのは、調査を実施した団体にかなりの責があると思います。
作業所での工賃が数千円~一万数千円は企業でも国でもなく事業者の結果。そこに触れずに「かわいそう」はもうやめにすべき。それならば、いっそのこと、事業者に支払われる月当たりの支援報酬10万円~20万円を障害者に年金としてお支払いすることでこの調査対象になっている方々の収入は激増することは確実です。
そのことはかなり以前からわかってはいますが、ただお金を得られても閉鎖的生活となり、社会活動はおろか社会参加にもつながらないので、その経費を事業者に委ねることで、多様な社会活動を生みだすことを仕組みとしているのです。その経費を結果として工賃数千円~一万数千円にしかできず、こうした調査で社会の不備かのように訴えるのなら、やはり直接支給する議論をしてもいいのではないかと思います。

障害の重い方の場合、工賃の多寡でなくその社会参加のために福祉就労が必要なことは重々承知しています。しかし、そうした低工賃しか生み出せない事業者の責任を伝えるたびに繰り返す「障害の重い方はどうするんですか?」という言い訳、アリバイはやめにすべきです。それを訴える事業所を利用する相当数の障害のある方々が一般就労またはA型就労できるレベルにあることは経験として知っていますから。