通貨安競争、中国をけん制
【ワシントン=川上修、是枝智】国際通貨基金(IMF)の諮問機関である国際通貨金融委員会(IMFC)が9日ワシントンで開かれ、IMFでの新興国の影響力拡大を目指した改革は先送りされた。米国が、中国など新興国の投票権(議決権)拡大と為替政策の見直しを連動させる提案を行い「待った」をかけたためだ。
IMFCが採択した共同声明は、国際的な通貨システムについて、「緊張と脆弱(ぜいじゃく)性が残っている」と指摘し、問題点の分析や提案を来年中に検討するとした。中国が、人民元の価値を低くするために市場介入を繰り返している現状を批判する米国の主張を強く反映させた形となった。
新興国などのIMFでの投票権を拡大する問題については、最大の投票権を持つ米国のガイトナー財務長官が9日発表した声明で、「権利と責任のバランスが重要」と主張した。名指しこそ避けたものの、中国が人民元をさらに切り上げなければ、IMFでの投票権拡大を認めないとの強硬姿勢を鮮明にしたものといえそうだ。日米財務相会談でも、自国通貨を安く誘導する「通貨安競争」を避けるためには、多国間協調が必要との認識で一致している。
一方、新興国側は、IMF主導の通貨システムの改革には反発を強めそうだ。
(2010年10月12日
読売新聞)
関連ニュース
・
景気「改善動き弱まる」…日銀総裁
・「「目玉おやじ列車」衣替え 鳥取・米子」:イザ!
・「ひこにゃん・玄さん打倒…ゆるキャラ率「日本一」だ 兵庫・香美町」:イザ!