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だったけど、もはや自分の備忘録としての映画やドラマの感想しかないです。

超サイバー犯罪を超アナログ刑事が追い詰める展開がスリリングだった『シルクロード.com ―史上最大の闇サイト―』

2022年01月24日 22時38分40秒 | 映画

【個人的な評価】
2022年日本公開映画で面白かった順位:5/13
   ストーリー:★★★★☆
  キャラクター:★★★★☆
      映像:★★★☆☆
      音楽:★★★☆☆
映画館で観るべき:★★★☆☆

【ジャンル】
サスペンス
ダークウェブ
闇サイト

【原作・過去作、元になった出来事】
・サービス(ウェブサイト)
 シルクロード(2011-2013)

【あらすじ】
「世界を変えたい」。
天才的な頭脳に恵まれたロス(ニック・ロビンソン)は、
自由な世界を求め、
表では絶対に買えない違法物を匿名で売買できる
闇サイトを立ち上げた。
〈シルクロード〉と名付けたサイトは、
瞬く間に熱狂的なブームを巻き起こし、
栄華を極める。

ハデな動きですぐに警察にマークされるが、
ロスは絶対に身元がバレない強固なシステムを創り上げていた。
そんなロスを追う捜査官の中に、一人のはぐれ者がいた。
リック・ボーデン(ジェイソン・クラーク)。
かつて問題行動を起こし、
麻薬捜査課からサイバー犯罪課へ左遷された男だ。

アナログ全開で足手まといのリックだったが、
独自の捜査でロスとの接触に成功する。
リックが考えた驚愕の捜査方法とは?
そして、2人を待つ運命とは?

【感想】
2011年~2013年の間に
実際に存在したウェブサイト
「シルクロード」を題材にした映画。
"闇のAmazon"、"ドラッグのeBay"とも呼ばれ、
1日の売上は1億円超というインパクト。
その誕生と終焉を描いたのが本作。

◆サイバー犯 vs アナログ刑事というギャップが面白い

このシルクロードというサイトは、
ちょっとしたウェブの知識がないと利用しづらい。
ダークウェブ上に存在し、
Tor(トーア)というソフトがないとアクセスできないから。
さらに、取引に使える通貨はビットコインのみ。
要は、取引から個人の特定を防ぐためにそうなっているのだ。

これを追いかける刑事がリック。
彼は昔ながらの刑事で、
ウェブの知識なんてほぼゼロ。
マウスの使い方をチュートリアル動画で学ぶレベル。
まわりからも"石器時代の人"ぐらいに思われている、
時代錯誤なお荷物ちゃんという扱い。

そんな彼が、
長年培ってきた刑事としての勘や行動力、
人脈を駆使して、
誰よりも早く犯人にたどり着く展開はスリリング。
「絶対おまえには無理だろ」っていう人が、
全員出し抜くことの爽快感はたまらないね。

◆リックのほとばしる刑事力がかっこいい

現実には、
サイバー犯罪課も優秀かつ事件解決に
多大な貢献をしていることだろう。
でも、この映画はあくまでもリックを主人公にしているから、
サイバー犯罪課の人たちは基本嫌なやつらで、
画面ばかり見て現場に向かわない人たちとして描かれている(笑)

そんな中、
リックはかつて麻薬捜査課にいたときの
情報屋を使って手がかりを集め、
シルクロードで実際にドラッグを買い、
会員登録をして身分を隠した上で、
運営者のロスに直接連絡を取るという、
圧倒的な行動力を見せつける。
日本の刑事ドラマでもよく出てくる
「捜査は足でやるもんだろう!」と言わんばかり。

結局、彼はひとりで、
誰よりも早く犯人のロスにたどり着いているんだよ。
あれだけの人員を使った捜査チームと比べたら、
ほぼひとり+情報屋で同じ成果を挙げているのだから、
コスパメッチャよすぎだろって。

ただ、ロスも簡単に人を信じすぎじゃないかてのは思ったけど。
あと、そもそもリックって過去の問題行動を理由に、
麻薬捜査課からサイバー犯罪課へと左遷されてきた設定だけど、
そんな立場で独自に捜査できるほどの
権限と自由があるのかってのは気になったかな(笑)

◆そんなわけで

"闇のアマゾン"なんて、
『遊戯王』に出てきそうな名称だけど、
それを作り上げたロスの天才的な手腕と、
彼を追うアナログ刑事の執念が見応えあるので、
個人的にはオススメしたい映画。