Blog of 俺 by 俺 for 俺

自分の自分による自分のためのブログ。
だったけど、もはや自分の備忘録としての映画やドラマの感想しかないです。

全サラリーマンに観てもらいたい『同期のサクラ』

2019年12月19日 01時03分50秒 | ドラマ
公式サイト

いい。
ひじょーーーにいいドラマでした。

毎週泣いてた。
全エピソード泣いたのは、
1996年にフジテレビで放映されていた
岸谷五朗が教師役の『みにくいアヒルの子』以来かな。。。

これは、北野サクラ(高畑充希)と
その同期4人による社会人生活11年に及ぶ物語。
2009年4月入社組の設定なので、
ほぼ自分と同期みたいなもん。

サクラは憧れの花村建設に入社するものの、
空気は読まずに正論をズケズケ言うマイペースな性格だから、
とにかくまわりから煙たがれる。

そのせいで、異動や出向を繰り返すハメになるんだけれど、
それだけにとどまらず、
幼い頃に両親を亡くした彼女にとって親代わりだった最愛の祖父も亡くし、
夢だった故郷の島に橋をかける事業もなくなり、
事故で寝たきりになり、
その間に会社も解雇され、
こんなに踏んだり蹴ったりな主人公久しぶりってぐらい苦境に陥ってた。

でも、このドラマはそんな彼女が逆境を乗り越えるスポ根的な話ではないんだよね。
自分の身に起こったことは粛々と受け入れる反面、
人の心を読む優しさや、思ったことをそのまま言う素直さがあり、
それがまわりの人たちを変えるきっかけとなっていたんだ。

会社の方針や自分のキャリアに悩む同期はもちろんのこと、
シングルマザーで大変な想いをする先輩にも、
彼女らの短所を諭し、長所を伸ばす接し方が彼女の最大の魅力だったように思う。

それもこれも、彼女のじーちゃんが毎週FAXで
人間の本質を突いた格言のようなものを送ってくるのがヒントになってたから、
サクラの中におけるじーちゃんの存在はものすごく大きかったんだよね。
彼女が同期と仲良くなれたのも、まさにじーちゃんのおかげ。

そういった背景があるから、
じーちゃんが死んだときのサクラの燃え尽きた感は半端なかったし、
それこそ『ワンピース』でエースを失ったルフィ、
『るろうに剣心』で薫を失った剣心とまったく同じ状態に陥ってた。

このドラマは、多くの会社務めしているサラリーマンが抱えるであろう悩み、
ぶつかるであろう壁の最大公約数的なところを
うまく抽出して綺麗に物語にできていたと思うんだけど、
それを実現した脚本家の遊川和彦さんの手腕はすごいと思う。

なので、どのエピソードも共感できるところが多く、
毎週涙がボロボロ出てきて、泣くことが習慣化しちゃいました(笑)

もうね、森山直太朗が「ぼ~」って歌った瞬間に
パブロフの犬のように涙が出てくる。。。

ただ、物語としては9話でほとんど終わっている気がしたから、
最終回はこれまでのエピソードと比べるとちょっと弱いと感じたかなー。
「私の力は仲間です」ってルフィかよってwww

ちょいちょい『過保護のカホコ』のキャストも出ていたし、いいドラマだった。
ひじょーーーにいいドラマだった。

主人公がタイトルの人ではない『ジョン・デロリアン』

2019年12月19日 00時11分48秒 | 映画


2019年公開映画212本中152位。

あの『バック・トゥ・ザ・フューチャー』に出てきたタイムマシン、
「デロリアン」を作ったジョン・デロリアンの伝記的映画。

なんだけど、彼は主人公じゃないっていう(笑)
おい、邦題!

本当の主人公はその隣人であるジム・ホフマン(ジェイソン・サダイキス)です。
元々彼は麻薬の密売をしていたところをFBIに取り押さえられ、
逮捕しない代わりにもっと大物の密売人を捕まえるための情報提供者になれと。

そして、引っ越した先に
たまたまジョン・デロリアンが住んでいて仲良くなったのだけど、
彼の会社は資金繰りがうまくいっておらず、
麻薬取引に手を出そうとしていたから、
先の密売人逮捕と合わせてそれをFBIに密告するって話。

正直、なんだかなあという映画でした。
そもそもデロリアンって架空の車じゃなくて、
実際に売られてたのねっての初めて知って(笑)
全然売れなかったみたいだけど。。。

で、ジョン・デロリアンの生涯というよりは、
この麻薬密売に関してのみ扱った内容だからすごく限定的で、
ジョン・デロリアン自身にあんまり感情移入できなかったってのと、
ジム・ホフマンがね、せっかくの友人をなんでFBIに売り飛ばしたのか
よくわからなかったんだよね。

友達なら普通かばったりしそうだけど。
別にケンカしたり恨みがあったわけでもないのに。
まあ、報酬に目がくらんだのかな。
あんまり、金に困ってそうな描写はなかったけど。。。

そこらへんの腹落ちがあんまりなかったので、
微妙な印象になっちゃいました。。。

ちなみに、ジョン・デロリアンはこの件で逮捕され、裁判になるものの、
ジム・ホフマンの最後の証言により無罪になります。

その後、彼は新しい車のデザインをするものの、
ひとつも形になることなくこの世を去るという、
知名度の割にはアメリカン・ドリームまで行き着かなかったそうで、
なんかかわいそう。

回を追うごとに面白さを増していった『G線上のあなたと私』

2019年12月19日 00時03分55秒 | ドラマ
公式サイト

後半に行くほど面白くなっていくドラマで、
始まりと終わりで印象がガラリと変わった。

ヴァイオリン教室でたまたま同じクラスになった
波留、中川大志、松下由樹の3人が、
それぞれ抱える悩みと向き合っていくヒューマンラブストーリー。

実は第1話の時点ではすごくつまらないと感じていたんだよね。
波留と松下由樹がキャイキャイしてるだけのうるせードラマだなと。

ところがどっこい、今期観たドラマの中で
一番“人を好きになること”にちゃんと向き合っているドラマだったと思う。

アラサーで婚約破棄された波留は恋愛に消極的だし、
ヴァイオリン教室の先生に想いを寄せている
大学生の中川大志は叶わぬ恋に盲目的。
受験を控える子供がいる松下由樹は
そんな2人を微笑ましく見ているものの、
自身は家庭で旦那と姑とうまくいかずにストレスが溜まる日々。

年齢も立場もバラバラの3人がそれぞれの悩みを持つ中で、
ヴァイオリン教室のクラスメイトという
ゆるーい関係を続けていくうちにゆるーい絆ができ、
そのゆるさゆえに言いたいことを言える
“程よい距離感”の関係性が生まれ、
現代には心地よいドラマだと感じた。

昔みたいに変に暑苦しい関係ではなく、
かといって孤独にも耐えられない、
しかしオンラインで繋がるだけのドライさでもない、
本当に程よい関係だったというのが、
このドラマの魅力だろうなー。

でも、『モトカレマニア』と同じで、
恋愛においてはかつてのトレンディほど
パッションだけで突き進めるものではない
というのが世相を反映しているのかと思った。

まあ、結論から言うとね、最後はうまくいくんだけど、
途中波留は中川大志のこと好きなのに、
歳も離れてるし、また捨てられたら怖いということで、
2人の関係を深めることを一旦諦めようとするんだよね。
この先、捨てられて嫌な想いをするぐらいなら、
付き合えなくてもこのゆるい関係性を続けたいと。

その気持ちはすごくわかるんだけど、
先々のことを考えすぎて「今」を動かせないでいるのが、
昔のドラマのように後先考えずに「好きだからいっしょにいよう」
というノリとは180度違うなと感じたわ。

あと、このドラマのいいところは恋愛だけではなく、
人生の豊かさというか、生き方についても言及していたところかな。

もう大人だから、今さら何者になるわけでもない
私たちのヴァイオリンは大してうまくはない。
でも、大人になってから何かができるようになるってのは素敵なことだし、
実際はできるようにならなくても、ただ想ってるだけでいい。
私たちはいつでもいくつでも前に進める。
っていう波留のセリフがよかった。

いろんな人がズタボロになりながら、紆余曲折を経て、
何気ない日常の中にそれぞれの生き方を見つけている流れが素敵なドラマでした。