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自分の自分による自分のためのブログ。
だったけど、もはや自分の備忘録としての映画やドラマの感想しかないです。

回を追うごとに面白さを増していった『G線上のあなたと私』

2019年12月19日 00時03分55秒 | ドラマ
公式サイト

後半に行くほど面白くなっていくドラマで、
始まりと終わりで印象がガラリと変わった。

ヴァイオリン教室でたまたま同じクラスになった
波留、中川大志、松下由樹の3人が、
それぞれ抱える悩みと向き合っていくヒューマンラブストーリー。

実は第1話の時点ではすごくつまらないと感じていたんだよね。
波留と松下由樹がキャイキャイしてるだけのうるせードラマだなと。

ところがどっこい、今期観たドラマの中で
一番“人を好きになること”にちゃんと向き合っているドラマだったと思う。

アラサーで婚約破棄された波留は恋愛に消極的だし、
ヴァイオリン教室の先生に想いを寄せている
大学生の中川大志は叶わぬ恋に盲目的。
受験を控える子供がいる松下由樹は
そんな2人を微笑ましく見ているものの、
自身は家庭で旦那と姑とうまくいかずにストレスが溜まる日々。

年齢も立場もバラバラの3人がそれぞれの悩みを持つ中で、
ヴァイオリン教室のクラスメイトという
ゆるーい関係を続けていくうちにゆるーい絆ができ、
そのゆるさゆえに言いたいことを言える
“程よい距離感”の関係性が生まれ、
現代には心地よいドラマだと感じた。

昔みたいに変に暑苦しい関係ではなく、
かといって孤独にも耐えられない、
しかしオンラインで繋がるだけのドライさでもない、
本当に程よい関係だったというのが、
このドラマの魅力だろうなー。

でも、『モトカレマニア』と同じで、
恋愛においてはかつてのトレンディほど
パッションだけで突き進めるものではない
というのが世相を反映しているのかと思った。

まあ、結論から言うとね、最後はうまくいくんだけど、
途中波留は中川大志のこと好きなのに、
歳も離れてるし、また捨てられたら怖いということで、
2人の関係を深めることを一旦諦めようとするんだよね。
この先、捨てられて嫌な想いをするぐらいなら、
付き合えなくてもこのゆるい関係性を続けたいと。

その気持ちはすごくわかるんだけど、
先々のことを考えすぎて「今」を動かせないでいるのが、
昔のドラマのように後先考えずに「好きだからいっしょにいよう」
というノリとは180度違うなと感じたわ。

あと、このドラマのいいところは恋愛だけではなく、
人生の豊かさというか、生き方についても言及していたところかな。

もう大人だから、今さら何者になるわけでもない
私たちのヴァイオリンは大してうまくはない。
でも、大人になってから何かができるようになるってのは素敵なことだし、
実際はできるようにならなくても、ただ想ってるだけでいい。
私たちはいつでもいくつでも前に進める。
っていう波留のセリフがよかった。

いろんな人がズタボロになりながら、紆余曲折を経て、
何気ない日常の中にそれぞれの生き方を見つけている流れが素敵なドラマでした。


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