途中上田が足踏みし、このままトップを明け渡すのか?という所から、持ち前の根性で返り咲いた。これはツアー的にも、中々に盛り上げて魅せてくれたと思う。応援している古江彩佳は一日目後半から調子が急降下して、元に戻すのに苦労しているが何とか「7アンダー」で5位に踏み止まっている。総じて今回は日本人選手が上位に一杯いて、最近の日本は「結構やるじゃん」って感じである。
トップの上田に、復調著しい鈴木愛が2位、飛距離で若者を圧倒するベテランの藤田さいきが3位と、上位に実力者が顔を揃えた。一方、3位にメルセデス・ランキングで一位独走の山下美夢有が虎視眈々と優勝を狙い、単独4位に久々の小祝さくらが付ける。上位7人のうち6人が日本人というのは、相当日本人ファンにとっては嬉しい結果だ(古江は日本人枠にカウントした)。後は岩井千怜と永井花奈の未勝利組以外は、ズラーッと米ツアーメンバーが並んでいて、いつものTOTOの展開になった。
前評判の高いアッタヤー・ティティクルは、ジェマ・ドライバーグと共に6アンダーで8位Tにいる。確かに日米の差は殆ど無くなってきているといえるのだが、タイやその他の国の選手がガンガン出てきているのは現在のゴルフ界の流れのようである。日本人も「勝みなみと西村優菜」がアメリカのQTに挑戦すると言っているから多いに期待したい。
なお、今回は私の注目してるコ・ジンヨンや「ブルック・ヘンダーソン」、それと個性の強めなレクシー・トンプソンや立ち居振る舞いが美しい「チョン・インジ」等は来ていないみたいで、私的には非常に残念である。本当は彼女等と日本人選手との勝負を見たかった、というのが私の正直な気持ちである。
いつもWOWOWで米国女子ツアーを観戦している目から見ると、畑岡奈紗と古江彩佳は頑張っているが、渋野日向子は波が大きいし、笹生優花は今回も低迷している状況なので、お世辞にも「差が縮まっている」とは言い難い。テレビの解説でも言っていたが、日本人はフェアウェイキープ率やパーオン率など、ショットの技術と精度は互角かそれ以上だと思うけど、アプローチなどの技術というと「色んな芝質」の対応力などの点で、まだ一日の長があるという。しかし、一番の差は「飛距離」ではないだろうか。この点で現在のアメリカツアーの平均飛距離は、トップランカーは殆ど260ヤードオーバーが標準になりつつある。古江彩佳や吉田優利や西村優菜などのテクニシャンはとても太刀打ち出来ないレベルなのだ。勿論、それでも十分に勝負になっている現状は、飛距離に見合った技術が伴っていない選手が多いからだと言える。
コ・ジンヨンがそれほど飛距離が出る選手ではないのに、長い間ワールドランキングで1位だったのは「そのほかの技術」が半端ない位に高かったためだろうと思われる。勿論、パターも日本人選手は世界的に見ても一流のレベルを持っているのは確かだ。この、その他の技術が高いのに加えて、最近の若手は「飛距離」という点でも世界に引けを取らない選手が続々と出てきている。こないだ全米アマで勝った馬場咲希などは、飛距離は充分だが「まだ小技が勉強中」のレベルである。彼女が小技を覚えたら、即世界でメジャーを争える選手になると思うのだが、それが「そんなに簡単には行かない」のがゴルフだ、と言う訳だ。
とにかく、飛距離の差が無くなってくれば、もっともっと世界に出ていく女子ゴルファーが増えると思う。男子ゴルフも蝉川や、こないだ日本アマで優勝した「岡田晃平・古川龍之介」などの東北福祉大学のメンバーが中心になって、どんどん積極的に攻めるゴルフを広めていって欲しいと思う。守って守ってそれで「ミスを減らした」ものが勝つなんていう、つまらないゴルフでは無く、バンバン飛ばして「ボギーも打つがイーグルも取る」ゴルフをすることで、ゴルフ界も活性化するのじゃないだろうか。やっぱり豪快に2オンしてイーグルを取るゴルフがファンは見たいのである。
そういう意味では今回のTOTOジャパンクラシックは、ティティクルに期待したい。さてさて最終日は誰が栄冠を勝ち取るのか?
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