和翠塾ブログ

目黒都立大にある書道教室「和翠塾」のブログです。

王羲之特番

2013-02-03 10:17:42 | 日記
王羲之の展覧会が開催していることもあり、王羲之特番が放送されました。
今回は失われたコピー技術『双鉤塡墨』(そうこうてんぼく)についての話しでした。

王羲之の真筆は現存してはいません。
残っているのはコピーのまたコピー、さらにそのコピーというものばかりです。
その中にあって、中国皇帝が王羲之作品の保存を目的に国家の威信をかけて開発させた、『双鉤塡墨』という技術でコピーされた優秀な複製品が、世界に十数点ほど残っているというのです。

我々が王羲之作品を目にするものは、この技術で再現されたものが多くあります。

つい最近日本で王羲之の双鉤塡墨作品展がみつかりました。
40年前にも大名家子孫の家から見つかっています。
さすが、アジア文化の吹き溜まり日本、ですね(笑)
今後日本で更に発見される可能性もあります。

今回のテーマは、文献に少ししか記載されていない双鉤塡墨の技術を、現代の技術で再現しようという試みです。

結果として双鉤塡墨を越えることはできませんでした。
それは時間と予算と関わる人のレベルの差だと思いました。

かなり再現に近づいた所をみると、技術の解析は間違っていないと思いました。
再現したいという情熱もある。
しかし、予算も時間はない。
だから失敗を重ねて辿り着くことは許されない。
そして一番無いのは、多くの書の達人達が皇帝の命令で作業させられたという点でしょうね。

こればかりはねぇ(笑)です。


行書草書の基本を作り、書を芸術の域に高めた王羲之。

展覧会は三月ごろまで開催されているようです。
私も時間見つけていくあつもりです。

皆様も是非お運びください。

杉山


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