古代エジプトとか古代中国とか、古代人が死者の再生を信じていたということは良く言われる。確かに、ピラミッドとかミイラとか兵馬俑とか、その言説を裏付けるような構築物や習慣は存在している。
しかし、一方でさまざまな学問を発展させたことも事実だ。それに、死者の再生を見た人がいるわけでもなく、王や皇帝の身近にいた政治家や官僚は、王や皇帝が普通の人であることを当然知っていた(権力闘争しているのだから)。結局、まったく無学の下層民が「そう信じていた」ということを別にすると、死者が蘇るとか、死後の世界があるということを信じていた権力者はいなかったはずだ。古代人とはいえ、人の上に立とうというだけにマヌケでは地位を維持できない。
結局のところ、宗教的な儀礼を死者に施したという以上の意味はないのだろう。施した儀礼の規模が桁外れということだから研究の対象になるのだろう。