わんわんず

日々のあれこれ、感じたこと考えたこと

文化的な生活基盤

2008-07-31 | 国際・政治

 NBonlineで

「完全」を目指す地上デジタル放送読者の皆様はどうお考えですか

という記事を読んだ。地上デジタル放送を受信できないところをなくすために、現在約2000局の中継局を今後3年間で約9500局増設することの是非を問うているようだ。もう少し説明すると、現在の中継局で人口の93%をカバーしているので、これから設置される中継局は残り7%のためである。そのために相当なコストをかけることが許されるのかという質問だと思う。質問なので、トラックバックするのが本筋なのかもしれないが、まあ、日記ブログからリンクすることもないだろう。

 日本国憲法第25条で

すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する。

国は、すべての生活部面について、社会福祉、社会保障及び公衆衛生の向上及び増進に努めなければならない。

と定めている。今の社会で「テレビを見ることができる」が文化的な最低限度であると思うので、政府がテレビを見ることができないことを前提に政策を進めることは問題があるだろう。もちろん、本当に100%はコストの面で不可能だが、例えば、ネットを使った再送信をすればいいというのであれば、そのためのコストは政府が負担すべきものとなる。実際、限界集落に光回線を通すというのは、政府が負担あるいは事業者に強制しなければ不可能だろう。

 「どうお考えですか」という質問に対してはテレビ視聴を文化的な最低限度の生活を送るための基盤だと考えているので、コストがかけられる限り、完全を目指すべきだと考える。

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肥満は病気か

2008-07-30 | 健康・病気

 いまさらの感もあるが、メタボ健診も始まり、そろそろ保健指導が始まるころじゃなかろうか。生物として、他の検査項目に異常がなく、肥満であるという状態がありえるのか知らないが、果たして、肥満は治療が必要な病気なのだろうか。
 もちろん、何事も極端は異常なので、平均的な日本人が200キログラムの体重だとすると、普通は何らかの対処を必要とするだろう。そうではなくて、一見すると健康に見える体重80キログラムくらいの人のことだ。
 一般知識として、肥満は心疾患や糖尿病の予備軍とされるが、厳密にはそういった病気に罹るリスクが高いというのが正確な表現だろう。

 医療費を抑制したい立場では、長期の治療を必要とする慢性疾患に罹患するリスクを下げたいという意図はわかるが、皆がリスク回避で体重を管理する社会というのは、果たして健全なのだろうか。

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もちろん誰もが今のままがいい

2008-07-29 | 社会・経済

 全国一斉に7月15日に行われた漁業ストライキを受けて、漁業事業者に燃料代を条件付で補填することになった。もらう側は条件を付けるなとか金額が少ないとか文句をつけているようだが、ゴネるとお金が出てくるのだから大したものだ。

 市場原理ですべてまかなえると思うほど偏った考えは持っていないつもりだが、少なくとも長期的には石油価格が高騰することが予測されているのに、今と同じやり方で仕事をしたいから、コストを政府が負担してくれというのは行き過ぎだろう。 

前にも書いたけど、コストアップは最終的に消費者が負担すべきであると思っているので、政府が燃料代を支出することは反対だ。一応、設備の更新をすることが条件になっているようだが、ガソリンに課されている道路特定財源が臨時措置で何十年も続いていることと、選挙が近いことを考えると、無条件に金をばら撒くような制度になってしまう可能性が高そうだ。
 もっと恐ろしいのは、業種を問わず困っている事業者には、自動的に税金で補填されるような制度ができる可能性だ。破綻した事業者の後始末や再建のための投資ならともかく、現状を維持するためだけの支出は意味がないと思う。

 誰もが今のままのやり方を変えたくないと思っているのは当然だが、状況が変化したら生き方も変えないといけないだろう。現状を糊塗しても、いずれ破綻することは判っているのだから、積極的な金の使い方を求めるというのは、部外者の、あまりに無理解な言葉だろうか。

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空が変わった

2008-07-28 | 気候変動

 今年の梅雨は、自分の身の回りでは、それほど雨が降らなかった。空が暗くなって、空気が湿ってきて、風の中に水分を感じるようになっても、結局降らないことが多かった。そうかと思えば、降るときはスコールのように大粒の雨が短時間降っている。これまでの「もうすぐ降るな」という感覚が通用しなくなった気がする。
 今年限りの気のせいかもしれないが、雨の降り方は九州や四国で体験した降り方に近い。確かに気候が温暖化して、関東地方でも南国の降雨パターンに入るのかもしれない。

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ジャングルの生活が、それほど理想か

2008-07-27 | 日記・エッセイ・コラム

 あまりにも腹が立ったので脊髄反射で書いている。今日の朝日新聞の環境ルネサンスでアマゾンのインディオの生活について

そこには電気やガス、水道もなく、加えて文字もない。貨幣制度は確立しておらず、狩猟採集を生活の糧としているが、集落での暮らしでは殺人など事件はもとより、いじめや差別、自殺といった現代社会が抱える問題は皆無で、認知症や寝たきりのお年よりも見かけない。

という記事(コラム?)があった。確かに、現代社会が抱える問題は皆無だろうが、現代社会が克服してきた問題が山盛りのはずだ。

 集落内での殺人事件はないかもしれないし、現代では行われていないかもしれないが、過去は他集落への襲撃は行われていたはずだ。また、定義にもよるが、いじめがない人間社会は存在しない。
 それから、狩猟採集生活では安定した食料を得ることができないので、本当に食料を狩猟採集だけに頼っていると、短期の気候変動によって構成員の一部が餓死することも珍しくなかったはずだ。むき出しの自然は、それほど命に優しい場所ではない。
 認知症や寝たきりのお年よりがいないのは、そもそも平均寿命が短いので認知症を発症したり、老衰で動けなくなるまで生きることができないのが原因のひとつであることを意図的に隠している。
 さらに電気やガス、水道といったインフラ、特に清潔な水を供給する上水道は衛生状態を劇的に改善するし、下痢による乳幼児の死亡を減らす効果が高い。
 そして、ジャングルでは現代社会が提供する医療や教育といったサービスのほとんどを受けることができない。
 文明を否定すれば、皆が幸せになると言わんばかりの内容には腹が立つ。

 ほとんど反射的に、この程度のことを思いついた。記者が書いた記事ではなく、あくまでコラムだから新聞社に責任はないと言い張るのかもしれないが、編集して発行している以上、何の責任もないとはいえない。いったい、何を考えているのだろうか。

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