日本国内で、あるいは海外で活躍する日本人が素晴らしいのは当然で、テレビ番組で取り上げるのもいいだろう。気になったのは、番組の途中から、「スゴイ」の対象が取り上げられていた個人から日本人全般に変わっていたことだ。
「その人がスゴイ」ことと「日本人全員がスゴイ」ことを結びつけるのは無理がある。
例えば、フィギュアスケートの羽生結弦が素晴らしいから、「日本人全員がスゴイ」とはならない。海外で活躍する日本人が拠点を日本国内に置かないこともある。
もちろん、「その人」を支える「インフラとしての日本社会」という話はあるのだが、個人を例にして全体を語るのは牽強付会に過ぎる。
どうにも違和感を感じる番組構成だった。
テレビを見ないので知らなかったが、テレビ朝日の報道ステーションでコメンテーターが不規則発言をしたそうだ。内容が官邸からの干渉でコメンテーターを降ろされたとか言ったようで、口走った内容も話題になったようだ。
思い起こせば、2004年のスーパーボウルでジャネット・ジャクソンの胸が見えた事件があった。これをきっかけにスーパーボウルは生中継でなく、数秒間の遅れで放送されることになった。これで放送事故がなくなるかと思いきや、その後も不適切な映像が流れることがあったらしい(こちらの情報はウィキペディアによる)。
口走った内容はともかく、放送事故を防止するためにはスーパーボウルと同様のシステムを導入するしかないだろう。なにかやばいことが起きたら、すぐにCMを入れるようにすればいいわけだ。
生放送はハプニングも楽しみのひとつだと思うのだが、こういうことがあると、生放送自体が無くなってしまうのかも。
NHKのドキュメント72時間という番組で、「東京・山谷 バックッパッカーたちのTOKYO」という放送があった。これまで行ったことはないけど、山谷といえば日雇い労働者が集まる町というイメージしかなく、近づきがたい場所と考えていた。しかし、タフな外国のバックパッカーたちには安く泊まることができる宿がある町ということなんだろう。
何となく物騒なイメージがあるけど、同じ日本の中だし、総体的な治安という意味で外国と比較すると平均をはるかに上回る水準にあることは想像できる。間違っても追いはぎや殺人が始終起こるようなところではない。
番組を見て一番驚いたのは、普通に外国人がいる風景になっていることだった(当然、編集の結果だろうけど)。そして、こういうところで数日から数週間過ごして次の目的地に向かうという生活をする連中とやり合うようなことはできないなという思いがわいてきた。
通商で生きていくというのは、もしかしてこういうことなのかとも思ったり、30分の番組だけど考えさせられることは多かった。
番組の構成というか作りからして、経験が少ないスタッフがドキュメンタリー番組を作る経験を積むためという雰囲気があるけど、ただカメラを回して素材を提供し、結論を押し付けることはせずに視聴者にゆだねるというやり方には好感が持てる。
どのくらい続くか分からないけど、とりあえず次回も録画して見ます。NHKがんばれ!(ちなみに受信料は払っています)