わんわんず

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ある意味、やられ損

2016-03-02 | 日記・エッセイ・コラム

 認知症の人が電車にひかれて亡くなった事件で、最高裁は鉄道会社の遺族への賠償請求を認めなかった。ある意味当然と言える判決なのだが、一方で認知症の人が絡む事件での規範となりそうなので心配にもなる。

 普通、小学校に入るくらいの子どもが何かしても、よほどのことがない限り責任を問われることは少ない。同じことが認知症の人にも当てはまるようになると、ちょっと問題がある気がする。子どもの場合は見た目でおおよそ判るので、例えば棒を振り回して道端で遊んでいる子どもを見つけたら、ぶつかるかも知れないと用心することができる。しかし、認知症かどうかを見た目で判断することはできないので、道端で杖をついていても用心することはできない。すれ違った人が認知症で、突然杖を振り回して殴られても、本人または家族に賠償請求することができないかも知れないのだ。

 保険を掛ければいいという問題ではないし、認知症の人を監視下におけばいいという問題でもない。しかし、総人口の4分の1は65歳以上という日本で認知症の人にあたってしまったら「やられ損」というわけにもいかない。答えを持ちわせていないが、大変な問題だと思う。

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