北朝鮮による拉致被害者の有本恵子さん(拉致当時23)の母親有本嘉代子さんが、3日午後、心不全で亡くなっていたことか分かった。94歳。
僕は嘉代子さんのことはよく覚えている。
2002年9月17日に小泉訪朝団が金正日と会談。
金正日は拉致を認めたが、横田めぐみさん、有本恵子さんらが既に死亡していると発表した。
あの発表には日本中がショックを受け、怒った。
金正日にしたら、認めたことでこの問題は終わり、日朝国交正常化できると思ったろうが、そうはいかなかった。
日本の世論は北朝鮮の悪辣さを再認識し、逆に硬化し、現在に至っている。
僕は恵子さん死亡発表の3日後の20日に、神戸市長田区の自宅で嘉代子さんを取材した(写真)。
嘉代子さんは愛娘の死亡情報にショックを受けていただろうが、気丈に話してくれた。
北朝鮮に対する激しい怒りは当然だが、1988年に拉致が分かったのに、全然動いてくれなかった外務省に怒っていた。
その後、嘉代子さんや横田夫妻は娘の死を認めず、奪還に向け頑張っていた。
合掌。