切られお富!

歌舞伎から時事ネタまで、世知辛い世の中に毒を撒き散らす!

吹けよ風、呼べよ嵐~。

2006-03-20 19:42:52 | アメリカの夜(映画日記)
ここのところの東京は強風で、コンタクト派のわたしには辛い毎日なんだけど、目にホコリが入るのってイヤなものですよね。ところで、映画で「風が吹いてる」というのは、すなわち「何かが風ではためいている」って状態のことなんだけど、強風で目を瞬かせながら、ふと目の大きなモーリーン・オハラのエピソードを思い出した。

春風猛威 東京33.4メートル記録 鉄道15万人に影響 宮城でヨット転覆 (産経新聞) - goo ニュース

ジョン・フォードの映画『わが谷は緑なりき』でヒロイン役のモーリーン・オハラが気にそまない結婚をするくだり、ウェディングドレスのベールが風でふわーっと舞い上がる場面は、ちょっと目、本当にたまたま風が吹いたのかなって思える叙情的なシーンなんだけど、のちのち彼女の撮影秘話を聞いてヘェ~って思える場面に変わった。

「撮影中、目が痛くてしょうがなかった!」と語った彼女は、テストから何度も何度も扇風機を回し続ける頑固オヤジ、ジョン・フォード監督のことを懐かしく語っているんだけど、「あのシーンのことを評論家は偶然のように語っているけども、偶然でもなんでもない、明確に彼の意図だった。」と証言している。

フォードといえば、ジョン・ウェイン主演の一連の西部劇に代表されるように男性的な映画作家と見られることが多いんだけど、ディテールの演出なんかはけっこう繊細で、女性が男性に物を投げて親愛の情を示すという芝居は西部劇なんかにもしばしば出てくる。

ところで、問題のシーンは牧師に恋していたヒロインが気にそまない炭鉱主の息子と結婚するという場面で、モーリーン・オハラの微妙な表情が涙を誘うんだけど、あの表情の裏に目のホコリのためのイライラがあったとは…。

大監督ジョン・フォードの演出術を語る貴重な逸話です。

因みに、この映画はホコリが舞わなくたって、涙なくしては観れない映画。大傑作なので、興味のある方は是非どうぞ!

わが谷は緑なりき

20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン

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(全然関係ないけど、風っていったら、このアルバムの一曲目しかないでしょ!!)
おせっかい
ピンク・フロイド
東芝EMI

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