切られお富!

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小五自殺と、「心に茨を持つわたし」

2006-03-25 04:26:58 | 政治少女死なず(反アベ宣言!)
小学五年の男の子が先生に叱られて首吊り自殺した事件は、「そんなことぐらいで自殺するもんじゃない!」という至極真っ当な反応を多くのブロガーに引き起こしたわけだけど、報道されている彼のエキセントリックな行動ぶりから、「自律神経失調症の疑いもあったのでは」と、わたしは思ったんですよね…。

北九州で小5男児自殺 直前に担任教諭が注意 (共同通信) - goo ニュース

イライラした状態や過度に自分を追いこんでいく傾向って、思春期の子供たちによくみられる「自律神経失調症」の症状なんだけど、テレビなんかの取材や彼の親族の会見は、もっぱら教師の行動に焦点が当てられていて、わからない点が多い。確かに、彼の叔母がいう「教室を出ていった子供のことを、何で家族にすぐ連絡しなかったのか?」という主張には一理あるとはいえ、自殺まで教師に予見しろというのはかなり無理があるし、わたしのささやかな経験から照らしても、教師には生徒のメンタルヘルスまで気にするセンスとか余裕というものはないのが普通だと思う。

だから、学校という組織の隠蔽体質を暴いたところで、この件の真相には一向に近づかないと思うのだけど、今回この件を取材している連中の突っ込みの甘さっていうのは、彼らが「学校が楽しくてしょうがなかった人たち」だったからなのでは?という気がしてならない。

ところで、この世でもっとも繊細な感性を持たない職種は政治家と警察幹部なんじゃないかという疑いを持つような、トンデモない条例が奈良県で可決した。

             ☆   ☆   ☆
「少年の補導に法的根拠 奈良県が初の条例可決」
2006年 3月24日 (金) 18:11

>飲酒、喫煙や無断外泊、深夜はいかいなどの「不良行為」を細かく定義し、警察官らによる少年補導に全国で初めて法的な根拠を与えた「奈良県少年補導に関する条例」が24日、県議会で賛成多数で可決、成立した。施行は7月1日。

>少年犯罪の深刻化を受け、警察庁も補導手続きの明確化など非行防止法制の在り方を検討中で、これを先取りした形。警察官が少年を一時保護したり、たばこなどを預かる権限も規定しており、「警察の権限拡大や少年の人権侵害につながる」と批判も出ている。

>補導の対象となる不良行為として列挙されているのは26項目。20歳未満では、飲酒、喫煙などに加え「暴力的行為に発展する粗暴な言動」「みだりに異性に触れ性的不安を覚えさせる行為」など。

             ☆   ☆   ☆

簡単に言うと、未成年が飲酒喫煙したり、深夜に徘徊・無断外泊したり、エロサイトをみただけで補導がOKになり、奈良県民は現場を目撃したら通報しなければいけないという内容。しかし、こんなことまで、管理・監視してどういう社会が望ましいと奈良県議会は思っているんだろうか?

奈良県少年補導に関する条例(案)経緯
インターネット全般 奈良県条例案、「有害サイトの利用」「ネットでの中傷」が補導対象に - goo ニュース

以前別の記事のコメントでも紹介した警察の「Nシステム」もそうだけど、徹底的に管理・監視体制にはいった社会では、はみ出した行動をするものは徹底的に排除される運命にあるらしい。

「Nシステム」を追う
新「Nシステムマップ」公開にあたって(教えてくれた不悟さん、ありがとう!)

わたしなんかは、学校はサボりまくっていたし、昼夜を問わず徘徊していたもんだけど、今もって勉強は「家で独学」の方がはかどると思っているし、学校みたいな集団生活にはまったくなじめない体質。わたしみたいな子は、家に閉じこもってニートになれって話なんでしょうか?

なんだか世知辛い世の中になってきたなあ…。昔、アンドレ・マルローなんかを読んでいたはずの石原慎太郎もこんな条例に賛成したりしないといいけれど。

まあ、家にこもって、"The boy with the thorn in his side~♪"っていう歌いだしの曲を聴いてるのも悪くないけどさ…。

というわけで、とりとめのない話でした。

The Queen is Dead
The Smiths
Sire

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